22話 【アバドン】その⑤ ゼーブル・ファー・テンス
ケイン『うわぁぁぁぁぁぁぁ!』
ナッツ『なんでいるのぉ!?』
グスタフ『ふへへへへへ』
ルルカ『グ・・グスタフゥ!?』
『世界・・十天の、テンス・・』
『そうだ小僧』
テンスと名乗る狼のゼーブルはその場で座る
座ると申し訳ないが、少し可愛い
だが目つきは獰猛だ・・・狼なのだから
『そろそろ小僧の後ろで現実逃避してる狼人族の子が心配なのだが』
『え・・あっケイン!?』
俺は槍を拾いケインに近付く
ケインは四つん這いでずっと小さく震えていた
ゼーブルは不思議そうな顔で頭を傾げ、口を開く
『殺気は解いたというのに臆病な種族よ、元は同じ先祖だというのに』
そう言うとゼーブルは困った顔をしていた
こいつもしかして敵意がないのか?
初対面だったから警戒していただけなのかもしれない
俺はルッカにケインを頼んでゼーブルに質問してみる
『すいません、俺はファーストにボコボコにされましたが・・・十天はどんな存在なんですか?』
『成るべくして成る存在、己が願わなくとも運命が勝手に資格がある者に試練が訪れるのだ』
俺は続けて聞いてみた、久しぶりに良い兆しだ
悪い予感は外れる確率が高い
『俺たちは戦う運命なんですか?』
『意味が分からぬぞ小僧?動揺しておるな・・・はは、安心しろ・・戦闘狂ではない』
全員肩の力が一気に抜けた
ケインは頑張って立ち上がり呼吸を整えている
それを見てゼーブルはため息をつく
『流石に傷付くぞ?我は墓荒しでないならばとって食うつもりはないぞ?ケインという子よ』
『すっすすす・・すいません!』
ケインは綺麗な気を付け姿勢でハキハキと?答える
大分落ち着いたらしい、そうだ
こいつは全然話がわかる十天の1人だった
ルッカが緊張しながら質問をした
『お願いします、気に障る事かも知れないですが・・・見るだけでもしたいのです、触らない様にするので』
『墓に興味はない・・があれには不思議な力を感じてな』
『力・・・?』
ルッカがゼーブルの言葉に反応した
力とはいったい、今度はグスタフが質問をした
『なぁ狼の大将さん、力ってなんだ?』
『不思議な力が墓の中から感じるのだ、我はそれを目当てに墓荒しが来るのばかり思ってはいたが』
『それは聞いたことねぇな・・・ジャフィン』
俺はグスタフの言葉に頷き、ゼーブルに答えた
『その力は俺たちは知りません・・・ただ唄が書いてたら見たいだけなんです』
ゼーブルは座りながら尻尾をパタパタさせている
やっぱり少し可愛いと思う、ゼーブルが言う
『いいぞ?全員来るが良い、客人として持て成そう』
ゼーブルが立ち上がり案内しようとゼーブルが歩いてきた道を向く
『いいのー!狼の親分さん!?』
ルルカがジャンプしながら声を出すが
それ怒られないか?不安だがゼーブルは気にしない様だ
『親分か・・・面白い、全員我についてまいれ・・・不安なら武器を構えたままでも良いぞ?』
自分の力に自信があるのだろう
当たり前だ、こいつはゼーブル・ファー・テンス
世界十天のテンスだ、ん・・・テン・・ス
聞いたことがある
俺はゼーブルの後をついていきながら聞いてみた
『ゼーブルさん、聞きたいことがあります』
『良い、聞くがいい』
『最近人間と戦った事はないですか?』
ゼーブルはクククククと小さく笑う
少しこちらを向きながら口を開いた
『あの人間の皮を被った化け物女か?殺されるかと思ったぞ?』
ゼーブルの耳は悲しくも垂れたのだ
ゼーブル『ファーストと一緒にせんといてーな?』
ナッツ『関西弁!?!?』




