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66.早朝会議


 時刻は早朝5時半。

 予定より少し早めに起床することになった俺たちはダイニングルームにいた。


「……で、どういうことなんだ二人とも」


 ダイニングルーム内でひと際目立つ長テーブル。

 俺が一番扉から遠い椅子に座り、テーブルを挟んで向かい側にソフィアとイリスが座っている。

 

 俺たちは例の件で会議をしている最中だった。

 議題はもう言わずもがな、なぜ二人が俺の部屋にいたのか。


 そしてなぜ下着姿だったのかということだ。


「え、えーっと……これには色々とふか~い理由がありまして」


「そ、そうなんですランス! あれは決して悪戯でやったつもりじゃなくて……」


 問いただすと、二人は揃って理由があると言い始める。

 何かああいう原因を作ることとなった要因があるらしい。


 というか悪戯ってだけであれをやられたらたまったもんじゃない。

 

 あんな夢のような――じゃなくて淫らな状況……俺の貞操概念が崩れてしまう。

 実際、何度も良からぬ思考が脳内を右往左往してたし。

 

「じゃあ、その深い理由とやらを聞かせてもらおうかな」

 

 圧をかけるわけじゃないが、どういう経緯であんな感じになったのは知りたい。

 イリアはまぁともかく、ソフィアに関してはあんなことをするような子じゃないし。


 俺は二人に理由を問うと、イリアが難しそうな表情を浮かべながら口を開いた。


「や、やっぱり……話さないとダメ?」


「ん、話せないのか?」


「そういうわけじゃないんだけど、その……恥ずかしいというか何というか」


「恥ずかしい?」


 どうやらその理由とやらは二人の羞恥に関わる内容らしい。

 ソフィアもさっきから言いにくそうに下を向いているから、多分そうなのだろう。


「でも俺としては聞いておきたいんだが……」


 また何も知らずにあの状況を作られるのは色々と厳しいものがある。

 明確な理由があるなら、言ってほしいというのが俺の願い。


 別にそれを知ったことで怒ったりするつもりはない。


 二人とも良い人だし、悪気があってああいった行動を起こすなんて考えられないしな。


 でも……


「話してくれないか? 二人とも」


 やっぱり理由は聞いておかないとなんかこうスッキリしない。

 一言で言えば後味が悪いというか、そんな感じだった。


「「……」」


 二人は俺の言葉に下を向き、黙り始める。

 別に急ぐ必要はない。


 二人が話したくなるまで、俺は耳を傾けているつもりだ。


 まぁ今日は朝から調査があるから、時間的制約はあるのだが……


「ならば、この私がご説明致しましょう」


「うわっ、アリシアさん!? いつの間に……」


 突然、俺のすぐ横からひょっこりと顔を出すメイド服を着た美女。

 さっきまでは俺たちはしかいなかったはずなのに……


 前も似たようなことがあったけど、なんてステルス性なんだこの人は……


「えっと……アリシアさんは理由を知っているんですか?」


「ええ、知っていますよ。というか、私があの状況を許可致しましたので」


「きょ、許可って……どういうことですか?」


「そのままの意味です。あの状況を作ったのは私の許可があってのことだったのですよ」


 ってことはアリシアさんは全部知っていたということか?


 そういえばさっきアリシアさんに見つかった時に少々違和感があった。


 根拠は単純。

 あの状況を見てアリシアさんは前のソフィアの時と違って表情に変化がなかったのだ。


 普通、何も知らないで男が下着姿の女の子を押し倒している状況を見れば誰でも驚くものだ。

 でもアリシアさんはいつものようなクールな眼差しで一目すると、「避妊はしっかりとしてくださいね」という一言だけを飛ばして去って行った。


 いや……まぁその一言についても色々とツッコミたいところなんだが。


 とにかく、こうしてアリシアさんが理由を知っていたとなると、その違和感の謎が解ける。

 俺はその話を聞くと、


「アリシアさん、話していただけませんか? その理由を。二人も、それでいいか?」


 二人が話せない。それなら代弁者に頼むほかない。

 俺は二人に視線を向けると、双方とも静かに頷いた。


 OKのようだ。


「というわけなのでアリシアさん、お願いできますか?」


「かしこまりました。では、コホン」


 アリシアさんは軽い咳払いを添えつつ、その理由について語り始めた。


「あれは、ランス様がご自分のお部屋に向かわれた後のことでした」

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― 新着の感想 ―
[良い点] アリシアさん公認だったw [一言] アリシアさんもご一緒すればよかったのに・・・
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