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ただの日常、時々ご飯。  作者: モリガン
本篇④
86/104

第79話「大森行進曲」

海美:どうしたの?突然呼び出して。


早苗:手紙が届いたんですよ。


麻依:あなたの名前もあったので呼び出したんですよ~


海美:そういうものなのかな…


「あ、早苗さん!」

「待ってましたよ、麻依さん。」

「ところで…なぜここはどこですか…?」

「実は…知らないんです。え…ではここって…」

「ここは…」


ここは大森、そこは昔映画が盛んだったのでいわゆる映画キネマの天地として知られていた。しかし、数年前に起きた爆発事故によって今は廃れている。あの頃の栄光は誰もが忘れていた。


「誰…?もしかして…黒幕!?…ってことは早苗さん!?」

「麻依さん!?ここに呼んだのは私ではないですよ!?」

「ここに呼んだのは私よ。」

「ああ。昴ちゃんでしたか。ところで…なんで呼んだの…?」

「ああ、階段落ちをやろうかと思って。」

「それなんですか?」

「麻依さん…!なんなんですかね!」

「新選組のラストよ!もしかして演劇を知らないのですか?」

「演劇…?わからないですね…」

「早苗さん、たぶんロミオとジュリエットですよ!」

「麻依さん…それ、演劇部の人の前で言わないでね。怒られるかもしれないから。」


そんな雑談がずっと続いていく中、もう一人呼んでいた人が来た。


「ごきげんよう…私、みなみのから来てるから疲れたんだけど。」

「海美さん!ごきげんよう!…みんな来たので演劇を始めましょう!」


そこでみんな気付いた。劇どころか舞台に上がったことがないことを。演劇というのを誰も知らなかったことを。そして、自分たち以外誰もいないということを!


「なんでこんなことをするんですか…!」

「よし、いいぞ。」

「どこがいいのかしら…」

「お腹空いた…」


4人は列になって踊りながら歩いている。その時、麻依と早苗が思い出したかのような顔をした。


「これ、大森行進曲の最初みたいですね。」

「本当ですね…!」

「…何なの?それ?」

「私も知らない…」


大森行進曲…それは爆発事故が起きる少し前に公開されるはずだった映画だ。女子四人が演劇の練習をしていく中で徐々に気持ちがすれ違っていく。しかし主人公はそれでも四人をしっかりまとめ上げて行く。その中で演じる劇は当時流行っていた新選組で、最後の階段落ちのシーンからの展開が特に知られている。続編の制作も決定していたが、爆発事故ですべて没になった。でも実は…


「…私の友達が続編に出る予定だったんです…でも…あの子は爆発事故で記憶がすべて消えてしまったんです…」

「それって…もしかしてここに呼んだ子と同じかな…手紙を見てもらっていい?」

「…そっくりな文字ですね…いや、これは本人の…なんで持ってるの!?」

「ポストにあったからね。もしかしたら、呼びに来たのかもね…」

「…つまり私たちが演じ切ればいいの?」

「待って、彼女はただあの曲を歌ってほしいだけかもしれない。」

「それでは…みんなで歌います?大森行進曲。」

「はい!歌いましょう!」

『いち、に、せーの!』


彼女たちは思い思いに歌い続けた。ここにいないあの子も微笑んでいただろう。


「これであの子も、思い出すかな…演劇への情熱を。映画への情熱を。」

昴:手紙を書いてて思い出したんだけど、あの子も呼ぶべきだったのかな…


早苗:誰の事ですか?


昴:飛翔くんとか田澤先輩とか…


麻依:…とりあえずお姉さんに聞いてみますね!

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