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閑話 次の日のカイル視点

遅くなってすみませんm(_ _)m

ちょっと短めです。

「どうして、こうなったんだ?」


 街の門を越えて、森へ向かう4人組の背中を見ながら、そう呟いた。



ーー数時間前ーー


 今日も仕事が始まると、自分はいつも通り担当の西の詰め所へ向かっていた。昨日は、隊長に詰め所であった揉め事と、それにより負傷者が出てしまった事、その怪我についての報告をした。


(アリスちゃん、本当に大丈夫だったのかな?)


 狩りに行く予定だった昨日の冒険者達は、一晩牢屋に入れて反省させたから、今日も詰め所に来るだろう。彼等には注意して当たらないとな。


ガチャッ


「おはようございます!交代です。何か引き継ぎありますか?」


「おー、おはよう。昨日は揉め事があったみたいだな。牢屋の冒険者は朝方に帰したぞー」


「了解しました。解放した時、何か言ってました?」


「ん?依頼がどうのって文句言ってたよ。それなら、問題を起こすなって話しだよな」


「全くですね」


「飯食ったらまた来るだろうから、よろしくな」


「……はい。では、交代してきます」


ガチャッ


 仕事始まる前から、なんか疲れてしまったが引き継ぎが終わったので、外の受付と交代しに行く。


 受付は、入る人担当の受付が2ヶ所と出る人担当の受付が3ヶ所設置されている。自分は今日は、出る方の受付なのでそっちに向かう。


「お疲れ様です。交代します」


「カイル早いな。今日も天気が良さそうだから、混むと思うぞ!頑張れよ」


「はい!」


 自分が交代した後は、次々と朝番の同僚達が来て交代して行く。中に居た先輩が、引き継ぎ兼出勤の確認を取っているので、昨日の件と今日解放した件は、皆に伝わっている。因みに、出勤の確認もしていると説明したけど、次の番の人がみんな来ないと先輩は帰れないので、遅刻すると後で訓練の時に、かなり扱かれる。


 今回は、遅刻は誰も居なかったようだ。暫く何も問題が起こらず、いつも通りの業務が続いていたのに……。また突然起こった騒ぎで隊長に報告する案件が発生する。



ーー数時間後ーー



「なっ!その子も連れて行くのか!?」


 ここじゃない他の入り口の受付から聞こえてきた声がここまで届いた。声のした方に顔を向けると、昨日揉めた冒険者3人組がそこに居た。


(また彼等か……。今朝に解放されたのに、懲りずにまたか……はぁ〜〜)


「向こうで揉めてる冒険者知ってるので、ちょっと行ってきます。ここを暫くお願いします」


「あぁ、気を付けろよ」


 面倒だったが今日の当番で、今朝方解放された冒険者の顔を知ってるのは、自分と今声を上げていた人物の2人しかいなかったので、共に対応する為に渋々と近づいて行く。


「ハルトム!どうした?何かあったのか?」


「カイル!この子、お前の知り合いだろ!?昨日揉めた奴らと森に行くと言っているぞ!」


「なっ!アリスちゃん、どういう事?」


「大丈夫ですよ!お互い和解しましたし、ちゃんと帰って来ますから」


 どんな揉め事かと行ってみたら、まさかのアリスちゃんが居た!男達に囲まれていて見えていなかったから、かなり驚いた。


(和解したって……。怪我させられたの昨日だよ!?何が!どうなって……脅されてるとか?)


 彼等から少しアリスちゃんを離して、話を聞いてみる事にする。


「アリスちゃん。ハルトム……受付のお兄さんが言ってたけど、そこの人達と一緒に森に行くと言うのは本当なのかい?」


「はい!そうです。一緒に森に行きます」


 とても元気に返事をしてくれた。・・・あれ?おかしいな?昨日蹴り飛ばされた時に、頭も打ったのかな?


「昨日、彼等に蹴られたのを覚えている?」


「はい!でも、ちゃんと和解したので大丈夫です!」


「和解って……アリスちゃんは怪我したのに、もう彼等のした事を許したの?」


「行きたかった森に連れて行ってくれると言うので許しました」


「昨日も詰め所に来てたみたいだけど、何で森に行きたいんだい?」


「えっと……、冒険者が魔物と戦うのを見てみたくて・・・?」


 なんとも……女の子らしからぬ答えが帰ってきた。返答がおかしくても、何とか危ない森に行くのを止めようと、声を掛け続けていると・・・。


「おい!受付はまだか?後ろが待ってるぞ」


 そんな声が掛けられ列を見てみると、かなりの行列になっていた。それもそうだろう。只でさえいつも行列なのに、今日は1つ受付が作動してない状態じゃあ直ぐに人が溢れる。


「あっ!すみません!じゃあそう言う事なので私、行きますね」


「っな!ちょっと!待っ………」


 こっちで話をしている間に3人組の受付は済んでいたようで、アリスちゃんが合流したら、すぐに門を抜けて森へと向かって行った。


「どうして、こうなったんだ?」


 門を越えて森へと向かう4人組の背中を見て、今日もまた隊長に報告に行かねばならないと思い気が重くなる。


「はぁ〜〜〜」


 更に受付の列を見て、この溢れている人だかりも捌かなくてはいけないので、今日は心身ともに疲れるだろうと先を思い、ため息が出てしまうのも仕方ないだろう。





気苦労が絶えないカイル(笑)


次の月曜日に、更新します!

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