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青年

「ラインマスク! 変身!」


 俺は短縮バージョンでラインマスクに変身した。そしてそのパワーで扉をつかんでこじ開けた。 

 するとそこはまさに手術室という感じで、大きな手術台に一人の男が寝かされ、黒マスクをしたジョーカーの科学者が取り囲んでいた。頭上からはドリルが吊るされ、今まさに男の頭に穴をあける寸前だった。


「待て!」


 俺は大声を上げた。扉が壊された大きな音に振り向いた科学者たちは、思わぬ侵入者に驚いて作業を止めた。


「その人を放せ!」


 俺はさらに叫んだ。科学者たちは右往左往していたが、そのうちの一人が警報のボタンを押したようだ。急に天井の赤色灯が回り、警報音が鳴り響いた。

 俺は手術台の方に向かった。だが科学者がそれを阻止しようとして、そこらにあった物を振り上げて俺に向かってくる。俺はそれをパンチやキックで倒してすべて排除して、手術台のそばに寄った。

 手術台の上にはいたのは20台の若者だった。俺と同じくらいの背丈だが、がっちりした筋肉がついていた。人懐っこい顔をしているが、今は恐怖でおびえた表情をしている。俺は彼が拘束されている四肢のベルトを引きちぎった。


「もう大丈夫だ! 助けに来た!」

「ラ、ラインマスクか。本当にラインマスクか!」


 その青年は俺に尋ねた。俺は彼を安心させるために大きくうなずいて言った。


「そうだ。ラインマスクだ。俺のことを知っているのか?」

「ああ。小さい頃、TVで見ていた。本当にいたのか。ラインマスクは・・・」


 この青年も俺と同じく転生者のようだった。脳改造される前だったので、この異世界の記憶が消されて前世の記憶が出てきたようだ。だからラインマスクのことを知っていたのだろう。


「ここはジョーカーという悪の組織の基地だ。脱出するぞ!」

「ああ、でも・・・」


 この青年は自分が改造されたのをすでに知らされたのだろう。以前の俺と同じように絶望しているのかもしれない。


「俺も君と同じように改造されたんだ。だがこうして生きている。」

「えっ! あなたが・・・」

「そうだ。俺は奴らに改造した力を使ってラインマスクになった。これで人々を救うことにしたのだ。今の君にもきっとやるべきことがある。だから一緒に来るんだ!」


 俺はそう言った。するとその青年の目に光が戻ってきた。


「わかった!」

「じゃあ、行くぞ! 俺から離れるな!」


 俺たちは手術室を飛び出した。するとそこにはスレーバーが押し寄せてきていた。俺は前から襲ってくるスレーバーを次々に倒していき、道を開けて行った。一方、青年も捕まえようとするスレーバーを投げ飛ばしたり、蹴り上げて倒していった。普通の人間なのにかなり強い。


「やるな!」

「ああ、俺は武闘術10段だ。こんな奴ら、倒すのは簡単だ!」


 この青年はこの異世界の記憶をすべて消されたわけではないようだ。後で聞いたところではこの異世界で武闘術というのは、前世での空手や柔道など格闘技を合わせた武術だそうだ。10段と言えばかなりの使い手ということになる。だからジョーカーはこの青年を拉致して怪人にしようとしたのかもしれない。


 俺たちはスレーバーを倒して入り口近くに来た。あともう少しだ。だがその前に立ちはだかる者がいた。


「貴様たちをここから逃すわけにはいかん!」


 それは両手にカマのような刃を持った怪人だった。


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