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謎の声と再会!

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 さて私が今、何をしているかと言うと……何故か、あの世で学校に通ってます。意味が分からないと思うけど事実なのです。


 あの後、何があったかオブラートに説明すると……。閻魔の話しが終わった後、お仕置きルームに連れて行かれ、辛い2年間の地獄を乗り切り、『人生訓練学校』とかいう所へ連れて行かれ、今はもう1年になる。


 お仕置きの説明?しないよそんなの。思い出したくも無いし、過酷でグロいものだったので、カットします!それ以外の経緯は、こんな感じ。



1年前・・・


 地獄の2年間が終わり、私は連れて来られた建物の中に入った。そこにいた鬼に、この施設の事を説明された。『ここは次に生まれ変わる時に役に立つ訓練場です。苦手なものも此処で頑張った分だけ、次に生まれ変わる時に特典としてその技能が付きます。最低2年は勉強してください。何を極めても自由です!但し、特別コースは選ばれた人しか受けれませんので、注意してください。2年以降はそのまま最長期間5年まで勉強してもいいですし、もう勉強は嫌だって人は、現世に生まれ変わる事ができます。5年を過ぎると強制的に、現世に生まれ変わらせます』という、説明を受けて、とりあえず特別コースがどんなものか行ってみる。


 特別コースは違う世界に行けるコースだった。ここは、こっちとは別管轄なのか、受付や護衛でいるのは、洋風な人ばかりだ。簡単に言えば天使っぽいのが、やっている。


 とりあえず、特別コースがどんなものなのか、行ってみることにした。名前を書かされ、それをバッジのように胸につけ、渡された紙には『B』と書いてあるので、Bの部屋の列に並ぶ。


 並んでる間、暇だから周りを見ると、離れた所に『C』と『D』の部屋もあった。そっちも結構並んでいたから、かなりの人が私みたいに、とりあえず挑戦しに来てるのが分かる。


 一人づつ部屋に入って行ってるのだが、所要時間は人によって違うのか、早く終わる人もいれば、数十分ぐらいかかる人もいる。出て来る人は皆落ち込んでいるので、合格した人は違う出口から、出されているのだろう。


 いよいよ私の番になり入室すると、そこには天使がいた。いや、運命の出会いとかの表現ではなく事実、天使がいた。


「こんにちは。早速で悪いんだけど混んでるから早いとこ終わらせよう」


 そう言うと、色々と道具を準備しだした。机には、針・メス・カッター・ナイフと色んな刃物が並べられていた。そして、お決まりの水晶も。


「この水晶に、あなたの血を2~3滴垂らしてください。そこの道具は何を使っても構いません」


 私は、こんな時じゃないと普段使う事の出来ない『メス』を取り、躊躇いなく自分の手の平を切った。


(流石、医療用の道具なだけあって、切れ味が凄い!真っ直ぐ綺麗に切れてる!『痛くないのか』だって?そりゃあ痛いけど、あの地獄を2年間味わった後だと、こんな切り傷何とも無い、ここなら直ぐに治るしね。この位なら3分で元通りだな。本当に…無駄に回復してくる……。回復が拷問魔法だと初めて知ったよ。焼かれようが、切り刻まれようが……)


 嫌な事を思い出したので、私は頭を振りそれを追い出そうとした。


(あれ?なんだっけ?あっ、そうだそうだ血が必要なんだった。急がないと傷が治っちゃう)


 このままにしとくと、なかなか血が出てこないので、手を握り締め強制的に血を出させ、水晶に垂らした。


 垂れた血は水晶に染み込み、暫くすると光り出した。


「はい、良いですよ。では、これを持って奥に進んで下さい」


 そう言われ、この人が先程まで書いていた紙を渡された。見ても分からない言葉だったので、そのまま奥に進んだ。この後は特に何も無い。顔写真を撮られ、車の免許証みたいな入室許可証を作ってもらっただけだった。


 特別コースがなんなのか、気になって早速行ってみたら、そこは主に魔法全般を教わる所だった。基礎から応用、実戦など色々と学べるらしい。


 初めの水晶の試験は、その人に魔力があるかのテストだったみたい。ちょっとでもあれば、水晶が光ってここに入れるようになっているらしい。


 私は、前世に無かった『魔法』という教科に興味を持って、さっそく始めた。ここは、食事や睡眠といった欲求が、そんなに強くないので、無くてもいける。なので私はずっと特別コースで勉強し続けた。



 楽しくてずっと勉強していたら、数カ月で基礎と応用がある程度出来た。次は実戦なんだけど、ここに来て体を動かしていない事に気付き。実戦を後にして、先に体術系も習いに行った。元々、運動神経も良かったし覚えるのも早いので、思ったより習得に時間はかからなかった。でも、これからは定期的に体を動かしに来よう。いい気分転換にもなるし……。


 その後、魔法を使った実戦をやって早2ヶ月……そして今に至るってわけ。色々あったな~、でも楽しかった。友達も何人か出来た。ここだと遊ぶものが無いから、常に競ってるんだが、その時に出来た友達だ。勿論ライバルでもある。


 今は、"別の実戦"に友達と移動中。定期的に行ってたら体術を極めてしまい。次は何をしようかと考えていた時に発見した『裏ステージ』ここでしか出来ないものなので、私は結構楽しみにしているものだ。




「やっと会えましたね」


 いきなり、若いイケメン外国人が声をかけてきた。


「ん?誰かの知り合い?」


 友達と歩いていたので、いま私の周りに私を除いて、男が三人と女が二人いる。私は知らないから、誰かの知り合いだろうと聞いてみたんだけど、みんな首を横に振って知らないという。


「全く君って人は……。全然変わってないね。なに、とぼけているのですか?あなたに話しかけています。猪俣よし子さ……ん?」


 名前を呼ばれた瞬間に、身体が既に動き出していた。


ゴッ……ゴッ……ドカッ………!!


 右、左と顔に綺麗に殴りが決まり、最後に蹴りを腹に食らわした。しかも、当たる直前に魔法による身体強化でパワーアップしたやつをだ。


 男は吹っ飛………ばずにその場で全て受け止めたらしい。ノーダメージって訳ではなく、かなりの痛みに、目の前でうずくまっている。


「さぁ、みんな行こうか。誰も知り合いじゃないみたいだし、楽しい実戦が待ってる!」


「いや、知り合いじゃないって今この人、お前の名前呼んでただろう?」


「えっ!私この人知らないよ」


 みんな固まっている。それもそうだろう。向こうは、名前まで知っているのに、こっちは知らないと言うし、知らない人って言ってるのにいきなり、殴り蹴り飛ばす。私ヤバイやつである。


「酷いなぁ。僕の事覚えてないの?」


「誰?」


「ウィズホルンだよ」


「誰?」


「あれ?本当に忘れちゃったの?じゃあなんでさっき、いきなり殴ったの?」


「あの声がそうだとしたら、確か了承はされてた筈……」


「覚えてるじゃん!そうだね。了承はしたよでも、それは確か2発だけだったよね?なんで1発増えてるの?しかも強化された蹴りで!」


 あの攻撃はかなりのダメージだったのだろう。納得いかないと、訴えてきている。


「貴方を知らないのは本当だよ。あの時、頼み事だけして、一切名乗らずさっさと居なくなったからね。勝手に……そっちが!だから次に会ったら、1発増やそうとあの時思い、いま実行~」


 この話を聞いて、友達はみんな呆れた顔をしていた。私に……。


「あれ?名乗ってなかったっけ?ごめんごめん。改めて、平和な世界と言われている〈アーヴァーウィズ〉の主神ウィズホルンって言います。ウィズでもいいよ。これから宜しくね」


「猪俣、こいつ誰?結局知り合いだったの?」


 友達を代表してか、雄一が話しかけてきた。


「うん、知り合いだったわ。この神様が、私に頼みごとがあるらしい」


 私はウィズホルンの方を向いて確認してみた。


「例の件だよね?ウィズ?」


「そうだよ。個室借りたから、確認したい事とか色々あるしついてきて欲しいな」


 そう言ってさっそく歩き出したウィズに……。


「だ・か・ら勝手に話を進めるな!」


 軽く一撃。頭を叩くぐらいにしといた。


「痛い、何するのさ。いま一緒に、歩いて行く流れだったよね?」


「流れとか知らないし……。ちゃんと相手の意思を確認してから動きなさいよ。これだから神様は、はぁ~自分勝手というか……」


 私はやれやれと、首を左右に振って呆れていたら、友達がみんな可哀想な子を見る目で私を見てくる。何故……?


「神様の僕をここまで雑に扱うのは君だけだよ。まぁいいけど、それで?この後、何かあるの?」


「ちょっとこの後、私が楽しみにしている実戦があるから、それに参加した後、話を聞くよ」


「できれば早く事情を説明して送り出したいんだけど、君の機嫌を損ねた方が大変だからなぁ。仕方ない、行くのはいいけど、早く終わらせて欲しいなー」


「了解でーす。じゃあ、そういう訳だから皆また後でねー」


 私は皆と別れて、ウィズと実戦に行こうと、歩き出したら雄一もついて来た。


「……俺も今日それやるわ」


「お!雄一も参加なんて珍しいね。あれ?でも他のやるって言ってなかった?」


「あれは、また今度でいいや。今、すげぇ暴れたい気分だからさ」


「オーケー。なら今日は一緒にタッグ組んでやろうよ!」


「いいねぇ。ただ、久し振りなんだから、お手柔らかにしてくれよ。間違って俺ごとやるなよ」


「善処します」


「頼むぜ、マジで!」


 ウィズそっちのけで、賑やかに雄一と話していたら、あっという間に目的の場所についた。


「ここが……行きたかった場所ですか?なんかこの辺り空気が重いのですし、この建物から嫌な感じの雰囲気が出てるのですが……。何をする所でしょうか?」


 何故か丁寧に雄一に説明を求めるウィズ。


(私に話す時と全然違うじゃん。しかも、私に聞かないのはどう言う事かな?)


 色々と思う事があって、つい眼つきが鋭くなってしまった。そんな事は気にせず……というか、無視されて二人は話をしていた。


「ここは体術を極めた人が入れて、見学も希望した人はOKですよ」


「一体何をするんで…「ねぇ。時間無いんでしょ?ウィズは、ここで待っててもいいし、なんなら見学して行きなよ。そうしたら、ここが何か分かるからさ。雄一早く行こう!」


「おい。ちょっと待てよ!」


 私は、二人を置いてさっさと中に入って行った。




次は2週間後に更新します!

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