表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
114/182

現れた男

 俺たちがアール山でジョーカーと戦っていたころ、アキバレーシングを訪ねてきた男がいた。いきなり店に入ってきておやっさんに声をかけた。


「アキバのおやじ。来たぜ!」


 それはシミズ・ゴウだった。


「ゴウ! どうしてお前が!」


 おやっさんはいきなり現れたゴウに驚いていた。


「そんなに驚くなよ。レースに負けた方が勝った方のチームに行くって約束しただろう。」

「確かにそうだが・・・。だがここにはお前はいらない。帰ってくれ!」

「そんなこと言うなよ。約束を守ってせっかく来てやったんだから。」


 ゴウはソファに腰かけた。ペロがそばにいたが別に吠えようともせず、知らんぷりを決め込んでいる。


「おやじのところのマシーンは素晴らしかったぜ。俺が乗っていたマシーンに引けを取らないほどに。加速は俺の方が勝っていたが、直線の粘りというのか、ゴール前でも抜けなかったぜ。」

「まあ、そうほめてくれるのはうれしいが・・・前のチームの方はいいのか?」

「ああ、いいんだ。あのマシーンで優勝できなかったから俺なんかお払い箱さ。ちょうど渡りに船。おやじのマシーンなら乗ってやってもいいと思ってな。」


 ゴウはふてぶてしくニヤリと笑った。その様子から見てここに居座るらしい。 


「仕方がない奴だ。ソウタは急にいなくなるし、こんな奴が来るし・・・」


 おやっさんはため息をついた。横からそのやり取りを見ていたシゲさんが言った。


「おやっさん。」

「わかっている。ゴウのことは考える。」

「いえ、そのことじゃないんです。部品が手に入らなくなっているんです。」

「魔法鉱石のことか?」

「ええ。ここんところ採掘現場からのホバートラックが来なくなっているんです。」

「一体、どうしたんだ。」


 するとジロウが話に入ってきた。


「噂では採掘を止めたとか・・・。鉱山が閉鎖されて施錠されているようです。ホバートラックで行った友達がそう言っていました。」

「鉱山の閉鎖なら前から話が出ていてもおかしくないが・・・そんなことを聞いたことはない。」

「そこで働いていた人もそっくり消えてしまったようですよ。山全体が不気味なほど静まり返って・・・みんな食べられたのかも・・・。」


 ジロウが怖い顔をして近くにいたロコをおどかした。彼女は「きゃっ!」と声を上げて奥に逃げた。


「こらこら、ジロウ。おどかすな。」

「すいません。でも変でしょう。」

「確かに変だ。もしかして・・・」


 おやっさんは顎をしゃくった。それを聞いていたゴウの目が光った。彼は立ち上がってシゲさんに尋ねた。


「その山はどこだ?」

「ええと・・・サング山ですが・・・」

「ありがとうよ。じゃあな。おやじ。また来るぜ。」


 ゴウは店を飛び出して行った。それを見送りながらおやっさんは首をひねった。


「あいつ、どうなっているんだ?」

「おやっさん。どうします? このままではホバーバイクは作れませんが・・・」

「何かトラブルが起きているだけかもしれない。奴らの仕業と決まったわけじゃないからな。ちょっと見て来るか。」

「でも危険じゃないですか。せめてソウタが帰ってからでも。」

「大丈夫だ。そうだ。ペロを連れて行こう!」


 こうしておやっさんはペロとともにサング山に向かうことになった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ