第66話「もう一人の“神崎”~序章~」
雅裕:よし、大湊に行くぞ!
強介:飛翔、たまにはいいよね!道案内は任せて!
飛翔:はい!
雅裕:…この道で会ってるっけ。
「飛翔、お久しぶり。なぁ、あの時のことは謝るから…何無視してんだよ!」バン!
「怜、お前を許すわけないだろ。」
「ふーん、弟の癖に兄に逆らうんだ?」
「あーあ、会いたくなかった。」
「今何て言ったんだよ!会いたくないって…w」
こいつは兄の神崎怜。昔からムカつくやつだ。さて、なぜこうなったのか。少し前にさかのぼる。
「雅、本当にここで会ってるのかい?」
「あってるよ、強。でも、ここに来るとは思わなかったんだ。」
「だって…ここ…大湊じゃないのかよ!」
「あ、騙しちゃった。さて飛翔君、おそらく君の兄はここに来る。いや、もうすでに来てる。バレないように…」バゴーン!
「俺の車が!」
ここは小金森、行先でよく見る場所だが…こんなに田舎だとはな…今度時間あるときに行こうっと。そう思いながら歩いていたが、どうも様子が変だ。黒く曇った空、血なまぐさい空気、それと…
「まさか…」
そう思っていると後ろから兄がやってきた。…そして今に至るわけだ。親は幼少期こそ兄を溺愛していたが、兄の異常さに気づいてからは親の愛情は僕に…ではなく平等に愛するようになった。それはそれでいいのだが、兄はそれ以降もいろいろと人に迷惑をかけた。だから兄を許す気はない。
「大体昔から飛翔は頭がいいんだ。才能もあるんだ。だから俺はいっつも憎んでいた。だから俺はそんなお前を苦しめてやろうとしたんだ…だって俺の方が偉いんだぞ!年上だからな!」
はぁ…こいつはもうだめだ。なんでも年上だからって偉いって自慢してくる…それだけならただのうっとうしいやつだからいいのだが…
「俺は年上だからお前が必死に作った彼女も全員俺の方へ行くんだ!テストをカンニングしたのも、かわいい後輩をいじめて不登校にさせたのも俺がやった!でも、俺は年上で偉いから悪事をすべてお前のせいにした。お前を苦しめるためにもな。…かわいそう?生まれた時からそういう運命だったんだよ!恨むなら親を怨め。あ、親いないんだった。お前が殺したんだからな!」
こいつ…挑発してるな…すべて兄がやったと本当のことを言っても信じてもらえず…こいつばかりに全部有利になる…
「どうした?何か言い返してみろよ。」
…スーッ…
「兄さんだからって偉いのか?やってることただのゴミじゃないかよ!とっととくたばれよ!」
「なんだと?このクソガキ!ぶっ殺してやらぁ!」
ベシャ…
「…ん?なんだこれは…」
「怜、これは血糊よ。それと、こんなことはやめなさい。あなたはまだ見習いでしょう?」
「今回はうちの見習いがご迷惑をおかけしました。また後日会いましょう。」
悠一:おや、君は天使の。
結花:…飛翔さんは大丈夫でしょうか…
悠一:おう…気持ちはわかるよ…きっと大丈夫だから…
結花:もし危険そうならここに飛翔さんをかくまってください!
悠一:あぁ…分かったから…餡掛けチャーハンを爆食いするのやめて!




