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異世界3日目 初ゴブリン

「おはよう。サスケ、ありがとうね」


 私はそうサスケに言って撫でた。撫でたついでに魔力も朝ご飯としてあげた。


(さてと、私も朝ご飯を早く食べて、昨日考えていた探知の精度を上げよう。この身体じゃあ、戦闘は魔法を中心としたやり方しか出来ないから、色々練習しとくのは、いいよね。多分・・・)


 自分の短い手足を見ながら、そんな事を思う。そのまま、手に固いパンと干し肉をインベントリから取り出して食事を済ませた。


『探知』


 自分の下の方を探知して、魔物がいないか確認してから、木から降りる。もし、確認しないで降りた所に、イノシシの魔物が居たら、殺されはしないものの、倒すのがかなり面倒だ。だから、調べてから降りたほうが、安全なのでそうする。工事現場のヘルメットに、よく書いてある言葉。安全第一だ。


『前方探知』


 地上に降りたら、まず魔物の場所を調べる。すぐそこ、50m先に2匹の魔物の反応・・・。静かに近づき、魔物を確認すると狼だった。ここでより、魔力の塊を調べる為に『サーチ』という魔法を使う。


 探知は魔物(魔力)を発見するのに適していて、サーチは魔力の詳細や検索に適している。


『サーチ』・・・・魔力2.5


 目の前の狼達は、全く気付かないで寛いでいる。調べ終わったので2匹ともウインドアローでサクッと倒す。


『ウインドアロー』✕2


ドサッ パタッ


「サスケ、回収よろしく!」


 回収はいつも通りにサスケに任せて、サーチの結果を記憶する。


(サーチで調べた。魔力2.5ってやつを狼として記憶しとけば、次にサーチした時には最低、狼は分かるようになった!っと思う)


『探知』


 次の魔物を探知で探す。200m行ったところに、魔物の反応が3つあった。そこにサーチの魔法も飛ばす。


『サーチ』・・・・魔力1.0


(これは……。違う魔物ってことかな?失敗じゃないよね?数値が違うもんね?)


 自分に言い聞かせて、行ってみることにした。近くまで行くと鳴き声なのか「ギャーギャー」と聞こえてきた。もう少し行くと、姿が見えてきた。ファンタジーではお馴染みの、2頭身で全身緑色、腰に布を巻いて枝を手に持ち、振り回している。


 どうやら、2匹が喧嘩をしていて1匹が仲裁しているみたいだ。全然こちらに気付かない。この隙に、この魔物を調べる。


『看破&サーチ』


ゴブリン Lv3 ・・・魔力1.0


ゴブリン Lv3 ・・・魔力1.0


ゴブリン Lv2 ・・・魔力1.0


(うわー、思った通りゴブリンだったか。異世界物のアニメで観たまんまの姿なんだね。とりあえず、この魔力はゴブリンで記憶したから、倒して次に行きますか!)


『ウインドカッター』✕3


「「「ギャーーー」」」


パタッ パタッ ドサッ


「死ぬ時もうるさいなぁ。サスケ回収お願いね。久しぶりにウインドカッター使ったけど、着弾に誤差が出ちゃうのか。やっぱり、静かに確実に殺るにはウインドアローだね」


 断末魔の叫びを、出させてしまった失敗を反省していると、ギャーギャーと言う声が右と前から聞こえて来た。


『探知!』


 慌てて確認すると、それぞれの方向に4つの反応がある。ガサガサと草音(くさおと)をたてて、こっちにやってくる。


(マジか!あの叫びは仲間を呼んだのか!某ゲームの……)


ピロリロリン♪

ゴブリンは仲間を呼んだ


(って、やつか!自分の失敗とは言え、こんなに"オカワリ"が来るとは思わなかったよ)


 一気に8匹も増えたパニックで、どうでも良い事を考えてしまった。残り少なかった考える時間も無くなり、ゴブリン達と遭遇した。


「「「ギャーギャーギャー」」」


「ギャー!!!」


 出会い頭から凄い鳴いて威嚇してくる。多分怒っているのだろう。ちなみに最後の悲鳴は私です。本当にパニック状態です。ハハハ……


 もう何も考えずに、威力が強いファイア系の魔法を乱射して使った。


『ファイアボール』✕15


 オーバーキルでした。結果としては、倒せたけど、かなりの地獄絵図になってしまった。五体満足なゴブリンは1匹もいなかった。緊急事態で、素材の事を全く考えずに殺ったので、仕方ない。


「サスケ!一応回収をお願い」


 いつものように、サスケに回収をお願いして、私はこっちの問題をなんとかする。森で火を使った後始末……。そう、消火をしなければならない。炎系は威力が強くて良いんだけど、場所とか考えないといけないのがネックだ。それこそ、ご利用は計画的に……である。


『ウォーターボール』✕5


 ボーリングの球サイズの水の塊を数個出して、少しづつ消火して行く。一気に大量の水で消せば良いと思うけど、私が作る大量の水って……後が怖いから止めておく。命のかかった危機的状況じゃない限りやらないよ。


 何とか全ての火を消し終わって、次の魔物を探しに行く。早くサーチのデータを更新したいのである。


『探知&サーチ』


「うわっ、なにこれ!早くここから離れないと・・・」


 探知で確認したら、狼があちこちからここ目掛けて来るのが分かった。消火した時の煙が、臭って人が居ると思ったのか集まってきてる。探知で魔物の包囲の薄い所に向かうことにする。


『ヘイスト』


「サスケ回収よろしくね。ふぅ〜、よし!走るぞーーー!」


 気合を入れて走り出す。前から出てきた狼は、ウインドアローで倒して行く。探知・サーチ・ウインドアローの併用で、かなり疲れるけど、この危機を脱しないといけないから頑張る。


 結局3回出くわして、計10匹の狼を倒して辺りで、目の前にちょっと拓けた所があった。なので、出る手前の木の上で休む事にした。


「あぁ、疲れた。魔法3つの併用はかなり疲れるよ。近接用に早くナイフや剣が欲しいよー」


 まだ、お昼には早いけど昼食を取ることにした。いつもの固いパンと干し肉に、今日はコリンの実も出して食べた。


(やっぱり、フルーツは癒やされる〜。サクッ。午後はサーチの更新の為に狩るかな。無理しない程度に)


ガサッ


 食べ終わったので、狩りに行こうと思い木を降りようとしたら下から音がした。


『サーチ』・・・ウルフ


(また狼?ここ、狼多くない?今も3匹いるし・・・)


『ウインドアロー』✕3


 臭いでバレていたのか、木の周りをずっとウロウロしていただけだったので、簡単に倒せた。


「探知・・・下にはもういないね。サスケ回収よろ!」


スタッ


『探知&サーチ』


 下に降りて魔物を探す。200m先に魔力1.5の魔物が2体いるらしい。行ってみよう。


『ヘイスト』


 近くまで行くとウサギがいた。


(ウサギはまだ、記憶してなかったんだ。てか、ゴブリンより魔力高いのなんで?)


 疑問はあるけど、応えてくれる人が居ないので、次の魔物を探す事にする・・・。あれから、新しい魔物は出て来なくて、ウサギ5羽・狼6匹・ゴブリン4体を狩った。


 そろそろ、夕方なので狩りをやめて木に登り、夕飯を食べる。サスケに果物をお願いして、昼食と同じメニューを食べる。今日は、かなり頑張ったので、夜もコリンの実を食べながら、昼間の事を振り返る。


(今日は、沢山魔物を狩ったなぁ。殺るときは静かに殺らないと、魔物のオカワリが来るって事を学んだなぁ。気を付けよう。そういえば、サーチ魔法は上手くいってるね。このままどんどん新しい魔物を記憶して、狩り易いようにしないとね。明日はどんな魔物と会えるか楽しみだな)


 サスケが帰ってきたので、ご飯をあげて今日は、もう寝る事にする。


「サスケ、おやすみ」


次回2週間後に更新します!

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