表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

134/167

134.大きな闇


「おやおや、一番乗りは君だったか……」


 聞き覚えのある声に反応し、その声がした方へと顔を向ける。

 男は俺を見るなり意味深な笑みを浮かべた。


「色々聞きたいことがあるって顔だね」


「当然だ。こんなもん見せられては嫌でも聞かざるを得ないだろ」


 この目の前にあるものは何かは大体察しがつく。

 そして”コイツ”をどう使おうということも……


「まぁまぁそう焦るな。お友達が到着したら、冥土の土産に洗いざらい話してあげるからさ」


 はははっと余裕綽綽の態度を取り始める。

 勝利を確信した人間の顔だ。


「みんなは無事なんだろうな?」


「それについては心配ないよ。もうすぐここに来るはず……おっ、噂をすれば」


 男が俺の背後に目線を向けた瞬間、嫌な予感を感じた。


 俺が後ろを振り向くと、さっき見た謎の歪みのようなものが発生し、その歪みから吐き出されるように、ソフィアたちが現れた。


「あ、これって……」


 気づいた時にはもう遅かった。

 俺はそのままソフィアたちの落下クッションとなった。


「う、うぅ……あれ、ここは?」


 まだ意識が朦朧としているからか俺の存在には気付いていない。


 てか……


(く、苦しい……!)


 俺の顔は今、完全に埋め尽くされた状態にある。

 

 どこにって?


 多分この感触的にソフィアの……


「あ、そう言えばランス……ランスはどこに!?」


 意識が元に戻りつつある時に俺を心配するソフィア。

 俺はここだとアピールしようにも全体重をかけられ、それどころではなかった。


(早くそこをどいてくれ……!)


 苦しさのあまり心の中でそんな言葉を叫んでいたその時、ようやく助け船が出される。


「で、殿下。ランスくんならそこに……」


「えっ……あれ、ランス!?」


 ようやく俺の存在に気付いてくれたようで、急いでその場から身を退けた。

 

「し、死ぬかと思った……」


 いつぞやの感覚。

 確か前にも似たようなことがあったような……


「ご、ごめんなさい! まさか下にいるだなんて……」


 ペコペコと頭を下げてくる。


 俺はそんな彼女に「大丈夫だ」と一言言い、宥めた。


 あとちょっとで大丈夫とは言えない状況になっていたかもしれなかったが、彼女も悪気があってやったわけじゃない。

 ただの不幸な事故なのだ。


「さて、全員お揃いとなったところでそろそろラストパーティーを始めるとしましょう。時間も限られているんでね」


 男のその一言で俺たちの意識は特殊魔法が込められた太い鎖で繋がれたデカブツへと一斉集中する。


 ドロイドさんたちは身じろぎもせずにそれを見ていたが、ソフィアは表情から見て驚いているのが分かった。


「な、なんですかあれは……魔物?」


 いや違う。

 俺も最初はそう思ったが、あの力の高まりは魔物が出せるようなものじゃない。


 あれは……


「……神獣だ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幻冬舎コミックス様より
コミックス4巻発売中!
現在「comicブースト」様にて好評連載中です!
俺の冴えない幼馴染がSランク勇者になっていた件

i801353


↓comicブースト様連載サイト↓
俺の冴えない幼馴染がSランク勇者になっていた件



↓幻冬舎コミックス様紹介サイト↓
俺の冴えない幼馴染がSランク勇者になっていた件



アルファポリス様より
小説2巻発売中!
無能と蔑まれし魔術師、ホワイトパーティーで最強を目指す

i801359


↓アルファポリス様紹介サイト↓
無能と蔑まれし魔法使い、ホワイトパーティーで最強を目指す

― 新着の感想 ―
[気になる点] >顔は今、完全に埋め尽くされた どこだ? [一言] 神獣かよ 厄介そう
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ