47.集合です
「はぁ……さっきは災難だったな……」
「す、すみませんランス。わたしが寝落ちしてしまったせいで……」
「いや、それは俺も同じだ。俺こそ悪かった」
例の出来事から数十分後。
俺たちは準備を整え、約束通りリベルたちのパーティーと合流するべく、王都に向かっていた。
「いやぁ~でもまさか驚いたよ。ランスとソフィアが一緒に寝ただなんて」
「おい、イリア。誤解を招くような言い方をするな」
「でも本当でしょ~?」
「ッ……!」
今回はイリアも同行することに。
一応リベルにはまだ伝えていないが、イリアも行きたいとのことでこうなった。
「今日はそのリベルさん? って人のパーティーに入ってクエストを受けるんだよね?」
「そうだ。イリアのことはまだ伝えていないから、同行できるかは分からないけどな」
「まぁ、その時は大人しく屋敷に帰るよ」
昨日の晩に話し合った限りでは集合場所はギルド前ということになっている。
時間は正午。
受注予定のクエストはB級相当のモンスター討伐らしい。
「ランス、今日は頑張りましょうね!」
「ああ、そうだな!」
「ほーほー、流石は一緒に床を共にした間柄だけあって朝から仲がよろしいこと」
「……ッッ!」
「だからイリア!」
声を張り上げるオレ。
隣ではソフィアが顔を真っ赤にして、俯いていた。
イリアは俺たちを弄るなり、ニンマリと笑みを浮かべると、
「あははは、ごめんごめん! ちょっとからかってみたかったからつい」
「はぁ……まったく」
そんな会話をしながらも俺たちはリベルたちが待つギルド前へと足を進めたのだった。
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「あ、お~い二人とも! こっちだ!」
と、いうわけで王都にやってきました。
そしてそのままギルド前まで行くと完全武装したリベルたちの姿があった。
リベルは俺たちの姿を確認するなり、手を振って来る。
「おはようございます、リベルさん」
「おはようございます」
「おはよう、ランスくん、ソフィア殿下。それでえーっとそちらのお嬢さんは」
「ああ、じつはですね……」
俺はリベルに事の端的に話すとリベルは快く了承。
同時にイリアも自己紹介をした。
「イリアと言います。この度は突然のご同行になってしまい、申し訳ありません」
「こちらこそよろしくイリアさん。僕はリベル、こっちはパーティーメンバーのボルとルナだ」
リベルの紹介と共にボルとルナも軽く会釈。
こうして、正式にイリアの参加が認められた。
「じゃあ、早速クエストを受注しにいくけど、準備はいいかい?」
「俺は大丈夫です」
「わたしも大丈夫です!」
「わたしも準備OKです」
と、全員準備完了の合図を出す。
「よし、じゃあ早速受けに行こう。一応仮受注はしてあるから付いてきてくれ」
そんなわけで、俺たちはリベルの指示のもと、クエスト受注をしに、豪勢な煉瓦造りの建物に入っていくのだった。