エピローグ
この話は飛翔がパーティーの日に見た夢を書いている。
「起きて、起きて…起きて…」
母の声がする。不思議だな、もう転生したというのに、兄も戻ったというのに…夢かな、それとも幻かな…もう終わったんだな。もう帰れるんだな…
「飛翔、会いたかったよ、飛翔…飛翔…!」
母…怖いよ…目が…本気すぎるよ…怖いよ…手を引っ張らないで…噛みつかないで…
「どうして…どうして現世に戻らないの…!」
戻れない…戻れないのに…力ずくで引っ張られる…身体が避けるように痛い…助けて…
「どうして助けを呼ぶの?もう戻らないといけないのよ…!」
怖い…ずっと怖い…誰も来ないの…辛い…夢なの?
「夢じゃない。戻れ。戻らないとおまえは終わり。」
「そうよ、怜の言う通り。戻れ、戻ってこい…」
強く引っ張らないで、もう戻りたくないの…戻れないの…
「怖いか?俺を殺すのには躊躇ないのに殺されるのには恐怖を感じて命乞いをするんだ?」
「飛翔、あなたは私の言うことを聞かない悪い子!怜に殺されろ!」
やめて…痛いよ…京子…真音…雪…さくら…初音さん…結花さん…誰か…ここに来て…
「お前の好きな女どもも友達も来ない。救いなんてないんだよ。」
「夢の中で狂いなさい、そして死になさい。」
あぁ…もうだめか…殺される…痛みも少しずつ引いていった…意識が…少しずつ…
「飛翔、助けに来たよ。」
あぁ…助けが来た…
「伴子、怜、飛翔を自由にしなさい。」
「どうして自由にしなければいけないの?」
「あなたたちの狙いはわかっているからよ。」
「ならば手伝え。」
「…いやに決まってるでしょ。」
狙い…?そういえばお父さんがいない、いったいどういうことになってるの?
「あなたは搾取子にされるかもしれないの。」
「な…なぜ!なぜバレた!」
搾取子…もしかして、お父さんが亡くなったから僕から金を巻き上げて吸い尽くされているのに兄たちは愛玩子だから何もお咎めなし。つまり僕だけが不利益を被るようにされるのか。しかも大学も行けなくなる、未来が消える…いやだ…
「ここにいれば飛翔はずっと楽なんだ。でも、向こうに言ったら…今度は飛翔が死ぬ番なの。そうなると…この世界の存在が保てなくなるの。もう戻らないように、怜にはお札を貼ったわ。」
ほんとだ、いつの間にこうなったのか。気づけば怜はいなくなり母…伴子は何か言いたげにしている。
「伴子、言いたいことがあるなら言いなさい。」
すると手紙を残して伴子も消えた。もうすぐ夢が終わる。目が覚めるといつもの部屋、机には見慣れない手紙があった。
“飛翔、お元気ですか。
突然異世界に転移させてしまってごめんなさい。怜は転生先にも断られてハムスターを飼いながら引きこもってます。
私はもう手紙を送ることはできません。あなたの手紙も読むことはできません。この手紙が最後になります。異世界では元気でいるように祈っています。
いままでありがとう、伴子”
もう、縁が切れてしまったんだな。そしてこれからもこの世界で生きていくんだな。こうして手紙はゴミ箱の中に静かに消えていった。
来週からただ日は二期に突入!どうぞお楽しみに!




