38.みんなでお風呂!
今日で投稿を始めて一か月になります!
非常に沢山の方々に読んでいただき、とても嬉しいです!
これからもまったりと頑張ってまいりますので、応援のほど宜しくお願い致します!
俺は今、風呂に入っている。
この無駄にだだっ広い空間でゆっくりと湯船につかる。
時折鼻歌を歌いながら、一日の疲れを癒す。
これが本来の俺の日常だった。
……が、今日は違う。
「ふぇ~気持ちいい~」
「水着で入るなんて初めてなので新鮮です」
「でしょ? 帝国ではこれが普通なんだ~」
目の前で話し合う水着女子たち。
そして隣には……
「いいですねぇ~水着女子。眼福です」
そんなオヤジ臭い言葉を放ち、湯船につかるアリシアさんの姿。
これが何を意味するか?
そう、完全アウェーの場に俺は今いるのである。
(お、落ち着かない……)
そりゃ美少女二人と美女一人に囲まれれば当然のことである。
しかも目のやり場に困るし……
「ランス様……? いかがなされました?」
「いや、ちょっと落ち着かないな……と」
「あら、そうでございました。てっきりお喜びなことかと思っていました。殿方にとってこういうシチュエーションは天国なのではないのですか?」
「ま、まぁそうではあるんですが……」
実際、そうなってみると案外きついものがある。
俺だって異性に対する願望を持ったことがないわけではない。
むしろ何度も持ったことがあるくらいだ。
可愛い女の子と仲良くなりたい、手を繋いでみたい、あわよくばお付き合いしたい。
もちろんお風呂にだってできれば一緒に、と。
でもこうして夢の一端が叶っても、実際は100%の喜びを得られているわけではない。
どちらかというと”どうしよう”という不安が募っていくばかり。
(これが求めていた理想と現実とのギャップってやつなのか?)
頭の中が色んな感情が渦巻いてグルグルする。
すると、その時。
「ほほう……ソフィアさんは結構ご立派なのね~」
「い、イリアさん!? いきなり何を……きゃっ!」
突然、イリアが暴走を始める。
標的はソフィアの胸元に聳え立つ二つの山。
イリアはガシッと鷲掴みをするやいなや、指先を巧みに使い始めた。
「いやっ、そこはっ……! んっ……!」
(おーいおいおいおいおい!)
目の前で繰り広げられる女同士の絡み合い。
それはもう、異性との交流が浅い俺にとっては衝撃の一言では収まりきらなかった。
(なにやってんだあいつは……!)
もはやもう目線すら合わせられない。
だがそんな俺に反してお隣さんはニコニコと笑いながら、
「いやぁ~まだ芽生えていない花たちが入り乱れる姿は実にいいものですね。日ごろの疲れが引いていきますよ。ランス様もそう思いませんか?」
「は、はぁ……」
共感を求められてもと思ってしまう。
(なんだその雅な表現は……)
表現は丁寧だけど、言っていることは変態発言に等しい。
(前から思っていたけど、アリシアさんって結構そっちの気があるのか……?)
前にソフィアからチラッとアリシアさんは可愛いもの好きだって聞いたことあるけど……
「謎だ。実に謎だ……」
「ランス様……? なにか?」
「い、いえ……何でもないです」
でも割とそうかもしれない。
アリシアさんってたまに謎な発言や行動することがあるしな……。
今日も何故か二人きりで話していたはずのイリアとの会話も内容知っていたし……。
「ところで、ランス様」
「な、何でしょう?」
と、アリシアさんのことを考えている中で本人からお声がけが。
アリシアさんはいつものようなクールな顔つきで俺の方を見ると、何気ない一言を放った。
「正直なところ、ランス様はソフィア様のことをどう思いなのですか?」
「ど、どう思い……とは?」
そう聞き返すとアリシアさんは表情はそのままに。
「言葉通りの意味です。ぶっちゃけ、好きですか?」