大喧嘩1
1階はS。教師や派遣教師(ロンやココ、カロさんのことを言う。)などが会議を開く場所。
2階はfirst。1年(サフィー、シュファン、カディー、ダルフォンのことを言う。)
3階はsecond。2年(3人いる。)
4階はthird。3年(6人いる。)
5階はfour。4年(8人いる。)
「分かるか?隣館が6つあるだろ?お前らの館を合わせると7個建物がある。」
「はぁ。」
「1個1個に4学年いるんだ。年々生徒数が減っていってる。お前らの教室を見る限りあの教室は生徒が1番多かった時期のものだ。だから45人。お前が向こうの世界にいた時と同じくらいの人数じゃないか?」
「え、、あぁ。うん、」
「お前は人に興味がなかったから分からないか。まぁ、そういう事だ。」
「じゃあ、全部合わせたら、28、、28学年制度ってことね。」
「うん。でも、1年で上がれるか上がれないかは、その人の腕前によるもの。1年で魔術が使えなかったら、魔力師の家庭の場合は異なるけど、退学。でもその退学はもう一度試験を受けれる。」
「え、なら私たちの学年の中にいる可能性があるの?」
「可能性な、お前らの学年は優秀だから、そんやつはいないとは思うが、実際のところは誰もわからない。大抵の奴が顔を変えてくるからな。」
「へぇ、、」
「後、お前ら学年が上がる事に人は減っていくと思え。」
「どういうこと、、?」
「28学年制度というのは建前なんだよね、大抵、皆10学年程度で終わる。終わると言うよりかは、落とされるの。」
「あのな、実際のところみんなそんなに魔力師ら魔術師、魔法師なんてなりたくないんだよ。理由はな、」
「「早死するから」」
「強くなればいいじゃない、」
「強くなって、何になる。あのな、残酷なことを言うぞ。正直、こんな物になっていくら認められたとしてもな。家族は大抵死んでるんだよ。亡くなってるんだよ。もう居ないんだよ。それか、、自分が死ぬ。」
「,,,」
ボッーとする、頭が痛くなるような話だ。もうこれ以上聞けないと。言っているような、、気がした、、
「だから、お前らの学年は知らないけど、減っていく覚悟はしておけ、」
「わかっ、た、、」
「桜、もう寝ようよ。」
「うん、、」
夜。
ガサゴソ
「ん、、」
下を見るとまだ明かりはついていた。
「桜として生きるか、サフィーとして生きるか。そろそろ決めなきゃいけない。けど、多分、サフィーじゃなくて、桜を選ぶはずだ。」
「せっかく桜が来てくれたんだから、もうちょっと、、一緒にいたい。」
「でも、さっきの最中の顔を見た限り、これから先ここにいることは、、桜に深い傷を与えてしまうだけになるんだ、」
「でもっ、、!今までの桜を見る限り、やっぱり桜は強い子だよ、それに今戻るだなんて、、桜はそんな事しないと思う。」
「だとしても、だ。人間はな、やっぱり自分のことが大切なんだ。僕はココのことを1番に思っているが、やっぱり自分のことも大事にしなければならない。ココは桜が自分の命を軽く見てるようなやつに思うか?」
「っ、、思わない、、」
「だろ。桜はあの性格的に、学校で何かあったのは間違えない。」
「だったら尚更!それに桜はよく夜に荷物を持ってタクシーでどこかに行くことが多かった。その事を考えると転勤族でしょ?!転勤ばっかしてたって楽しくないじゃん!だから桜はここにいた方が、、!」
「それはココの勝手な推測だ。」
「お姉ちゃんだってそうじゃん!桜はここに居たいと思ってるかもしれないじゃん!」
「だからっ!」
ロンが机を叩く。
「?!」
「桜をここに置いておくことっていうのはな!桜を傷つけることになるんだ!!いくら桜が望んでいたって僕は絶対に止める!!いくら一緒にいたくてもな!それに言ったろ!桜はまだ死んでないっ、、昏睡状態のまま家にいるんだっ、、!家族も仕事を辞めた!桜の親友と名乗るものも毎日のように家に来てるんだ!諸々込みであいつはここにいるよりっ!!絶対っ、、帰った方がいいんだ!!」
そう言った瞬間、ロンの魔術らしき円陣が出てきた。
「っ?!おねえちゃっ、」
「分かったか?!」
「やっぱ、、ヤダよ!!桜と一緒にいたい!!お姉ちゃんは違うわけ?!」
「同じだよ!!でもなぁ!ガキの論理が通るような話じゃねぇんだよ!!」
ココからも、円陣が出てくる。
「ガキって何!!子供だからダメなわけ?!そんな事ないじゃん!!絶対違うもん!!」
「ちゃんと聞き分けろ!!」
「ヤダっ!!」
ロンがココを殴ろうとする。
ダンッ!!
鈍い音がして、下に行くと、カロさんがいた。そして、ロンは気絶、ココは呆然としていた。
「え、、」
「ほぉほぉ、喧嘩はダメじゃのう。」
「ちょ、ちょっと!!ロンに何したんですか?!」
「ほぉほぉ、大丈夫じゃわい、気絶じゃ気絶。すぐに起きるだろう」
今の一瞬で、カロさんが何をしたのかは分かった。
一瞬で音も風も立てずに現れて、ロンの拳を止めたあと、ロンを気絶させた。そしてその時、カロさんは目を開けてえげつなく怖い顔をしていたのが、見えた。
何故わかったのか、どうしてここに現れたのか。そんなことは分からなかった。
「,,,」
ココは未だに呆然としている。いつもだと倒れた瞬間起き上がるようなやつが目を覚まさず寝ている。
圧倒的な差を、感じさせられた。
「ほぉほぉほぉ、それではなぁ、、」
いつもヨボヨボ歩いているような人があの速さでいた。体が震える、骨の髄まで焼き尽くされるような、そんな感覚に陥った、、そして私は、気絶した。
朝。
「うっ、、」
「,,,あっ、桜?」
「,,,起きたか。」
2人とも、安心したような表情ではなく、気まずいと言わんばかりの顔をしていた。
「早く座れ。」
「ね、ねぇ、昨日の話は?」
「「,,,」」
「いや、、まぁ、、」
「ねぇ。私喧嘩の内容聞いちゃった。なんでそんな喧嘩したの?私に答えを聞きもしないで。」
「,,,聞いてたんなら分かるでしょ、、お姉ちゃんは」
「いい。別に僕はいいんだよ、桜が残ろうが残るまいが、でも、やっぱりお前が決めるべきだったな。ほら、お前はここに残るか。帰るか。」
「「「,,,」」」
「残るよ。残るに決まってる。」
ニコッ、みんなが優しく、微笑んでいた。
「そうだよねぇ、なんであんなバカみたいな喧嘩しちゃったんだろ」
「その通りだ、、その、、ココ、昨日は、、ごめん。」
「いや、私も、ごめん、、」
「ふっ、ははw何それ!めちゃくちゃ仲良いじゃんやっぱり!こんな喧嘩したの初めて?」
「あ?!まぁな、、」
「なら。大丈夫で良かったね。」
「,,,うんっ!」
「無事じゃねぇけどなぁ、、」
昨日カロさんに抑えられた右手と殴られた腹は痛々しい青紫色になっていた。
ってか筋肉すご。
「げっ、、」
「止めてくれてありがたいんだけど、抑えられただけでこんなんなるとか、おかしいだろ、、」
「まぁ!妹を殴ろうした罰ってことで!」
「ふっ、そうだねぇ。」
「はっ、調子いいなぁ、お前ら、、」
「「そういう人間ですからっ!」」
「私なんてお姉ちゃんに育てられてるからね!」
「ふっははっwその通りだなw」
学校では、いつも虐められてた。
こんなにみんなと楽しく話して、笑い合うなんてさ。予想もしてなかったよ、、
ー回想ー
「お前キモイんだよ!」
「死んで下さーい!」
「イキリのくせして生意気なのが悪いのよ!」
学校に行くと、席がない。
「お前の席ねぇーからw」
しょうもない。典型的ないじめ。珍しく席があったと思えば花が置いてあったり、給食に虫を入れてきたり。
誰が1番キモくてイキリかなんて、自分自身が1番分かってるはずなのに。
バカには、分かんかいか。
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