表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

144/167

144.勝機の光


「ランス、そっちに行きました!」


「おう!」


 ――ガシンッ!!


 刃の擦れる音が盛大にこだまする。

 刃は十分に入った……と思ったのだが、手応えがない。


「くっ、やっぱり物理だけでこいつを倒すのは無理なのか……?」


 さっきから何度か隙を見つけては二人で上手い具合に連携攻撃を仕掛けているのだが、相手はビクともしていない様子。

 

 それどころか……


「こいつ、さっきよりもパワーアップしていないか?」

 

「確かに、先ほどよりも一撃一撃が重くなった気がします」


「さてはこいつ……俺たちの攻撃を受ける度に自身のエネルギーに変えているのか?」

 

 明らかに攻撃も素早さもアップしているし。


「パワーアップですか?」


「多分な」


「じゃあ、わたしたちが攻撃すればした分だけ……」


「あいつは強くなるってことだ」


「そ、そんな……」


 ホント、溜息が出てしまう。

 少しでも魔法が使えれば、どうにかなるかもしれないのに。


(どうしたものか……)


 このまま不毛な戦いを続ければ、俺たちは間違いなく体力負けする。

 物理防御壁とかはないっぽいから、攻撃はそれなりに通っているはずなんだが……


 多分、攻撃を受けてパワーアップすることに念頭を置いている、ある程度攻撃を受け続けても問題ないくらいの改良が施されているのだろう。


「困ったな……」


「です……ね……」


 攻撃を避けながら、対策を練っているためか、ソフィアの息が段々と切れてきていた。


「大丈夫か?」


 一声かけると、ソフィアは軽く頷いた。


「だ、大丈夫です。少し息があがってきただけです」


 何とか笑顔で返そうとしているのが痛いほど伝わってくる。

 魔法による強化なしに怒涛の攻撃を避けつつも、連続して反撃までしているのだ。


 身体に来るのは当たり前だ。


「無理はするなよ。俺はまだ動けるから、本当にきつくなったら後ろで休んでいてくれ」


「ご心配ありがとうございます。でもわたしも最後まで戦います。ランス一人だけに重荷は背負わせません!」


 額の汗を拭いながら、彼女はニッコリと笑った。

 やっぱりソフィアはその辺のボンボン連中とは違う。


 逞しい……いや、逞しすぎる王女様だ。


「じゃあ、もうひと踏ん張りいくか。向こうも攻撃自体は結構受けているんだ。絶対に勝機はある」


「はい!」


 再び背中合わせになり、視界を広く確保しながら、敵に刃を向ける。


 そして再び敵の懐へと入り込もうとした、次の瞬間だった。


「……ん、なんだ?」


 突然身体全体が黄色く光り始める。

 それは俺だけではなく、ソフィアも……そして更にゴーレムまでも同様に光りだしていた。


「この光、もしかして……」


 試しに手の平に魔力を集めてみる。

 と、即座に光の魔法弾を生成することが出来た。


「やっぱり……」


 どうやら、魔法が使えるようになっているらしい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幻冬舎コミックス様より
コミックス4巻発売中!
現在「comicブースト」様にて好評連載中です!
俺の冴えない幼馴染がSランク勇者になっていた件

i801353


↓comicブースト様連載サイト↓
俺の冴えない幼馴染がSランク勇者になっていた件



↓幻冬舎コミックス様紹介サイト↓
俺の冴えない幼馴染がSランク勇者になっていた件



アルファポリス様より
小説2巻発売中!
無能と蔑まれし魔術師、ホワイトパーティーで最強を目指す

i801359


↓アルファポリス様紹介サイト↓
無能と蔑まれし魔法使い、ホワイトパーティーで最強を目指す

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ