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異世界9日目 午後 魔物の解体人ゲット!

遅くなってすみません

「(  )」は、内緒話をしている感じです。


 食事も終わり、みんなそれぞれの用事へと出掛ける。私は、カミューさんに用事があったので、帰ってしまう前に捕まえる。


「カミューさん!この後、用事とかありますか?」


「・・・なんで?」


 凄く嫌な顔をされた。そんなに私、嫌われてるの?


「もし良かったら、この間差し入れしてくれた美味しい串焼き屋さんを教えて欲しいのですが・・・」


「・・・・分かった。なんなら連れて行ってやるよ。この後特に何もないし・・・」


「ありがとうございます!やったー!あの串焼き屋さんの場所が分かる!」


 目的の1つを聞けて、かなり喜んでしまった。お店に着くまでに他にも聞きたかった事を聞いてしまおう。


「お昼のお肉も美味しかったぁ。ご馳走様です!あれは、カミューさんが解体したのですか?」


「あぁ、そうだよ」


「えっ!って事は、カミューさん冒険者ですか?私、冒険者になりたいのですが……」


「いや、俺は冒険者じゃない。たまに頼まれて剥ぎ取りや解体をしているだけだ。それに………ここで冒険者はオススメしない」


「何でですか?魔物を沢山狩れば、お金が貰えるんですよね?」


「基本はそうだが、ここのギルドはマニー教会が占めている」


「教会が?どういう事ですか?」


「マニー教会に入っている冒険者には、旨味があるけど、それ以外の奴にはあまり良くない。かなり低い査定額が付く、それでも無いよりマシだと我慢してる奴もいる」


「マニー教会に入れば得ならなんで、みんな入らないで我慢しているの?」


「あそこは他宗教を嫌うから、入るなら今信じている物を捨てなきゃならない。それが出来ない奴らなんだよ。俺もウィズホルンと言う神を信じてはいないけど、親に捨てられた俺を助けてくれた、マリアーヌさんとマリナ姉が信じてるものは信じる!だから、マニー教会には入らない!」


「なるほど。でも冒険者にそんなサービスをして何処から、その分を回収するの?」


「・・・さっきから話していて思ったけど、お前いったい何歳だよ。子供がする内容じゃないだろ」


「カミューさんは何歳なんですか?」


「俺は12歳だ」


「私はそこから、10を引いてください」


「12から10を引く・・・2歳かよ!すぅっと教えろよ!面倒くさい!てか、嘘だろう?」


「信じるか信じないかは貴方次第です」


 かなり怪しまれた。もう歳なんてどうでもいいじゃん。そんなに睨むなよ。


「それで?さっきの続きですが、何処から損した分を回収してるんですか?」


「詳しくは分からないけど、商店や商業ギルド、他の街に高く売ってるって話を聞いた。だから、そこら辺からは嫌われてるみたいだな」


(これは物を直接持ち込んだ方が良さそうだね。冒険者ギルドよりも商業ギルドに行かないとな)


「あれ?カミューさんが冒険者じゃないなら、どこで解体やったんですか?何処でもやって良いって訳じゃないですよね?」


「冒険者なら、森で済ましてくるんだろうけど、俺はまだ保護者無しに外に出れないから、知り合いに場所借りて、そこでやったけど?ほら、串焼き屋に着いたぞ」


「ここがそうなんですね!!良い匂いがします!すみませ〜ん、串焼き12本下さい!」


「買ってくのかよ・・・しかもそんなに沢山・・・」


(当たり前だ。欲しい商品を目の前にして、買わないと言う選択肢は無い!近々森に行く予定だから、買っとかなきゃね)


「銀貨3枚と銅貨4枚だ」


「はい。銀貨4枚」


「ほら、銅貨6枚な」


「ありがとうございます。カミューさん今日は色々と教えてくれてありがとうございます。1本あげます」


「ん?いいのか?」


「はい!少なくて申し訳ないですが、情報料だと思って遠慮なくどうぞ」


「じゃあ貰うけど・・・。さっき飯食べたばかりなのにそんなに食うのかよ」


「1本は今食べます!残りは・・・サスケ!」


「うわっ!なんだそれ?」


 カミューさんは、服の中からぬるっと出てきたサスケに驚いていた。ここは路地裏なのか、ほとんど人通りが無いから、収納を使っても大丈夫だ。


「サスケ、これ仕舞っといて」

「ジジジ……」


ぱっ!


「なんだそいつ!串焼きが消えたぞ!」


「この子が使える空間魔法?みたいなんだけど、珍しいみたいなので、皆には内緒でお願いします」


「・・・・何でそれを俺に見せた?」


 私は驚いた。まさか、私がさり気なくやった行動の裏を読み取れる事に・・・。疑う事はいい事だ。やっぱりこの人に頼もう。


「流石カミューさん!実は、お願いしたい事がありまして・・・」


「嫌だ」


「返事はやっ!聞くだけ聞いてくれても・・・。聞いてから断ってくれても構いません」


「・・・・なら聞くだけ聞いてやる」


(よし!かかった!聞いてしまったら、もう断れないよ〜)


「カミューさんには、魔物の解体&剥ぎ取りをお願いしたいのです」


「・・・どういう意味だ?魔物の解体を必要としている冒険者を紹介するって事か?」


「いえ、違います。私が狩った魔物を解体して欲しいのです」


「・・・・それは、随分先の話しだな。今、2歳なんだろう?自称だけど……。冒険者になるまで最低まだ8年先だよな。そんな先のお願いされてもなぁ」


「自称って・・・。2歳は本当です!いや、3歳かな?」


「1つ差じゃ対して変わらんからな!」


「解体の話は今です!ナウです!」


「なう?よく分からないんだけど・・・」


「そこで………じゃじゃーん!サスケの登場です」


 ここで、サスケを抱き上げてカミューさんの前に持ってくる。周りを見回して、人が誰もいない事を確認する。さぁ実行だ!


「ウルフを1匹出して」


ドサッ


「なっ!?どこから!」


「これも、サスケの空間魔法。仕舞えるって事は出せたりも出来るんだけど、この魔物の解体をお願いしたいの」


「これは、お前が殺ったのか?」


「そうなんだけど・・・。ただ、そのせいで暫く寝込む事になったんだよね」


「そうだったのか・・・。まぁ、ウルフ位なら解体は余裕だな」


「他の魔物も大丈夫?」


「・・・・・・・例えば?」


 私は、インベントリの中身を思い出しながら答えた。


「えーと……、ラビットとボアとゴブリンとスネーク、カエル、ミミズ、カタツムリだったかな」


「・・・・・」


「報酬は現物支払いでもいいかな?肉とか……」


「・・・・断る」


「えーー!じゃあ後払いでお願いします。解体してくれたやつを売ってお金にしてくるから、その間待ってて」


「いや、この話自体を断るって意味なんだが」


「そっか……、肉は沢山あるけど、処理してないから教会に寄付出来なくて・・・。カミューさんが解体してくれれば、このお肉を少し教会に寄付する予定だったんだけど・・・」


「っっつ!分かった!やってやるよ!教会の皆の為に仕方なくな!」


「わぁー!ありがとうございます!サスケ、見られるとマズイからウルフ回収して!」


 弱みを突いて、悪徳商法さながらの方法でカミューさんをゲットする。だって、逃すには惜しい人材なんだもん。


 サスケにウルフを回収して貰ったけど、血の跡が少し残ってしまった。まぁ、裏通りで暗いし大丈夫だろう。


「それで?これからどうするんだ?解体するのか?」


「カミューさんとは、ビジネスパートナーになったので、色々相談があります。なのでまず、カミューさんの解体場に行きましょう!」


「解体場に行けばいいんだな?それは分かったけど、ビジネスなんとかって、なんだそりゃ?」


「仕事仲間って意味ですよ。それでですね……肉を直接お店に売りたいのですが、どこかオススメのお店ありますか?」


「・・・・そこからかよ。言っとくが、俺はお店の良し悪しは分からないから、節約の為に食堂には入らないから」


「そっかぁ……。じゃあ自分で探して飛び込みで交渉するよ。なので、1匹解体お願いします」


「もうすぐで着くからちょっと待て!」


 早く次の行動に行きたいと急かす私を、カミューさんが(いさ)めてくる。暫く行くと、工房ぐらいの広さの建物が見えてきた。


「あそこ?」


「そうだ。先に師匠に挨拶してから解体するから、それまで大人しくしろよ」


「なっ、そのぐらいできるよ!子供扱いしないで!」


「はいはい」


 大人しく待てない子供だと思っているのか、注意されたのでムキになって言い返してしまった。本当に子供と同じ反応をしてしまって恥ずかしい・・・・。


「ボリスさん、カミューです!また、作業場借りますね」


「おうよ。綺麗に使ってくれよ」


「分かってますって!」


 カミューさんが部屋の中で一声かけたら、奥から返事が帰ってきた。声だけで、姿は見えない。


「ほら、行くぞ」


「えっ!もういいんですか?」


「いつもの事だから、これでいいんだよ。早く解体終わらせるぞ」


 作業場に入ると、広々とした空間が広がっていた。特に目ぼしい物はなく、天井からS字フックが下りているのと、棚に沢山の刃物が並んでいるのと、水場があるくらいだった。


「よし、じゃあ解体するからウルフを出してくれ」


「はーい。サスケ!ここにウルフを出して!解体よろしくお願いします」


ドサッ


「・・・・おい」


「なに?」


「これはお前が殺ったんだよな?」


「うん。そうだよ」


「どうやって殺った?」


「ん?静かに近づいて魔法でサクッと」


「・・・・まぁいい。それで血抜きは?」


「血抜きって何?」


「お前っ!血抜き知らないのか!?クソッ少しでも・・・」


サクッ


 ウルフの観察か〜ら〜の私への質問と罵倒。何故だ?最後はカミューさん、かなり焦った様子で、ウルフを縄で宙吊りにし、首の所にナイフで傷をつけていた。


「血抜きしないと、肉に血の味が染みついて不味くなっちまうんだよ。だから出来たら、仕留めてすぐに首を裂いて、血抜きした方が肉が旨くなるんだ。分かったか?」


「はい………。すみませんでした」


「他のもどうせ血抜きしてないんだろ?」


「はい………」


「取り敢えず、5匹程出せ。先に血抜きしないと解体出来ないからな」


「分かりました。サスケ出して」


ドサッ✕5


「また見事に………同じ傷跡かよ………」


サクッ✕5


 カミューさんは、何かを呟いていたけど、私は折角沢山狩った魔物の肉が、不味くなってるかも知れないと言う不安でいっぱいだった。


(うぅ……、お願いだから不味くならないで〜)


 私は祈りながら、カミューさんが残り5匹の血抜きをして行くのを見ている。


「思ったより血が出ているな。よし、先ずは始めの1匹を解体するか」


「お願いします」


 カミューさんは、手際よくウルフを捌いていく。頭を落とし、綺麗に皮を剝いで、内蔵を出して肉を洗う。かなり手慣れてるようだった。カミューさんに頼んで良かった。


「肉は大丈夫そうだぞ?なんなら、他の冒険者が血抜きして持ってくる肉より、しっかり血抜きされてる感じだ………」


「えっ!そうなんですか!?良かった〜」


(神様〜ありがとう〜〜。あっ、ウィズか・・・まっ、それでも良いや!ありがとう〜〜)


「・・・・・・」


 肉が無事だったという事に、私はかなり喜んだ。ウィズに感謝する程に・・・。その間にカミューさんは、他のウルフも無言でさっさと解体してくれた。ありがとう!


「・・・お前のその生き物の魔法。空間魔法だっけ?それって時間も止まるのか?」


「ん?分からないけど………あっ、ちょっと試してみる!」


 私はさっき買った串焼きを1本出して食べてみた。そんなに時間は経ってないけど、少しは冷めている筈だ。


パクッ


「………暖かい。うん、これ、時間止まってるみたいです」


「それはかなり便利だな。俺に、その生き物をくれ」


「サスケはあげません。あげても餌が私の魔力なんで死んじゃいますよ?なので、カミューさん。サスケの事は内緒でお願いします」


「………分かった。で?俺の今回の報酬は?ウルフ6匹の解体」


「えっと……ウルフは肉以外に売れる所ありますか?」


「ウルフは肉と皮だな」


「なるほど・・・。現物支給でもいいですか?肉1匹分どうぞ!」


「おいおいおい、いくら何でも貰いすぎだぞ。こんぐらいの作業なら、この肉だとその半分ぐらいが普通だ」


「えっ!6匹も解体してくれてるのに、1匹の半分が報酬って少なくないですか?」


「いつもこんなもんだけどな・・・」


「あっ、そういえば!丁度いい魔法があったんだった」


『鑑定』


ウルフ


肉 良質 銀貨 10枚

毛皮   銀貨 3枚


 あまり使う事が無くて忘れていた魔法。鑑定を使って、物の大体の値段を調べてみる。


「・・・やっぱり、1匹でこれだけ貰えるのに報酬が少なすぎる」


「そんな便利な物があるのかよ。さっきも言った通り、鮮度も良いし解体も俺が丁寧にやったから、毛皮の値段もかなり良いと思うぞ」


「報酬もう少し後でもいいですか?専門家を交えて、適正金額をお支払いしたいので」


「専門家って………。俺は後でも構わないぜ。それなら肉は、仕舞っといた方がいいぞ。鮮度が落ちる」


「っ!それはヤバイ!サスケ!全て回収して!」


 私は言われた通りに解体して貰ったウルフの肉と毛皮と解体で出たゴミも仕舞っておく。全て回収したのを見届けて、この後の事を考える。


「商業ギルドに持って行って聞くかな」


「あそこは、普通の魔物の肉は取り扱わないから、持って行っても意味ないぞ」


「そうなのか・・・。じゃあ、食べ物屋に直接持って行って交渉するしかないね。ちょっと損しても仕方ないと割り切って行くかな。カミューさん、入った事なくても食べ物屋がある所は分かりますよね?」


「あぁ、いくつかなら・・・」


「連れて行ってください。お願いします」


「金を払って貰う為には、仕方ないか・・・いくぞ!」


「はい!ありがとうございます」


「ボリスさん、ありがとうございました」


「気をつけて帰れよー」


 カミューさんは借り主に一声掛けて、2人でまた、広場の方に向かった。始めに目に入ったのが、作業場から広場に向かう途中にあった居酒屋だ。営業は夜からみたいで、今は仕込み中なのか客は居ないので入ってみる。いざ!


「あの〜、すみませ〜ん。誰か居ませんか?」


「なんだぁ?ガキがここに何しに来た?さっさと帰れ!」


 奥から出てきたのは、山賊みたいな厳ついおじさんだった。接客業なのに対応が良くなく、私からした第一印象は最悪である。


「おじさんの所はウルフの肉を扱ってますか?」


「ぁあ?そんなの当たり前だ。ウルフの肉が1番手に入るからな。分かったらさっさと帰れ!仕込みの邪魔だ!」


 山ぞ……おじさんは、踵を返して奥の方に戻ろうとしていた。


「(カミューさん、カミューさん、ちょっと手をこんな感じに出してこれをその上に乗せてください!)」


「(なんだよこれ!)」


「(いいから!動かないで下さい!)」


 カミューさんを呼んで、両腕をL字型に出して貰って、その上に森で拾った大人者の服をのせた。準備完了!


「(解体したウルフの肉をここに!)」


「うおっ!(いきなり何するんだ!説明・・・)


「(しっ!いいから静かにしてて!)」


「おじさん、おじさん!」


「まだ何か用か!さっさと出て行け!」


「ここにウルフの肉1匹分あるんだけど、銀貨10枚で買ってくれませんか?」


「さっきそんなもん持ってたかぁ?ウルフ肉が銀貨10枚は安すぎだろう?なんか別の肉か?それとも……訳ありか?」


 適正価格の値段を言ったのに安い!と、かなり怪しまれてしまった。布を退かしてちゃんと肉をおじさんに見せながら説明する。


「ちゃんとウルフの肉ですよ!なんか、頼まれて沢山仕入れたらしいんですけど、嫌がらせなのか急に断られてしまって、損はするけど少しでもお金が入ればと言って、この値段になってます」


「・・・そうか」


「・・・・・」


 隣でカミューさんに、凄い目で見られてるけど無視する。ってか、おじさんに怪しまれるからその顔辞めろ!ゲシッ


「いてっ!」


「買っていただけませんか?」


「・・・肉はまだあるのか?」


「まだまだ、沢山あります・・・」


「この値段なら2匹貰おう」


「ありがとうございます!サスケ!ここにさっき解体したウルフの肉を出して」


「ジジジ……」


ドサッ


「なっ!こいつは!?」


「2匹で銀貨20枚になります!」


「あっ、あぁちょっと待ってろ」


 おじさんは何か聞きたそうだったけど、商品をもう既に渡したんだから、お金は貰わないと・・・。お金を取りにおじさんが消えたのを見て、カミューさんが文句を言ってくる。


「なんで蹴るんだよ!痛いじゃないか!」


「あんな顔をしてたら、おじさんに怪しまれるでしょうが!」


「でもよ。あの説明は何だ!しかも、その魔法見せても大丈夫だったのかよ」


「おじさんがどんな人か見極める為だよ。2匹も買ってくれたし。魔法は大丈夫だよ。ここは酒場だし、酔っ払いの色んな話が飛び交う場所だから」


「そういうもんか」


 私達が話をしていたら、奥からおじさんが袋にお金を入れて持って来てくれた。私は受け取った袋を、そのまま懐に入れた。


「おいおい、確認しないのか?」


「ん?後で確認しますよ。今は、おじさんを信じて見ません」


「・・・少なかったら、どうするんだ?」


「おじさんはそんな事しませんよ。それでは、次の食堂に向かいますので、今日はありがとうございました。また何かあったらよろしくお願いします」


(思ったより良い人で良かったぁ。また何かあったら持って行こう。何て名前の店だっけ……『熊達の休憩所』・・・マジか)


 私とカミューさんは、次の取引先を探しに広場の方のお店に行ってみた。何件か覗いたけど、何処も忙しそうで、入って行けなかった。


 気付けば外はもう夕方になっていて、そろそろ帰らないと夕飯を食いっぱぐれてしまう。


「もう、だいぶ暗くなってきたので今日は、この位にしましょう。1日お付き合い頂きありがとうございました。これ、今日の解体と街案内のお礼です」


 そう言って私は銀貨8枚をカミューさんに渡した。おじさんに渡された袋の中はちゃんと銀貨20枚入っていた。


「少なくて悪いんだけど、教会にも入れる分を考えると……すみません」


「全然多いんだけど・・・いいのか?」


「これからも、(色々と)よろしくお願いします」


「・・・・」


「あれ?よろしくお願いしますね!」


「・・・あぁ」


 なんか、渋々な返事が返ってきたような?気のせいかな?


「明日も解体でいいのか?あの生き物にまだ入っているんだろ?」


「サスケですよ。う〜ん、明日は行く所があるからなぁ。解体を頼むときは連絡入れますよ。何処に行けば会えますか?」


「大抵は、あの解体場にいるから用があったらそこに来てくれ」


「わかりました。では、そろそろ失礼します」


「またな。気をつけて帰れよ」


 私とカミューさんは、それぞれ家に帰った。教会に着くと夕飯の支度が出来上がるところだった。私はいつもの自分の席に着いて待つ。勿論、リリアちゃんの隣だ。


「アリスちゃんおかえり、わたしね!きょうは、はたけにあたらしい、たべものをうえたの」


「うわぁ〜、それは楽しみだね!」


「アリスちゃんは?なにしたの?」


「私はカミューさんと街に行ってきたよ」


「まちをさんぽ、いいなぁ〜、つぎはわたしもいく!」


「そうだね。一緒に行こうね〜」


 今日あった事を話してたら、夕飯が配られてきた。メニューは、固いパンと肉入りスープだった。美味しいんだけど、味付けが薄く、殆ど素材の味なので現代日本の記憶がある分、私は物足りなさを感じてしまう。


 食べ終わって、それぞれの部屋に行く途中、私は礼拝堂に寄ることにした。昼間の感じだとマリナさんにお金を渡しても、素直に受け取ってくれそうにないので、ここにある寄付箱に入れとく。取り敢えず、銀貨2枚。


 寄付を終えて、部屋に戻る。サスケにご飯をあげて明日の予定を考える。


(魔物の解体はカミューさんにお願いできるから、もう少し狩っときたいなぁ。何とか森に出る方法を探しに、冒険者ギルドに行くかな)


「サスケ、おやすみ」



次回2週間後位に更新します!


次回長文の為、2~3日遅くなりますm(_ _)m

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