15話 【銀の意思の住人】
ルルカ『ながいですわ!もう!』
ケイン『6章に重要なとこ10割沢山ありますし・・・』
ナッツ(ながいなぁ)
ケイン『でも本当に重要だからながいんですよ・・・』
後ろから声がした、俺は後ろを振り向く
するとそこには1匹の狼人族・・・いや・・・違う!!!!!!!
その体は銀色の毛並みをした狼人族、だが狼人族とは絶対違う
そんな存在じゃない、俺は声が出ない・・・
『お前が、この道を進む者か?』
その者は腕を組み、目を細くして俺を見つめる
俺は声が出せない・・・どうすれば・・・くそ・・・
『そのまま聞け、狼狽えるな馬鹿者が』
その言葉に俺は戸惑いはしたが暫くして冷静になった
目の前にいる銀色の狼人は俺を指さして再度こう言った
『その唄・・なるほど、お前は死にそうな所を運よく道に辿り着いたのか』
俺は言葉を出せないのに何故かわかるような素振りをしていた
いやわかっている、どうやって?俺は聞く事だけに専念する事にした
『本当に運がいい、【あれ】にはお前はまだ勝てないだろうな』
そういって彼は薄く笑みを浮かべて俺の周りを歩き出した
『俺も住人になって何千年になったのだろうか、外の流れはわからぬ』
彼はまだ俺の周りを歩く、だがその目がとても鋭い
銀の意思の者なのだろうか?
『さてな』
俺が念じていることに彼が気付いていることがわかった
会話はできるようだ、
この道は一体何なんだ
『絶滅した道だ、今は道の事を職スキルと言っている様だが』
彼は立ち止まり両手を腰の後ろで組み、再度口を開く
『この道に俺が新たな力の一部となったにすぎない、俺がこの道を初めて見つけて俺で最後だった・・・俺以外誰もこの道を進んだことはない、お前は2人目だ』
その銀色の狼人族は俺に近付いてくる
その毛並みは銀色なだけじゃない、薄く光っている
何者なんだ?
『その質問はお前にはまだ早い、だがこの道を進む勇気があるか?背負う覚悟はあるか?』
俺は無言で彼を見つめた、その者は軽くフッと笑った
『心の奥底に欲を隠していたか、まぁ今はスッキリしてるようだな』
続けて彼は俺に言う
『多くは語らぬ、だが1つだけハッキリしたことを教えてやろう』
奴は俺の目と鼻の先にいる、目の前だ
彼は・・・静かにこう言った
『道は全部で4つだ、お前はまだ始まりの道・・・わかりやすくいってやろうか?お前の時代ならば下位の道、だがその力は中位職は普通に出せる』
これの他に先が3つという事か
『そうだ、次が中位、そして上位・・そして最終地点が』
彼は俺の耳元で小さく囁き、俺に言ってきた
『天位職と言っておこう』
俺は少し頭を整理していた
俺にわかりやすくこの時代での言い方で解釈してくれているらしい
有難い、が4つか・・・天位とは・・
『摩天狼だ・・・俺しか辿り着いていない道』
最後が摩天狼か、手探りでは絶対になれない道だ
どうすればいいのだ
『その前に1つ問うぞ?小さき夢見の者』
なんだ?何が言いたい?
彼はハッハッハっと腕を組んで笑いだす
やっとおさまったかと思うとまた真剣な目になる
『まぁ焦るな、お前は何故この道を選ぶ?いや進もうと決心した?』
俺の記憶を漁っているのは俺はわかっていた
それなのに質問をしてくる、何が狙いなのか俺にはわからない
ただ俺は・・・・
英雄ショーが大好きだった、とてもだ
いつもルッカと見ていつもあいつと笑っていた
今も好きだろう
俺は
ただ守りたい人を守るべく力が欲しいのだ
自分の為じゃない、いや半分それは嘘か
俺は子供のまま大きくなった奴だ
誰にも慣れない存在で誰かを守りたい
いくら強くても世界は広い、それをあの羊の地獄でわかった
普通の職では決してあのような存在に勝てない
だが強くなったからって俺は何かをしようとは特別思ってもいない
強さで人に何かを得ろうとは思わない、ただ
あいつはまたくる、俺は絶対そう感じている
ならば俺はこの道を進むしかないんだ
世界なんて知らない、俺にはわからない
あいつをぶっ飛ばして好きな人と自分たちが育った村で普通に笑って暮らしたい
『フハハハハハハハハ!!!』
銀色の狼人族は突然大きく口を開けて笑い出す
俺は少し動揺したが大丈夫た、彼が口を開く
『不器用だがまぁいいだろう、悪くはない』
そして少し後ろに下がり腰に手を置きながら言ってくる
『悪い私利私欲は無い様だ、無垢だなお前・・・誰かの為か・・・俺と同じだ、いいだろう』
彼は俺を指さしてこう告げる
『その安っぽい呪いの類を1つ解いてやる、加護を上げてやるのだぞ?【遠くから】だとそれしかできん・・・そしてだ』
一瞬で俺の後ろに現れて俺の肩を叩く、見えなかった
瞬間移動だろうか?わからない
『道の進み方を教えてやろう、ちゃんと覚えて置けよ?まずネタ晴らしだ・・・お前が始まりの道に入れたのは唄の効果だ、【唄人】の犠牲により作られた唄だ、その唄は道の解放の効果が組み込まれた物・・・何故馬鹿みたいに回復したかはわからん』
続けて彼が言う
『これは槍の道だ、槍術レベルが4以上、そして狼王の加護【小】ありでその唄を聞くと唄に組み込まれた効果で道が解放され出現する、お前の言う職とは昔は儀式で唄を使い解放する、言い方を変えると現れるのだ・・・』
肩を放し、後ろから俺の前に現れつつまた周りを歩き出す
『だが本当は違う唄なのに、その歌は誰が作ったのだろう・・俺も知らない唄だ・・いや・・・まさか・・ありえない』
男は口元を抑えながら考えている
『・・・それはお前がこの先見つけてくれるだろう、俺は期待している』
期待?何をだろうか
うむ、軽く整理しよう
昔はクラスチェンジするには儀式で専用の唄を唄って道を作る
色んな道にそれ用の唄があるのだろう
条件が整っていないなら唄を聞いても何も起きないのだろうな多分
だが俺は条件が整っていたので良かったのだが
俺の歩んでいる道の唄は本当は違う唄らしく
ちゃんとした唄があるとか
別の唄で俺はこの道を解放したらしいな
唄を作った者も不明、あれ
唄を知らないと俺は道を勧めないという事になる
『その通りだ、だが・・』
俺の念を読み彼は返事をする
その男が急に
悲しい顔をした、さっきまでの強大な存在を消し
まるで捨てられている子犬の様な顔をして俺に語りかけていた
『もし彼女が俺の事をまだ信じているならだが・・・お前はアバドンに行くべきだ。そこに唄があるだろう、唄は1つの道用に残り3節ある筈だ』
俺が母さんから聞いていたこの子守唄の続きがある?
『そうだ、すまないが俺も本当の唄は遠い昔で忘れた・・・現代はお前の聞いたその唄を聞くしか方法は無い』
そして彼は続けて言う
『そして俺はこの道の住人みたいな者だ、銀の意思は俺だよ・・・当初はそんなの無かった、多分俺の思念があまりにも大き過ぎてこの道に残留したんだろう・・・詳しくは俺もわからん、俺の事はこれくらいしか教えぬ』
住人?霊みたいなもんか?
『まぁそうかもしれんな』
軽く彼は俺に笑いかける
『次の道のステップにはお前はいける、あとは唄だけだ・・・2節目を、いや・・・俺の予想が正しいなら【希望の森アバドン】に唄は全てある筈だ・・・お前の記憶にある絵本の人間が俺の知っている人ならば』
俺の記憶を見ているんだろう、墓にあると言うのか?
『そうだ、墓のどこかにある筈だ・・・あいつはそういう奴だよ』
誰なんだ?いったい
『お前はまだ知らなくていい、いずれ知る・・・そして俺の願いを聞いてくれ』
男が徐々に薄くなっていく、あの強大な存在が泣いている
悲しい顔を俺に向けて目から涙を浮かべて
『俺の国で俺の意思をアバドンの墓に・・・持って行っ・てく・・れ・・・俺は・・彼女・まだ・・信じ・・て・』
まて!何を言っている?アバドンにお前の意思を持っていくってなんだ!?
『頼・・む・・・唄・・あい・・つ・な・ら・・・ま・・愛・・・て・・る』
まて!!!!!!
俺はその瞬間目を覚ました
グスタフ『なげぇよ』
ルッカ『読まないと中盤わからないわよ?』




