第1話
「ごめんなさい……」
告白の度に何十回と聞かされたこの台詞。
だが、何万回聞いても、どん底に落とされような感覚になる。
深く頭を下げ、走り去る彼女の後ろ姿を見つめながら、彼は心に誓った。
もう、女なんて信じない。と
⭐⭐⭐
「月大丈夫か?」
中学からの腐れ縁の学が、死んだ魚の目をした親友を慰めようと声をかけてきた。
「……ほっといてくれ」
超モテるマナブの偽りのないこの優しさが今は、(女に困らないお前にはどうせ分からない事だ)と鬱陶しく思えてしまう。また、そんな自分だからフラれ続けるんだと、負のスパイラルに陥る。
そんなオレだから……
勿論、学にモテテクニックなるものを聞いて実践もしてみた。しかし、素材が違うのだッ!同じ風にやっても、全く効果が違くなる。
それでも、めげずに人生で初めての彼女を作ろうとあの手この手を使いながらも、フラられ続け。ようやく、もうこれ以上ないと思った最大のチャンスを手にいれた。これは絶対にイケると思って告白したのが、昨日の事だった。
「あの子は確実にルナの事を好きだって情報があったんだけど……おかしいなか、何があったんだい?」
「何もないッ!オレだって彼女は、今まで告白してきた中で一番手応えがありそうだって思ってたんだ……なのに、なんで……」
大学の講義中、教室の一角で授業の内容と異なる事を真剣に悩んでいた二人だった。
すると、教室のドアが開いた。遅刻してきた生徒が一人入ってきた。
大学の講義は良くある光景、遅刻してきた生徒は教授に一例し、急ぎ足で席に着く。そんな光景が視界に流れる。
はずだった。
遅れてきた生徒は初めての見る生徒。しかも、教室の空気が一瞬凍り付く程の、美少女がそこにいた。