違和感
「ほぉほぉ、特別理由はないが、桜は物凄く、、いや、なんでもないのぉ。それではのぉ。」
「え、ちょ、カロさん?!」
「カロさん1度あぁいうともう聞かねぇからな、、」
「,,,」
知ってる。私が何かを。知ってるんだ、、でも分からない。ロンやココにばらす気はなさそうだし。
でもカロさんが何をしでかすか分からない。
数日後、カロさん宅
「ほぉほぉ?なんの用じゃい?」
「あの。」
「ほぉほぉ、耳が聞こえるようになったんじゃの?声も出せるようになっとるのぉ」
「分かってますよね?」
「ほぉほぉ、なんの事じゃい?」
「私の、正体」
「ほぉほぉ、何の話じゃ?」
「カロさん。嘘はいいんですよ。ちゃんと話してください。」
「何をじゃい?」ニコニコ
「,,,何を。分かってるんでしょう?私がなんのためにいるか。」
「そこまでは、分かっとらんがのぉ。ほぉほぉ!」
「,,,それでは。」
「ほぉほぉ。」
ほぉ。カロさんは私に話す気は無いと、、。
数日後
「目視変幻、だんだん消えてきたな。」
「時間経つ事になくなって行くんだね。」
「あぁ。」
「,,,それにつれて耳の聞こえとか、声が出せたりもするわけね。」
「そうだね。これからもいつ発症するかは分からないの?」
「多分な。」
「目視変幻って、本当に魔法とかをずっと使ってなきゃ出ないの?」
「前例がそうでしかないってことだ。」
「でも前例がなくても可能性はあるでしょ?」
「もちろん。魔法の世界なんて前例なんてないのがほとんどだ。でも今回は前例ありでしかもまだ魔法のまの字も使えないような奴。」
「あ?」
「あ?」
「「あ?」」
「おやすみ〜。」
「「はい。」」
ーーー
「ロンは何年魔法を使ってる?」
「ん?何年、、800くらいじゃないか?」
「うわ、、」
「ココもそれくらいだ。」
「あ、そうなんだ」
「僕が始めたからココも始めた。そんなもんだしな。」
「へー、、」
「正直僕はココに魔術師なんかになって欲しくないんだよ、、危険だし。怖がりなあいつに、、」
「それでも姉か。応援してあげなよ、」
「なって見たらわかるからな!お前もそうなる!」
「,,,そう、そうかもしれない。」
「だろ?!可愛いからなー!」
私には、弟がいた。
弟は私とは真逆な性格で、私のようにいじめられる心配もなかった。優しい性格だった弟はある不良グループに目をつけられて
ー死んでしまった。
自殺と処理された。
私は知ってる、弟はその不良グループに殺された。
崖から突き落とされた弟。やばいと思った不良グループは弟の靴とカバンを付近に置いておいた。それで自殺となった。
なんで分かるか?見ていた人がいたんだ。桜田勝弟の幼馴染。止めにかかったら、彼も突き落とされた。だが彼は助かった。別に、憎みはしない。
弟の死も悲しかったと言えば悲しくはなかった。理由は、弟とは喋ったことがなかった。見たことがなかったからだ。
「おーい!聞いてますか?」
「え?」
「ほら!早く行かなきゃ、学食食べれないよー!」
「食堂は逃げたりしねぇよ」
「シュファンが朝からなんも食べてなくて腹減ってんだってさ。」
「え、あ、ごめんごめん。」
「腹減ったぁ!」
「ほんとに!」
「課外授業多かったしなぁ」
「疲れたよね」
「それな!」
ーーー
「何食べる?」
「私、カレー!」
「あ、じゃあ私も」
「俺はカツ丼!」
「俺も!」
ん?
「明日ロン様の講演会があるらしいぜ!見に行かね?」
「行く!」
何だこの違和感。
「俺も行きたい!」
カディー、、?なんだろう、、何かしらの違和感。
でもそれは分からない。なんだかモヤモヤするような、、
「サフィー?」
「ん?!」
「大丈夫?しんどいの?」
「あ、いや、全然!課外授業多くてちょっと疲れただけだよ。」
「そっか!」
ーーー
「違和感?カディーに?」
「うん。」
「そりゃあ、、知らん。本人に聞けばいいじゃないか」
「いや、そうなんだけど」
「言えない理由があるんだよねー!」
「そうなのよ!」
「なんだよ、、?」
「理由もハッキリとはないんだけど。本人に言っちゃったらもう喋れないような気がして」
「それはまずい。みんなと仲良くなれ」
「いや、仲良いから」
「そうか。」
「喋れなくなるって、どういう事?」
「ただの勘なんだけどさ。なんか、、うぅん、説明出来ない」
「具体的にどこに違和感があるかとかは分からないの?」
「分からない、、でも違和感がある」
「,,,俺。」
「え?」
「,,,あ!!それよ!!」
「お、やっぱり」
「??」
「カディーが、僕から俺になったからだな?」
「そうだ!!え?ってかなんで知ってるわけ?」
「この前懇談会みたいなやつがあったんだよ、それでカディーの両親に会って、一人称が俺になっただのなんだの言ってたから」
「そうか、、」
「うぅん、確かに。急に変わると驚くよね。」
「そうだよなぁ、でもいつ変えるかなんて人それぞれだしな」
「なぁーんか、期待して損した」
「何に期待してたんだよ」
「いや、、何かしらに、ね?」
「,,,」
「ドン引きすんな。」
「あ?」
「あ?」
「,,,散歩してくる」
「いってら!」
ココが最近扱い慣れてきてる。いや、結構前からか。
でも、私が考えた違和感は本当にそれだけだろうか。カディーの違和感はそう。でも僕か俺か、ではなかった。大体男性なんだから急に変えても少し変だなと思うだけで終わるはず。
なんなんだろうか、この違和感は、、
次の日
「やぁ!サフィー!」
「やっほ〜!」
「ん。」
「え?」
「あ、いや、最近元気なかったように感じたからさ。今日は元気そうで僕も嬉しい!」
ん??ボク?
「え、、」
「何?」
「昨日は、一人称俺じゃなかった?」
「え?何の話?」
「あ!カディー!サフィー!」
「お、あ、なぁ2人とも!」
「何?」
「どした?」
「僕昨日、一人称俺だった?」
「昨日?」
「お前の一人称が俺だったらすぐに分かるけど、、」
「だよな。」
「え、なら、私の考えすぎか」
「疲れてるよね、最近」
「気をつけた方がいいぞ」
「うん。ごめん、」
「早く食べよー!」
「はいはいw」
「あそこ空いてるぞー!」
「ここの食堂今の時間帯はほとんど人いないから貸し切りみたいなもんだろ!」
「まぁな!」
「まだかなー!」
「食いしん坊が!」
「ダルフォンにだけは言われたくない!!」
ダルフォン、、?なんだ。またこの違和感、、
「はい、お待たせ、お嬢ちゃん達。」
「わーい!」
「ありがとう」
「ございます!!」
「ありがとうございます」
「いーえ。」
「うまぁ!」
「もう食べてるし、、」
「早すぎだろ。」
「ほらー!みんなも早く食べようよー、、」
「はいはーい!」
「おう!」
「うん」
ーーー
「腹いっぱい!」
また、この違和感
「そうだなぁ!」
「うんうん、サフィーは?」
「お腹いっぱいだよ!」
「「「「ご馳走様でした!」」」」
「はーい、次の授業も頑張ってね!」
「「「「はい!」」」」
ーーー
「はい、授業終わり。明日は外で飛ぶ練習な!」
「げ。」
「えぇー!」
「明日は五橋目!!」
「うそぉ、、」
ーーー
「向こうの世界では1限目、とか、1時間目って言うだろ?ここの世界、というか、魔法学校?は1橋目2橋目って言うんだよ」
「なんで?」
「知らんけど、それで慣れてるからなぁ。まぁ、ボロを出さないようにしてくれたらいい。」
「はいはい、」
「,,,元気ないな?」
「え?」
「本当に大丈夫か?ここの世界が、嫌になったとか。お前のその目視変幻も向こうの世界に行ったら治るはずだ。戻りたいならいつでも言ってくれていいからな」
「,,,大丈夫。ただ、なんか変な感じがするだけ。」
「慣れてないだけだと思うよ!」
「そーだよね。ロンさんは心配性ですねぇ。」ニヤニヤ
「あ?!」
「あ?」
「「あ?」」
「さ、おやすみ。」
「「はいw」」