15話 【参加表明】
キャメル『久しぶりに出ました!』
ナッツ『出れる分頑張れ!』
キャメル『うぅ』
俺の家に100人規模で兵士が取り囲む
俺は犯罪者かと思うくらいの数
一応朝に駐在している兵から昼頃の到着と聞き
グスタフを呼んでいた、体中が筋肉痛だ
昨夜もグスタフと特訓してお互いそんな状態だ
リビングにて俺とグスタフが隣通し椅子に座り
テーブルを挟んで正面の椅子にベリト副将とキャメルがいる
先にベリト副将が口を開いたのだ
『まず俺の兵が粗相をした、謝罪する・・・本題もだが俺の意地でこうなったのは申し訳ないと思う、すまん』
ベリト副将が頭をさげつつそう口を開く
『いえいえ、お気になさらず・・・どうしてこうなったんですか?』
すると正面にいるベリト副将が額を抑えて答える
『軍の会議で今年の我が軍からの推薦枠の話になってね、俺も推薦していいかと言ったら他の連中がお前にそんな大それた奴いるのかと煽られてさ』
ベリト副将が手を横に広げて続けて言う
『君達の推薦なんかより強い男を知っているよって言ってしまってね・・・ははは・・・はぁ・』
『なるほど、言ってしまい引っ込みがつかなくなったと』
俺が副将の言葉に乗せて話す
そうするとキャメルも口を開き説明した
『それでジャフィンさんの実家に尋ねたのです、レナウスさんは条件としてグスタフさんの一般枠の確保が絶対条件と提示してきたので自分たちはグスタフさんの為の枠を確保しました』
『クククククク』
キャメルの言葉にグスタフが嬉しそうに下を向いて笑う
ベリト副将も彼をみて言い放つ
『彼がグスタフか・・・ジャフィンがカードを返しに来た時に見かけたな・・・君とライバル同士らしいな』
『そうですね、本気で殴れる良い仲間です』
『んだぁそれぁ!?』
グスタフが反応してくるが笑って誤魔化した
ケッと言いながら腕を組んで話を聞く体制にグスタフはなる
俺はキャメルに聞いてみることにした
『キャメル、特Sの連中はでるのか?』
『でません、というか参加しようとは思わないでしょう』
『何故だ?』
俺が疑問に答えるとベリト副将がキャメルの前に手を出し
代わりに答えてくれた
『特Sは特に強いと言う意味じゃないんだ、国での貢献度の高い意味なんだよ・・・・例外を1人除けばランクAの冒険者と同じさ、あとは国でランクを上げてやり他国に良く見せる為に丁度良い冒険者チームにSの称号を与えたりとするのだ、この国で個人として強さがランクSは正直1人しかいない、他9人は国で上げられたのさ』
少し可哀そうな気もするが、なにやら上位ランクは訳アリらしかった
例外、うん確実にスカーレットさんだろ?わかるよあの化け物
それでもだ、ランクAの実力はある人間がウヨウヨだろう
要するにだ、特SランクもSも国で訳アリで上がったのが殆ど
ならば迂闊にこのイベントにでて失態はしたくなのだろう
本当に実力があるのはスカーレットさんだけみたいな言い草だ
俺はランクCだ、武人祭までにやれることはやらないといけない
そう考えているとグスタフがベリト副将に質問をしたのだ
『ポートレアから近くにある闘技場だろ?』
『そうだ』
彼がそう言うと副将は真剣な顔で即答した
そして俺は一つ思いついたのだが
グスタフは俺と同じことを考えていたらしい
『スカーレットさんとこで特訓してからでもいいな』
『残り一週間はそうしよう』
『ヘヘ、だなぁ』
いつもの獰猛な笑みで手を顔の前に出し
握りしめている
どうやら一般枠も闘技場らしく
闘技場内に参加者を集めて戦わせ最後まで立っていた者
約10名が参加資格を貰えるらしい
『残れよグスタフ』
『俺だけ立ってりゃいいんだよな?』
凄い事を言ってるが無理があるだろう
俺は苦笑いしてしまう
キャメルが俺に口を開く
『レナウスさんの話では中位職の有名な人も難なくボコボコにしたと聞きました、上位は確実だと思います』
『そうだろうなぁ』
俺はキャメルの言葉に考えてみるがこの白銀武槍
位置的にはどうなのかわからない、テンスの話ではだが
上位職と変わりはないと言うのだが
『参加は了承してくれるかい?』
そう考えているとベリト副将が答えを聞きたいと聞いてきた
グスタフは俺を悪魔の笑みで見てきた
そして俺は副将に視線を向け、笑顔で彼にハッキリと答えたのだ
『2人参加します』
その後とても嬉しそうな顔つきでベリト副将は帰っていく
キャメルも最後に俺に話しかけてくれた
『兵がご迷惑かけました、ですがあの数を簡単に吹き飛ばすんですね』
『よしてくれキャメル』
笑いながら俺はキャメルの話を聞いた
そして俺とグスタフは今日の夜からルッカの隣の広場で特訓だ
ケインとルッカも座って見ている
たまに野次馬が見ている
『どんな面白ぇ奴がくるだろう・・・な!!』
そう言いながらグスタフは俺の木槍を避けて回し蹴りをしてくる
基本俺は木の槍というか棒だ、刃はついていない
グスタフは木刀だ大剣に近い大きさだ
それで特訓している
『ぐっ・・確実に強いだろう』
俺は回し蹴りを両腕でガードしたが、吹き飛ぶ
吹き飛びつつ狼撃破を4匹木槍で突いて出現させる
グスタフはそれを避けつつ急接近してくる
『楽しみだぜぇ!まぁ本番も木の武器指定らしいが』
鬼無双を放ち俺はそれをギリギリ避けて彼の脇腹に木槍をぶつける
だが硬い、木槍が折れそうだ・・・硬い木質なんだけどな
『楽しそうねぇ』
『ですねぇ』
ルッカとケインはそう呟く
そんな特訓をグスタフと堪能しつつ
一般枠である日に近付き、俺たちはポートレアに出発した
キャメル『まだ出ますよね!?』
ジャフィン『諦めろ』
キャメル『うわああああああああああ』