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異世界10日目 意外な組み合わせ

遅くなってすみません。

「サスケおはよう。外は良い天気で狩り日和びよりだね」


 私はそうサスケに声をかけて、ご飯を与える。サスケにご飯を与えてる間に目が覚めてきてので、今度は自分の支度を済ませる。今日は、森に行く算段をつけに冒険者ギルドに行かないと・・・。


 冒険者が沢山いるであろう朝に、敢えて冒険者ギルドに向かう。冒険者に、私も一緒に森へ連れて行ってもらう為だ。いい人がいればいいな〜っと、私はそう思いながら、教会を出て冒険者ギルドに向かう。


 ギルドはやっぱり朝から混んでいて、みんな必死なのか話しかけられるタイミングが無い。中にも入れそうに無かったので、入り口辺りで彷徨うろついていた。


「おい!ガキ!混んでんだから、そこから退け!」


 いきなり後ろから怒鳴られた。なんかデジャヴを感じるなと思いながら振り返ると、大きな身体で、顔も強面で盗賊の頭領に間違えられても、可笑しくない風体の男・・・・とプラス2人・・・。間違いなく、昨日詰め所で揉めた人達だった。


「あっ!こいつ、昨日の!ゲノムさん!またあのガキですぜ」


 大男の後ろで、ギャーギャーとわめく腰巾着。朝から五月蝿くて気分が現なりしてきた。


「おい!ガキ!てめぇのせいで、俺達は昨日狩りに行けず、一晩留置場に入れられたんだぞ!どうしてくれる!」


「なんで、私のせいなの?こっちは何もしてないのに、蹴られて吹っ飛ばされた被害者だよ!」


「うるせー!てめぇが詰め所でいつまでも、グダグダやってるのが、いけないんだ!」


「こいつ・・・」


 理不尽な物言いに、私も段々と腹が立ってきて、魔法をぶち込んでやろうと思いはじめた時。


「おい!時間が無い。ギルドに入るぞ」


「そうだよー。こんなのに構ってないで、ギルドに入って用を済ませたら、直ぐにでも森に行かないと〜」


「そうですね!行きましょう」


 そう言って、私を通り過ぎ3人がギルドに入って行く所だった。


「あ!そうだ!ちょっと待ってください!」


「あぁ?こっちは忙しいっつてんだろう!」


「私も森に連れて行って下さい!」


「なんで俺達がそんな事、しなきゃならねぇんだ!」


「森に連れて行ってくれたら、この間私を蹴った事をチャラにします。どうですか?」


「別にてめぇになんか、許されなくても怖くないんだよ!」


「減るもんじゃないし、連れて行くだけでいいので・・・」


「てめぇもしつけーな!いい加減に・・・「いいだろう。森に連れて行くだけなら連れていってやる。だが身の安全は保証しない」


「はい!それでいいです」


「えっ!ゲノムさん、連れて行くんですか?」


「こっちは、急いでるんだ。いくぞ!」


「はい!」


「チビちゃんは、そこで少し待っててー」


「分かりました!」


 それだけ言って、3人はギルド中に入って行った。待ってる間に、マリナさんに暫く帰らないって伝えとかないと心配させると思っていると、ちょうどギルド近くをユウキくんが歩いているのを見つけて、伝言を頼む事にする。


「ユウキくーん!ちょっと待ってー!」


「あれ?アリスちゃん、こんな朝早くに何してるの?」


「ユウキくんも早いね。何してたの?」


「僕は貰った本を読んでたら、朝になっちゃって気分転換に散歩してただけだよ」


「ちゃんと寝なきゃ駄目じゃん・・・」


「かなりおもしろかったからついね。今度からは気をつけるよ。それで?アリスちゃんは?なにか用だった?」


「あのね、マリナさんに暫く教会に帰らないから食事はいらないって伝えて欲しいんだけど……」


 そうユウキくんに言ったら、かなり驚いていた。あれ?言い方間違えたかな?


「家出するの?いやな事あったの?」


「いや、今日から3日間住み込みでお手伝いするから、ご飯要らないって伝えて」


「なんだ〜。はじめから、そう言ってよ。びっくりしちゃったよ。ちゃんと伝えとくから、がんばってね」


 そう言って、頭を撫でられた。私は嘘をついてしまった罪悪感が少し湧いたけど、心配させるよりは良いと、前向きに思い直した。


 ユウキくんと別れて直ぐに、ギルドから先程の3人組が出てきた。私は3人組に、駆け寄り声をかける。


「用事は終わりましたか?」


「なんだ。まだ居たのか。このまま森に向かう」


「今すぐですか?」


「無理なら来なくてもいいんだぞー。こっちは、本当は迷惑なんだからなー」


「いえ、行きます!」


 私達4人は連なって、詰め所に向かった。やっぱりかなり混んでいて、暫く並んだ。そしていよいよ、私達の番になった時に、受付をしている警備隊の人が変な顔をした。昨日の騒動の時に、受付してくれた人だ!


「今日は何しに森に行くんだ?」


「昨日、出来なかった依頼をやりにな」


「何を狩りに行くんだ?」


「フライングスネーク」


「何人でだ?」


「この3人とガキ入れて4人だ」


「なっ!その子も連れて行くのか!?」


「あぁ、本人の希望だ」


「はいは〜い、森に行きたいです!」


 警備の人が、かなりの声量だったので、周りの人達も何事かと見てくる。そのうちの1人がこっちにやってきた。カイルさんだった。


「ハルトム!どうした?何かあったのか?」


「カイル!この子、お前の知り合いだろ!?昨日揉めた奴らと森に行くと言っているぞ!」


「なっ!アリスちゃん、どういう事?」


「大丈夫ですよ!お互い和解しましたし、ちゃんと帰って来ますから」


(3日後ぐらいにね……)


 私も笑顔で心配ないとカイルさんに伝える。なんとか交渉?をして森に行けるのに、ここで止められたら意味がない。まだカイルさんが、何かを言おうとしたときに3人組のリーダーが我慢し切れず話しに入ってきた。


「おい!受付はまだか?後ろが待ってるぞ」


 その声に後ろを見るとかなりの列になっていた。なんとか、私を引き止めようとするカイルさんだったが、かなりの行列を見て諦めたようだ。


 受付を終えて詰め所を通り、ようやく森に来れた。また森に来る時は、冒険者に連れてきてもらう方が早いかな。


 暫く3人と一緒に歩いて、そろそろ詰め所が見えなくなってきたので別れる事にする。


「あの・・・森に連れてきていただき、ありがとう御座います。それでは、私はここで失礼します」


「はぁ?本当にお前1人で行くのか?死にに行くのか?」


「命を無駄にはしないですよ。ちょっと……用事があるだけです」


「そうか、まっ、連れてくるまでしか約束してないからな。俺達も早くフライングスネーク狩りに行きますか。ゲノムさん」


「あぁ」


「そうだねー。あれ、見つけにくいから早く行かないと時間がないねー」


「フライングスネークですか?ちょっと待ってて下さい『前方探知&サーチ』」


1.2km 2匹 ホーンラビット

2.0km 1匹 ミズーリ

2.3km 2匹 ウルフ


(あれ?魔物の数が少ないな。街の周りにはそんなにいないのかな?もっと遠くを探してみよう)


 私は探知魔力を少し増やして、更に先を探る。その間、3人組は私を放っといて作戦会議をしている。


5.0km 2匹 ホーンラビット

6.3km 5匹 ウルフ

7.1km 1匹 フライングスネーク


(やったぁ。見つけたぞ!)


「フライングスネークを探してたよね?この方角を7kmぐらい行けば居ますよ」


「なんで、そんな事がお前に分かるんだよ!どうせ、当てずっぽうだろ?早く何処かに消えろガキ」


「信じるか信じないかは貴方次第です!ただ行くなら、6km位にウルフが5匹程居るみたいなので気をつけて下さい。それでは、私はこれで……」


 そう言って、指を指した方と逆の森に向かって歩き出す。一緒には行動したくない。


「・・・・おい、どこにいるって?」


「ゲッ!ゲノムさん?」


「あっちです」


 私は振り返りも止まりもせず、フライングスネークがサーチでヒットした方向を指差して、バイバイと手を振ってここから離れて行く。いい女風に・・・。実物は2歳の子供だけど・・・。


 私は暫く歩いて、彼らが見えなくなったのを確認してから、本格的に狩りを始める。


「やっと森に来れたよ・・・。これからは、冒険者にお願いしよう。ともかく今回は、3日間で魔物をどんどん狩っていかないとな〜。しょっちゅう出れなそうだし・・・よし!やるかサスケ!」


 相棒にひと声かけて、やる気を出す。狩って狩って狩りまくるぞ!


次回2週間後更新します!


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