24話 【アバドン】その⑦ 無念の唄人と銀の意思
ルッカ『また倒れた?』
グスタフ『いまならあんなーことーこんなーことーできるぜ?』
ルッカ『そっそそんあいやらしい事しないわ!』
ナッツ『いやらしい事なんて言ってないですよ?』
ルッカ『は?』
『約束の場所で彼を待つ』
その声を聴くと周りの音が消えてしまう
俺は目を開けると真っ暗だった、だが立っている
クラスチェンジした時と同じ状態だ
くそ、俺また倒れてるんじゃないか?
そう考えていると奥から光が差し伸べる
その光は白く銀色に輝き俺のまえに伸びる
これは・・・道・・・か?
俺は歩き始めてみた、そうすると声が聞こえてきた
始まりの場所で彼を待つ
願いが叶わぬ思い出も
銀色の意思を守ります
何所迄も続くこの想い
十年百年千年と
罪を償い待ちましょう
あなたを信じ、待ちましょう
私の想いは大地へと
願いと共に眠るけど
また出会える日を願うでしょう
銀色の犬を愛してる
あなたの為に身を捧ぐ
それは2節目だった、俺は直ぐに唄だと気づいた
そしてこれは恋歌だった、ずっと届かなかった想い
この唄の犠牲になった女性が彼に歌った唄
犠牲・・・そうか
あなたの名前はわからない、けど
その人の為に何かを伝えたくて命を犠牲に届けようとしたのか
過去に何があったかは分からない
けど、ずっとずっと、待ち続けていたのか
俺は鈍感・・・じゃない
ルッカの気持ちも俺は気づいていたよ
うん、わかる
だから思うよ
おい銀の意思
お前、この前は消える前に愛してると言いたかったんだろ?この唄人に
俺の記憶を覗いてさ、唄を聞いてさ
この唄人の事かもしれないって思って俺に期待しているって言ったろ多分
安心しろ
本当に何があってお互いこんな状況なのかはわかんないけど
お互いまだ愛し合ってるぞ、俺だけしか知らない事実だろうが
『あの人を・・・』
声が聞こえた、銀色の道を歩いていると泣きそうな声で
どこからか聞こえてくる
『私のせいで・・・』
その声はもう泣いていた
おい!あいつはまだお前の事好きでいるぞ?
『あの人の道を作らないと・・・』
聞こえてないのか?おい!
『きっと彼はまだいる・・・』
聞こえてない様だな、多分捧げた魂の声なのか?これ
魂の声って事にするとしっくりくるか
『いつか・・・この想いを伝えることができる人が・・』
・・・・あぁもう!銀の意思もそうだしお前もあれだな!手伝ってやるよ!
『どうか・・・この道を進む人よ』
『彼に・・・・この・・思いをど・・うか・・・とどけ・・・て・・』
『そう・・す・・ば・・私・・・解・放・・さ』
銀の意思と同じ状況だ、何故だ
『あ…た 会…たい・・・・』
その気配は消えてしまい、俺は歩きだした
ジャフィン『ふぁ!?!?!?!!?!?!?』