なんで喋れるの!?
私の名前は川澄桜。私は1ヶ月に1回は引っ越す程度の転勤族でした。両親は共に会社の社長をやっています。
お金に不自由したことは無いのですが、親と顔を合わせるのは1年に1回程度。誕生日の日にも帰っては来ません。もちろん、一年中会えないなんてこともざらにあります。
今日も真夜中また、引っ越すそうです。今から私はタクシーで新居に向かいます。どうせすぐ住まなくなる家に、向かいます。私がタクシーを待っていると、子犬がいました可愛いなぁ、なんて思いながら、そっと抱きかかえると
「なになに!?飼ってくれるの?!」
「、、、、、え、え?ん?んんんん?
は、はぁぁぁぁぁぁ?!!!!」
「うるさいなぁ。犬が喋ったくらいで大声あげないでよねそれより!僕のことっ!飼ってくれる?!」
「え、、、いやっ、、ってか、犬が喋れるくらいって!!意味わかんないすけど!」
「え?あぁ、ここ、まだ過去なんだ。ねぇねぇ!僕のこと飼ってくれたら絶対いい事あるよぉ!ねぇーーー!」
「いっ、いい事あったとしてもっ!飼わない!」
「なんでー?えーと、川澄桜だっけ!桜はお金持ちでしょ?!」
「違うし!」
「嘘だ!」
「違う!」
「嘘!」
「ちがっ、」
「嘘っ!!」
「、、、、別に、お金持ちだったとしても飼わないし。ってか!普通に考えたらおかしいでしょ!君、何者なの?怖いんだけど!」
「僕の名前は風見ロン!いい名前だろっ!」
「は、はぁ、、そう、なんなの、私に何をさせたい訳?」
「別になんもしなくていいよ!僕を飼ってくれたらいいんだ!」
「なんで!君を飼って私になんの利益があるの?!」
「利益?そんな小難しい話はいいんだよ!はやくー!飼うの?飼わないの?!」
「え、、、ちょっと待ってて!」
なんでそんなこと言っちゃったの。はぁぁぁ、、断ればよかった。でもあんな所置いとくの可哀想だし。親に飼っていいか聞こ、、、、
プルルルプルル、
「もしもし?どうしたの?」
「ね、ねぇ、家に一人でいるの寂しいし、、犬、飼っちゃダメ?」
「犬?じゃあ今度買いに、」
「あぁ!いやっ!その!えーと、、、捨て犬、、なんだけど、、」
「2匹までならいいわよ、今度お金置いとくから、いるもの買ってきて、ちゃんと世話するのよ。」
「は、はーい!じ、じゃあね」
「じゃあね、」
そんなこんなで、この厄介そうなわんちゃんを飼うことになった、川澄桜なのであった。
ロン「やった!!!!」