第10話「わすれもの」
飛翔は気を失っていた。部屋で目を開けていたのは真音ちゃんと知らない人がいた!ここ家だよね…?
「だ…誰ですか…?」
どうやらまだ挨拶してなかった部屋の住民らしい。無口だから何も話さないと思っていたが、真音ちゃんが自己紹介をしてというものだから一応僕から自己紹介をした。
「僕は神崎飛翔、大学生です。」
「私は…伏見麻依…九尾の狐です…」
…恥ずかしがっているのかわからないがあまり話さないみたいでたどたどしかった。何かトラウマでもあるのだろうか。そう思っていると、彼女の方から話しかけてきた。
「あなたが…飛翔さんですね…あなたとは仲良くなりたい…」
はい!喜んで!…と言いながら照れてると真音ちゃんが嫉妬したように見てきたので僕は照れるのをやめた。しかし…なぜ二人が僕の部屋にいるのだろうか…すると僕は魔王にあった後、気を失っていた模様だ。その時に真音ちゃんが介抱して僕の部屋にいたそうだ。その光景を麻依さんが見ていたらしく、興味が出てきたから一緒にいたそうだ。なかなかすごいな…と思っていると隣からすごい大きな声がする。僕たちは部屋を飛び出すと、別の部屋の前で怒ってる京子さんを見た。珍しいと思っていると、速人君が玄関を開けた。
「なんスか?今忙しいんスけど…」
「忙しいじゃないでしょ!速人さんの声がものすごくうるさくて困ってるの!」
「別にいいじゃないすか…ではまたゲームするのでw」
そう言って速人君はドアを勢いよく閉めた。怒りが収まらない京子さんを僕と麻依さんで落ち着かせたが、内心かなりキレていた。すると真音ちゃんが一言こういった。
「あたしがあの人を呼ぶしかない。」
そういうと電話でどこかにかけている。もしかして阿部君を呼び出しているのか…そう思っていると数時間後、かなりいかつい車がやってきた。そこから降りたのは半魚人だった。
「オッス!元気してたか?って、見慣れない顔がいるなぁ…いちおう自己紹介しておくぞ!俺は大口雅裕っていうんだ!今は諸事情あって港町で漁師やってんだ!よよろしくな!
僕たちはその後自己紹介をした。でもこの人が何の役に…そう思っていると速人君が部屋から出た。しかし、そのあと速人君の顔が青ざめた。
「あ…あ…」
「忘れたとは言わせないぞ!速人!お前が他人に迷惑かけたせいで俺は追い出されたんだぞ!」
「で…でも…それはお前から…」
大口さんが説教を始めようとすると大家さんがやってきた。
「おお!雅!久しぶりだな!あー…小海が迷惑かけたって?また家賃増やされたいのか?本当に何してるんだ…あの時雅が代わりに出ていったというのに何も変わらないんだな…」
どうやらもともと大口さんはこのアパートの住民だったようだ。しかし速人君が転生してきてから迷惑ばかりかけていて大家がかなりキレてしまったようだ。そこから基本的に人間が住むときだけ家賃を支払わせるようにしたそうだ。その仕組みに変えてしまったことで大口さんは責任を感じて引っ越したそうだ。大家さんは止めたようだが速人君が責任を取らなかったので引っ越したそうだ。
「速人君って…転生したんだよね…」
思っていたことが口に出てしまった。しかしこのあと大家さんはその人が転生した後は何になるかはわかっているとのこと。ただ…
「小海速人は…それは魔王に聞いてくれないか?俺は詳しく話せない。でも…それより君にはわすれものがあるよね?やるべきことじゃないの?」
大家さんは時にいいこというけど…「わすれもの」って何だろう。




