19話 【アバドン】その② 閻魔蠍
ナッツ『閻魔蠍と』
ルルカ『戦うの!』
『おらぁぁぁぁぁ!!』
『キュイィィィィィィィ!』
グスタフが素早く閻魔蠍の鋏を掻い潜り足を1本切り離す
それにより閻魔蠍も動揺した様だ、グスタフが笑い言い放つ
『硬ぇのはいいが慣れてくるとそれだけだなぁ!』
『尻尾きます!!!』
閻魔蠍は体を回転させて尻尾で薙ぎ払おうとする
7mあるだろう長い尻尾だ
地面すれすれで振りぬいてくるようだ
『シルバーバスター』
俺はその振り抜こうとしたした尻尾を待っていたかの様に
無属性の中威力爆発技スキルで弾き返す
『ギチギチギチ!!』
敵は焦りを見せているような感じがした
よく見ると尻尾が結構エグれている、ダメージはでかいと思う
『ファイアバレット!』
後方からルルカの中位レベルの火術が放たれた
それと同時にナッツが走る
『僕もお土産くらい持ってこれますよ!』
閻魔蠍はファイアバレットに一瞬気を取られ
ナッツの行動に反応するのが遅れる
敵は腹を地面につけて守りに入ろうとしたが
『おらぁぁぁぁ!』
ギリギリでナッツはのしかかられる前に地面を滑りながら足を一本切り裂く
閻魔蠍はその後立ち上がるも2本も左側が無いのでバランスがとりにくそうだ
『もう少しみたいですね』
『あらケイン君見てて大丈夫?』
ケインの言葉にルッカが反応する
そして鼻を地面に向けて匂いを嗅ぎはじめた
『ここらへんはこいつの匂いしか感じないですね』
ケインがそう言うと共にいたルルカも口を開いた
『こいつが噂のAのなんとかだったらいいんだけどね!』
『ですねぇ』
ルルカの希望にケインも夢を見ている
だが目の前で戦いは続く
『面倒な敵だなグスタフ』
『強いわけじゃないが、まぁ面倒だぜ』
俺とグスタフは閻魔蠍と睨み合いをしている
そして俺が先陣を切る
『もう決めよう、シルバーダンス!』
狼気を込めたその技は閻魔蠍に向かって行く
銀色の狼の気の塊が縦横無尽に閻魔蠍の足元で暴れている
『キッ!キュ!?』
『へへ!耐えれねぇだろ・・・終わりだ!』
閻魔蠍は耐えきれずに横ばいに転倒する
その瞬間には倒れるとわかっていたグスタフがもう大剣を振りかぶり
閻魔蠍の腹部を大きく切り裂いた
『キュキュキュキュグググ!』
『終わりだぁ!』
グスタフの攻撃によって動けなくなった閻魔蠍はそのまま痙攣し始めた
それを見て拳に闘気は込めてグスタフが技を放つ
『新技閃いたぜ!?これでもくらえぇぇぇぇぇ!!』
『えっ!?そのタイミング!?』
俺は少しびっくりした、ここで閃くのかグスタフ
グスタフの拳が赤く発光し、彼が叫んだ
『おらぁ!!連拳断!!!!!』
『キュギャァァァァ!』
腹部に向けてぶん殴る彼の技は、1回の攻撃で数回分の攻撃を行える技だった
俺が見ていると14発くらい連続した拳が一瞬で繰り出させた
『おやすみ蠍野郎』
そう言いグスタフの放った技で閻魔蠍は腹部から千切れて2つに分かれた
すごい技だな、喰らいたくないね
ケインとルルカは無事だ、まぁそりゃそうだ
ナッツは慎重に近づいて閻魔蠍の状態を見る
『・・・動きません、というか絶命してますね』
ナッツが軽く小突いても頭部を刺しても動かない
完全に息絶えたらしい、ふぅ・・・時間がかかったか
『はー、手間取らせる蠍だぜ』
『グスタフぅ?良いタイミングのひらめきじゃない』
『だろう!?』
ルッカのお褒めの言葉に乗るグスタフ
彼は腕を組んで仁王立ちスタイルでドヤ顔をしている
俺はルルカに剥ぎ取りをお願いして周辺の警戒をしていた
『・・・B+か』
『いても可笑しくない場所なのよ!気味悪いし!』
俺の独り言にルルカが答えてくれた
『あれは珍しい魔物なのか?』
俺の言葉にルルカが悩みながら口を開いた
『ここらでは見ないの!山岳地帯の魔物なの!』
『そうなのか』
『うん!だからここの生態系は未知数!』
ルルカが腕を横に広げてお手上げポーズで表現しながら言う
何が出てきても可笑しくないって事か
暫く進んでランクCやBのオンパレードだ
引っ切り無しにやってくる、俺たちは一度立ち止まり様子を見た
ケインが地面の匂いを嗅いでいる
『うーん、色々な匂いが・・・濃いですねぇ』
どうやら沢山いるらしい、冒険者は来たがらないしな
気持ちがわかる・・・大変だ
俺はケインを撫でながら聞いてみた
『ケイン、変わった匂いがあったらすぐに言ってくれ』
『わかりました!』
ケインは綺麗に手をあげて返事をする
そして歩き出す、だいたい3時間は歩いたろう
何かが見えても良い筈なんだが・・・
ルッカ『迷った?』
ジャフィン『まだだ!』
ナッツ『帰れるのかな・・・』




