自爆装置
俺たちはアール山のショッカーの基地を急襲した。俺は魔法力を失っていたが、ミキやアリシアから分けてもらってラインマスクに変身できるまでは回復していた。即席でラインマスクに変身して勇者ノブヒコの後に続いた。
怪人は倒したからそこにいるのはスレーバーだけだ。ただ自爆されないようにしなければならない。勇者ノブヒコは先頭に立って入り口のドアを剣で破壊した。そして全員で基地内になだれ込んだ。
スレーバーが飛び出してきて阻止しようとするが、勇者ノブヒコが剣を振るって斬り捨てていく。もちろん俺もその後ろで援護する。ミキやアリシアは廊下に面するドアを開けて各部屋をチェックしていった。すると、
「ウィーン! ウィーン!」
いきなり天井の赤色灯が回り。警報音が鳴りだした。そして、
「自爆10分前・・・・」
と音声が流れた。スレーバーの一人が自爆スイッチを押したらしい。俺はすぐにスレーバーの一人をとらえて首を締め上げた。
「自爆スイッチはどこだ! 言え!」
「貴様らなどに・・・」
拒むスレーバーをさらに締め上げた。
「言わないともっと締め上げるぞ!」
「うぐぐ・・・。貴様らもともに死ね!」
スレーバーは口を割ろうとしない。そのままぐったりとなった。俺はそいつを投げ捨てた。
「だめだ。」
「探すんだ! 自爆のコントロール装置が必ずどこかにある! 止める方法があるはずだ。」
勇者ノブヒコが言った。それで俺らは基地内のあちこちを探した。
「自爆3分前」
アナウンスが聞こえる。時間が刻々と迫っている。ここはあきらめて基地から脱出すべきなのか・・・。
「あったわ!」
アリシアの声が聞こえた。俺はその部屋に急いだ。そこは司令室のような場所だった。通信装置やら監視カメラのモニタなど多くの機械が置かれていた。その部屋の一角に、自爆するまでの残り時間を示した計器のついた装置があった。
「これか!」
「どうやって止める?」
「停止ボタンはついていないようだ。」
俺たちはその装置を観察したが、らちが開かない。
「こうなれば短剣で一突きに!」
「いや、剣で一刀両断に!」
「いえ、サンダーで破壊した方が・・・」
などと物騒なことを言う。考えてみたら、このメンバーでメカに強いものは誰もいなかった。しいて言えば俺が少しわかる程度か。前世ではテレビやDVDレコーダーなどのややこしい配線を一人でやったのだから・・・だがそんなことはこの場で役には立たない。それでも俺は慎重に装置の外枠を外してみた。すると案の定、あれがあった。
「赤と青。2本のリード線がある。正しい方を切れば止まるし、間違えれば爆発する。」
俺がそう言うと、勇者ノブヒコは驚いてその2本のリード線をじっと見た。
「どっちだ?」
「それはわからない。運次第だ。」
こんな場面はドラマでよくある。だが結局は正しい方を切って危機を乗り切る・・・というのが定番だ。だが一体、どっちを切ったらいいのか・・・間違えたらドカンだ。俺はドラマの場面を思い出してみたが、赤のこともあるし青のこともあった。
(困った・・・どっちだ・・・)
時間が刻々過ぎ去る。あと1分少々しかない。
「もう無理だわ。逃げましょう!」
ミキが言った。
「そうだな。今なら間に合う。脱出するぞ!」
勇者ノブヒコがそう言うと、一斉に駆けだした。しかし、
「あっ!」
ミキが何かに引っかかって転んだ。俺が振り返ると装置の表示は消えて止まっていた。
「ははあーん。これか。」
勇者ノブヒコがミキの足に引っかかったものを見た。それは装置から外れたケーブルだった。多分、電源か何かが抜けたのだろう。
「これで大丈夫だ。」
勇者ノブヒコは言う。まるでコメディーみたいな展開だ。だが結果オーライだ。スレーバーたちは倒されたか、逃げ出したかでもうここにはいない。これで基地に残された情報をしっかり調べられる。そんな時だった。また警報が鳴ったのは・・・。
「今度は何だ?」
監視モニタには駆け抜けていくグレートウルフの姿があった。
「ペロ! ペロじゃないか!」




