2号
ここは先輩としてアドバイスしてやらねばならない。
「よく聞け! ラインマスクは四肢のばねの力。とりわけその脚の跳躍力が武器でもある。それを最大限使うんだ!」
するとラインマスクは大きくうなずいた。そして大きく腕の力をためてパンチを放った。その強い衝撃は防御するカマキリ怪人のカマをへし折り、奴を後ろに下がらせた。
「そうだ! 今のがラインパンチだ! 次はジャンプだ!」
俺はそう声を上げた。ラインマスクは言われた通りに、
「トオオオォー!」
とジャンプした。俺はさらに言った。
「空中で回転して態勢を整えて力をためてキックを放て! ラインキックだ!」
するとラインマスクは空中で大きく回ると、カマキリ怪人に向けてキックを放った。それは奴の体をとらえて吹っ飛ばした。そのそしてラインマスクはゆっくりと着地した。その背後でカマキリ怪人は空中で爆発した。
(初めてにしてはなかなかだ!)
俺は感心した。TVのラインマスクと違うところはあるが、これはこれでいい。俺はラインマスクのそばに行った。ラインマスクは変身を解いて青年の姿に戻った。
「俺、やりましたよ!」
「よくやった!」
俺の言葉に青年は笑顔で答えた。そして俺たちは固く握手した。ラインマスクになった者の友情のあかしだ。
「おい! 俺たちを忘れているぞ!」
勇者ノブヒコが声をかけてきた。3人はまだ縛られたままだった。
「すまん! すまん!」
俺と青年はあわてて3人の縄を解いた。
「ふう。一時はどうなるかと思った。君のおかげだ。」
勇者ノブヒコも青年と握手した。
「これで君はラインマスク2号だ! これからも頼むぞ!」
勇者ノブヒコが青年に言った。だが勝手なことを言ってもらっては困る。そう名付けてしまうと俺は「ラインマスク1号」と呼ばれてしまう。「ラインマスク」だけでいいのだ。もっともどのヒーローでも後で新たなヒーローができると、「1号」やら「初代」やらが付けられてしまう。仕方がないことではあるが・・・。
「君はこれからどうする? 我がパーティーに入って冒険するかね?」
勇者ノブヒコは青年を誘っていた。だがそれでは俺とキャラが被る。
「いえ、俺はフリーの記者だったのです。その辺の記憶は残っています。ペンの力で悪を追いたいのです!」
青年ははっきりと言った。
「そうか・・・それは残念だ。」
勇者ノブヒコはがっかりしたが、俺はほっとしていた。青年は俺たちに手を振るとその場から姿を消した。
とにかく怪人は倒した。後は基地だけだ。勇者ノブヒコは言った。
「今からジョーカーの基地を襲う。警備は手薄のはず。無傷で手に入れば何か奴らの情報が得られるかもしれない。」
確かにそうだ。ジョーカーのことをまるで知らない。奴らの基地にはその辺の情報が集められているだろう。基地を自爆される前に襲撃しなければならない。
「いくぞ!」
勇者ノブヒコは率先して基地に向かって行った。




