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【完結済】槍の新兵は夢を見ない  作者: 牛乳太子
最終章 All flesh will see God’s salvation(すべての肉なる者は神の救いを見るだろう)
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39 情報は当てにならない

液のホームから目にも止まらぬ速さでカンノウンという人型の魔物は突っ込んで来た

これに反応できるのは俺とゾロアそしてヘクターぐらいだろう

俺は銀彗星を使って音速以上の速度で加速し、迎え討たんと真っすぐ走り抜けるとそれについてくる者がいる

予想通りヘクターとゾロアだがすぐ後ろにコルヴェールとアルセリアそしてクズリがいる、この3人も中々に反応速度が速いのだな


『!?』


カンノウンの6本の手に持った刀が発光するがその前にケリをつけないと駄目だ、あれはきっと不味い

俺の予見スキルが久々に発動するが避ける場所がないほどの攻撃が来るとわかるがどんな攻撃なのだろう、気になるがそれを見てしまえばきっと誰かが死ぬ


『ッ!!!』


俺が技を放たれる前に胴体を両断すると舞い上がった上半身に狙いを定めていたゾロアが更に刀で素早く両断し、ヘクターが千切りという技で上半身を細切れにする


『レーザーショット』


アルセリアが言い放つと彼女は矢を放ち、レーザー光線の様な一撃を放って下半身の股間を貫いたが痛々しくて俺の股間がキュッとしてしまう


『名残雪虫』


コルヴェールは両手の爪を前に突き出すと彼の両肩部辺りからおびただしい数の突撃が下半身を貫いていくと貫いた箇所が徐々に凍り始める、氷属性の技とは非常に珍しいが関心している暇なない


『貰うぜ』


クズリはニヤリと笑みを浮かべると凍り付いた下半身に向けて拳を握り、右腕を悪魔の様な腕に変化させると殴り飛ばしたのだ

彼の技はデビルランペイジという黒い闘気を腕に纏って悪魔の様な腕に変えて攻撃するのだがこれには俺も苦戦した記憶がある

粉々に吹き飛んだカンノウンの気配が一気に消え去ると俺はホッと胸を撫でおろすが一瞬の出来事に動けなかった仲間は困惑を顔に浮かべる


『一瞬動けなかったが、威圧か』


カールの言う通りだ、とんでもない威圧を放っていたことを俺は今さら気づいたがそれを気にしている余裕なんてなかったんだ


『どう見てもSレベルだったが情報は当てになんねーなー』


『A+じゃなかったんですね、恐竜六王よりも絶望感たっぷり感じました・・・』


バニアルドとモリスが口を開く

ヘクターは細切れになったカンノウンをしゃがんで見つけるとそれらを1つずつ丁寧に踏んで潰していくが何をしているのか聞いて見ると驚きの答えが返って来た


『こいつ不死身なんだ、出来るだけ破壊しておかないと再生するんだよねー!』


『本当かよヘクター』


『そいつの言う通りだ銀狼、まぁここまでグチャングチャンにすれば数時間は戻らぬ』


言い方に難があるがいいか


『とんでもねぇ奴はお前らに任せるか』


グスタフが無力を感じ、不貞腐れた顔でそう言うが今のは仕方がない事だ

タツタカも何が起きたが理解できずに笑顔のままキョロキョロしている


『ここらで休憩したい、グスタフどうだ?』


『あぁん?気配はねぇが数分ならいいと思うぜ』


『そうか…ゾロア・・俺達は人間だ、落ち着いている時に出来るだけ休息を取りたい』


『ふむ、良いだろう』


彼にも許可がおりたので一同はホーム下の線路の上で腰を下ろす

相変わらず地上からは沢山の魔物の気配がするがだからといってここが安全な筈がない

ホーム下の僅かな空洞の背中をつけ、隠れるようにして休んでいるとそれは聞こえてくる

飛行音だがこれはあのオメガ・トゥテラの音に似ていたのだ


音から察するにホームの周りを徘徊している様だが単体とは思えない数の音だ

グスタフは耳を傾けながら静かに指を3本伸ばすが3体はいると考えているのだろう、意外と奴のミミは頼りになる、俺の地獄耳は良く聞こえるだけであり、グスタフみたいに上手く聞き取れる訳じゃない


『・・・』


ナッツが嫌そうな顔をまたしているが彼は息を止めている様だ、他の者達は小さく息をしているのに彼だけ無駄に頬を膨らませて息を止めている

クズリがそれを見て呆れるとジャスチャーで呼吸しろと指示をしているがそうした方が良い


マルスは何かを言いたそうだが口を開くことは出来ない、オメガ・トゥテラの詳細が不明過ぎであり、僅かな音すらも聞き漏らさない可能性もある

俺達に許されたのは呼吸のみ、もしそれすら駄目ならば戦うしかないがどうやらそれは大丈夫そうだ


コルヴェールは暢気に首を回してリラックスムード、こいつは意外と大物になりそうだな

そうしているとピピピと音が聞こえてくる、その音がまるで会話しているかのように沢山聞こえると俺達が歩いて来た線路に向かって飛んでいった


『行きましたね』


タツタカが小声で口を開きながらホーム下から顔を出す

休憩なのに休んでいる気がしない、しかし呼吸を整えるだけでも意味は大きい


『バニアルドさん、何飲んでるんですか?』


マルスが彼に質問をしているが確かにバニアルドは何かを飲んでいる

その姿にモリスとコットンは凄い深い溜息を漏らしているがルルカが近くに行って匂いを嗅ぐと彼女は何を飲んでいるかわかったようだ


『お酒くっさ・・・』


『ルルカお嬢ちゃんも飲むかー?やる気出るぞ?』


『止めとくわ』


ゾロアが呆れた目で見ているとナッツが苦笑いしながらそれを見ながら俺の近くで口を開いた


『らしといえばらしいですね』


『そうだが大丈夫か?』


『バニアルドさんですから』


まぁたまに飲みながら討伐依頼していると聞いてるしいつも通りなのかな

カールはミミリーと体を休めながら周りを警戒していると俺達が進んで来た道をジーッと見つめている

俺はどうかしたのか聞こうとすると彼らが見ている奥からカシャカシャと沢山の金属音が聞こえてくる

意外とこの2人も耳が良いんだな、初めて知ったけども音が聞こえているのに気配は感じないとなると答えは一つだ、オメガ・トゥテラ同様、超科学の生んだ生命体である


『近付いてくるぞ、ここは不味い』


『もう進みましょ』


2人は嫌な予感を感じたのかそう告げると俺達は足早にホーム下の線路を頼りに真っすぐ突き進むが後方から聞こえる音は一向に距離が縮まらない、いや・・・近付いてきてる


『ヤバいよ、何が来てるのかな』


最後尾のヘクターがチラチラと後方を気にしながら口を開く

コットンの手の平の灯りを頼りに進んではいるがやはり俺も後ろが気になる

照らすのは俺達周りのみであり、他は真っ暗闇

不気味な恐怖を俺も感じているが地上はもっと辛いだろう


俺はふと後ろを振り返って見ると遥か遠くから2つの細い光が現れたのを目で確認したがそれは明らかに何かの眼光であり、それは俺達を見ると更に目を大きくして大きな金属音の足音を響かせて走ってきたのである


『やばいっよ!見つかっちゃった!』


手をバタバタさせながら焦る最後尾のヘクターは物凄い速度で距離を縮めてくる後方の見えない敵に真空斬・改という月下美人専用の技を放つ

巨大な斬撃が後方の対象に飛んでいくがそれは見えない何かに当たり、大きな音を立てて制止したのだ


『やったか?』


『グスタフさん、それ駄目な言葉っ!』


『そりゃ迷信だナッツ』


『キュイィィィィィィィン』


後方から音波の様な音が聞こえるとナッツは口をへの字にしてグスタフを見つめる


『わぁったよ、言わねぇから』


言わなくてももう遅い、音の正体は体を薄く発光させ、俺達は何が追いかけてきているのがわかったがどうみてもそれは巨大なムカデである

ここから見えている限りだと多分全長は50mはあると思われる大きさだが流石にあれと戦いのは不味い


先ほど迄発光してなかったムカデは体を薄く光らせながら目を吊り上げて走って追いかけてくるが怒らせてしまったみたいだな


『馬鹿な、ガンテクロア・・・』


ゾロアは驚きを口にしているがタツタカも同じだ

見た事があるのだろうがタツタカは走りながら口を開いた


『推測ですがオメガという名はやっぱり超科学が作った機械だと思います、あれは僕とゾロアさんが出会った魔物のガンテクロアと瓜二つですがあれは生き物で今後方から追いかけるのは機械、多分大和内の魔物情報誌に乗っていたオメガ・クロアです!』


オメガという名が超科学の遺産、なるほどな

となるとあのムカデもオメガ・トゥテラ同様に殆どの技や術が効かないのだがどう見てもトゥテラ以上に強いってわかるよ


『流石にあんなのが技効かねぇってヤバいぜ』


『父さん頑張って!』


『無茶言うな!裸で龍に勝てっていってるようなもんだぞ』


それは無理だな、しかし後方から来るオメガ・クロアは徐々に距離を縮めていくと口元が一気に発効する

俺は左右に避けろ!と何となく叫ぶと皆が左右に壁に体をつけて避けた瞬間、光線が俺達の横を通過していく

数秒後、進行方向から物凄い爆発音が鳴り響くとそこから砂煙がこちらまで雪崩れ込んできて俺達の視界が失われる


『あんなの喰らったなひとたまりもないな』


カールはそう告げると咳込み始めるがヘクターは何かを感じ、全力で小さな剣をその場で振ると砂煙は切り裂かれ、後方にいたオメガ・クロアが俺達に直ぐ後方にいる事がわかった


『?!!?!?』


速過ぎる、機械のムカデというのは近くで見るとここまで不気味なのか

口元の顎牙はガチガチと音を立てて上体を上げ、俺達を見下ろしているが先ほどのヘクターの斬撃をモノともしないようだな

このムカデの頭部にはオメガ・ドゥテラと同じ銃兵器が備えつけられているが先程の攻撃は口からみたいだな


『走れ!』


俺は叫ぶと誰もが一斉に走り始めた


『バカにしおって』


ゾロアはオメガ・クロアが見下ろすのが気に食わなかったのか、振り向きながら素早くその場で刀を降ると斬擊は敵の顔面に飛んでいき、巨大な機械で作られたムカデは顔面に切り傷をつけたまま転倒する


『純粋な魔物を舐めるな』


ゾロアは吐き捨てるとヘクターの横を走る

その隙に距離を稼ぎたいがオメガ・クロアは直ぐに立ち上がると頭部の銃兵器をこちらに向ける、大きな炸裂音が響き渡ると同時にヘクターは何かを斬った


『手が痺れるよぉー!』


彼は弾を斬ったのだ。

タツタカはその弾の大きさに目が飛び出そうなくらい驚くが拳ほどのサイズはある、あれが命中した対象は確実に飛び散る


『レーザーショット』


アルセリアは後ろ走りで技を放つがその矢で放つ光線はオメガ・クロアの体に触れると見事に弾かれたのだ

彼女は舌打ちをし、走ることに意識を向けるがヘクターの技とゾロアの技には耐性がないみたいだ、走りながら斬擊を飛ばす二人の攻撃だけは弾かれていない


『キシャァァァア!』


大口を開けてカシャカシャと音を立てて俺たちを追ってくるが俺達はいつまでも走り続けることは出来ない

タツタカは何かを閃くとヘクターに雷術を撃ってほしいと提案し始めた、それにはヘクターもやる気を出し、元気よく口を開いた


『オイラの雷術が炸裂するんだね!』


彼は前方宙返りをし、何回転も回ると逆さまで後方のオメガ・クロアに体を向け、懐から四角の鉄の塊を手に握りながらも両手を奴に向け、叫んだのだ


『レール・ガン!』


強烈な炸裂音を響かせるとヘクターの腕からは先ほど握っていた四角い鉄の何かが雷を纏い、俺の目でも捉えきれない速度で後方のオメガ・クロアに直撃すると大きな超科学の兵器は軽々と吹き飛んで奥まで消えていったのだ、ヘクターは着地をすると親指を立てる

あり得ない程の威力に誰もが走るのをやめ、後ろを眺める


『なんだ今のは』


カールが驚きを口にするとヘクターは自慢げに話し始めたのである


『雷術最強のレールガン!炎術はグラン・フレア撃てるし水術はアクア・キャノン、撃てるよ』


3つの属性の最強術を撃てると豪語する彼には俺も驚くよ、流石ジ・ハードだな

俺は奥を眺めるが見えないところまでオメガ・クロアは吹き飛んだらしく、倒したかどうか確認できない

だからといって見に行くのもどうかと思ったので一先ずは先を急ぐことにした

走り過ぎてナッツやモリスが息を切らしているが走る事が得意ではないのだろう、他の者も息を切らしてはいるがそこまで酷くは無い


『強くなったな』


ゾロアがヘクターに声をかけるとヘクターは照れ臭そうに頭を掻く

俺は皆に歩いて息を整えながら進むことを告げると誰もが返事を口から出さず、俺の後ろをついて来た

コットンの手の平から発生している火術の灯りを頼りに進んでいくと次なるホームが見えてくるがタツタカはふと『休憩所があるかもしれない』と言い放ち

ホームに飛び乗ると言われた通り休憩所らしき場所を探し始めた

床のタイルは酷くひび割れ、まるで廃屋の様にずさんな光景だが改札口と言われる場所をタツタカは探すとそれは直ぐに見つかった


『それっぽいドアを見つけました』


ドアの上にはなにやら長方形の看板がある、書かれているのは安易な人の絵にベットだ

確かにここが休憩室だと思う、中は埃臭くて俺は咳込む

コルヴェールとゾロアは気にする素振りを見せずに奥に歩くが9畳ほどの部屋の奥にはベットが2つ設置されており、奇妙な棚がいくつも壁際に置かれている、テーブルが中央に置かれているがカールは棚の中を漁るとタオルを見つけ、適当に吹き始めるが本当にお前綺麗好きだな

最後尾のヘクターがドアを閉めると近くに腰を下ろして休憩し始める


『少し探して見ますか』


『タツタカ、何を探すんだ』


『食料です、皆さんお腹空いてないんですか?』


『馬鹿な事を言うな、ここは何万年前の場所だと思ってる?食料は腐っているだろ』


『僕の推測が正しければ超科学は永久保存できる保存食くらい駅に置いている筈ですよ』


にわかに信じがたい

ゾロアもそれには首を傾げるが殆どは床に座って一時の休憩をしていた

俺とマルスはタツタカに混じって辺りを探し回るが食料らしきものは無い、しかし彼は床にトッテがある事に気付くとニヤニヤしながら床を開けた

1m四方の床の倉庫の中には奇妙な白い箱に入った何かが沢山詰められているがこれはなんだろうか

それに混じってペットボトルと言われる容器に入った水があるがタツタカがそれに目をつけると直ぐに手に取ってキャップと呼ばれる蓋を回して開け、匂いを嗅ぐとそれを飲んだのだ


『大丈夫なの?タツタカ君』


コットンが心配そうに声をかけるがタツタカは元気よく答える


『大丈夫です、この水飲めますので皆さん飲んでください』


彼はペットボトル容器に入った水を投げて全員に渡すが俺とグスタフは警戒しながらちょびっとだけ飲むけど確かに大丈夫そうだ、既にナッツとモリスがグビグビ飲んでいる


『水が腐らずに残っているだと?』


『凄いな、これも超科学という奴か』


ゾロアとコルヴェールが口を開くとタツタカは白い鉄の容器に入った弁当箱の様な物を持って何かを探しながら話し始める


『僕等の時代でも未来はこうなっているだろう的な話は沢山ありました、超科学ならば食料も永久的に保存できる技術だってきっとあると思ってたんですが水ができるならば・・・きっと』


タツタカは部屋の中の小さなガラスを開けるとその中に白い鉄容器を入れて閉じた、周りに書いている文字を読みながらボタンを押していたのだが俺達は何をするのかと凄い興味がそそられている

カールやゾロアもそれにはタツタカの真横でジーッと見ているが珍しい組み合わせでなんだか笑いそうだ


『いける!』


タツタカは言い放つと沢山あるボタンを順番よく押し、最後に大きめのボタンを押すとガラスの奥が灯され、中に置いた白い輝の容器がガラス越しに見える

中では容器がゆっくりと回転しているがどんな原理なんだろう

そして彼は何を見つけたのか、それを先に気付いたのはアルセリアだ


『むっ!この匂いは!肉!』


アルセリアは立ち上がるとタツタカの傍に寄るがそれと同時にピコーンと音がガラスの上にある隙間から聞こえると小さなガラスドアを開けたのだが先ほど入れた容器からは湯気が立っており

『アチチッ』とタツタカが言いながらそれをテーブルに置くと彼は蓋を開けたのだ


『『『はっ!!?!?!?!?』』』


全員が絶対に驚く光景だ、俺の目には牛丼がある

タツタカは腕を組むと自慢げに口を開いたのだ


『これが超科学です…いや凄いなぁ本当に未来はこんなこと出来たんだ…』


お前が驚くなタツタカ、こうして彼は再び床下の倉庫から同じ容器をドンドン取り出すと順番よく人数分の食料を復活させていったのである

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新作ですがこの小説を見てる人ならわかる部分が多い内容になってます 勇者ですが指名手配されたので逃亡ライフをはじめます
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