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【完結済】槍の新兵は夢を見ない  作者: 牛乳太子
13章 番外編 それぞれの生活
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28話 白狐の恩返し編 腐蜘蛛

驚いたなぁ


バニアルドの婚約者ってあのアナベルかぁ

マルスと可愛い子トップ3の一人じゃないか

そう考えてるうちにアナベルとベティーナは久しぶりに会ったと言うことで仲良く椅子に座り話し込んでいる

バニアルドは俺のベッドに腰かけてその様子を伺っているがどうやら彼の話だと戻ろうとしたら帰りが遅いんで心配で一人で飛び出してきたとまぁまぁ可愛げある行動でバニアルドが幸せに見える


『熊はロリコンかぁ』


『否定できんな』


苦笑いしてる

そういえばアナベルは話し込んではいるけどもチラチラとベティーナの奥に座るルッカを気にしているようでどうしたのか聞くと緊張して話しかけれないんだとさ


『あの…学園で一番有名な女性でしたので…その』


アナベルがモジモジしているとルッカは微笑みながら彼女に話しかけた


『全然話しかければいいのに、普通の女よ?』


『いえっ!でもルッカさんは結構下の学年の憧れみたいな存在でして』


下の学年もルッカを崇拝してたのかよ

まぁわからんこともない、ナッツはベッドに横になってリラックスしながら耳を傾けてるがこいつ殆ど空気と化している


こういったトーク入ってくる奴じゃないからな


『まぁ話は変わるがシルバーバレットは式に来いよ?頼む顔の広さをとりあえず出したいんだ』


両手を合わせて頭を下げてくるけども別に頼み込まなくても招待状送れば行くと伝えるとガッツポーズして喜んでくれた

アナベルも少し照れながら話を聞いてるけどもそんなタイミングでナッツが何かを思い出したらしくバニアルドを見ながらニヤニヤし始める


『どうしたナッツ?』


バニアルドが彼の視線に気づいて目を細めるとナッツが気になる言葉を投げた


『バニアルドさん討伐後生き残ったら婚約者と添い遂げる言いましたけど達成しました?今日ですか!?』


ああ言っていたな集合場所で聞いた気がする

ナッツの言葉にルッカは苦笑いし、ベティーナは笑顔でナッツに素早く近付くと頭を思いっきり叩いていた

肝心のアナベルというと…人間はあんな顔真っ赤に出来るのか、爆発しそうだぞ

凄い言葉を聞いても狼狽えないバニアルドも中々の肝っ玉だがこいつが焦るのは船の上くらいかと思い、なんだか笑いたくなった


『あぁ言ったな、俺も男だし丁度アナベルもいるし丁度いいな』


堂々すぎる答えに流石の俺も固まった

お前は何を躊躇せずハッキリ言うんだ…

正直な奴なのはわかるがこんな場面でもそれが活かされるのか…流石だな


『あの…バニアルドさん、私…勝負下着…な…い』


片言見たいに小さく口にするアナベルの声は近くの者しか聞こえないだろう、ベティーナのルッカしか無理なほど小さい

だけどもジェミニの熊は聞こえていたらしくハッキリ答えてあげた


『勝負下着って攻撃力あるのかアナベル?』


バニアルドお前は…

そうして会話に満足した熊は顔を真っ赤にしたアナベルを連れて部屋を出ていった

ベティーナとルッカは疲れた様子を見せながらため息を漏らすが気持ちはわかる

いつバニアルドがとんでもない言葉を口にするかドキドキするもんな


俺は楽しかったがふと俺も思い出してナッツに顔を向けて聞いてみた


『そういやナッツ』 


『どうしました先輩?』


『お前…バニアルドが生き残ったら添い遂げるとかいった後にお前も便乗したろ?』


『あっ!!』


ナッツはベティーナに顔を向けると彼女は細い目を向けて口元に笑みを浮かべていた

作り笑いで誤魔化す後輩は頭を掻いているけども俺はお前が言い放った言葉は覚えている

ルッカも苦笑しながらナッツの様子を伺うけどもこういった話が出来るのも生きていたおかげである

俺が入院しているかのように安静にしているこの施設は他にも部屋が何部屋もあり、予想なのだが部屋を出れば廊下にズラッと同じドアがべっしりと並んでいるので同じ部屋だろうし同じく今回の黒龍戦で生き残って怪我した者達が入院しているのだろうと思う、全体的に置く無いの色は白く完全な医療施設だ

気になってナッツに聞いたところここは城の北側にあるポートレア総合両施設アクアライトという場所らしい


名前は知っいるが国で2番目に設備が整った場所だとさ


『一番目はなんと海の都イーノスにあるセイレーンという医療施設ですね、大きさはここよりも小さいですが』


俺達がインダストリアルに向かった時に寄った街だな、随分と西側にあるんだなと思うけどもそれは一か所に技術者が固まらない様にしているらしく、どうやら北のタンカーにも立派な医療施設はあるんだとかナッツが説明してくれた


『ナッツ君は物知りねぇ』


ルッカが褒めるとナッツは腕を組んで鼻を高くする

知識こそ力というのはあながち間違いではないだろう、こいつの武器でもある

この話が終えるとナッツは背伸びをしながら立ち上がりベティーナを近くに宿に送ってくると言って出て行った

そういえばナッツはどこの部屋にいるのか出て行く寸前で聞いて見たのだが隣の部屋らしい、丁度いいな


『宿にはレナウスさん達もいるので大丈夫ですよ、ルッカさんも行きましょうか』


ナッツがそう話しかけるとルッカは彼の気になる部分に質問をし始めた


『助かるわ、それにしてもナッツ君・・・浮いてる剣が5本しか無いけども?』


『・・・全部黒龍戦で折れましたのでまた新しく買い替えます』


溜息交じりに答えるナッツ、あの剣結構高い物だった筈だが残念だ

しかし帝国に帰れば直ぐに新しい剣が増えるだろうし今だけ少ない

ナッツは女性2人を連れて近くの宿に送り届けようとドアに向かうルッカは椅子から立ち上がってふと俺に近付いてきて額にキスしてから口を開いた


『また明日ね』


彼女らしいことをされると照れるけども奥でナッツがニヤニヤしているのがなんだか悔しい


『わかった、気をつけろよ』


『はいは~い』


んでナッツは2人を連れて出て行った、時刻は・・・うわもう22時かよ

バタリとベットに横になって天井を見上げるけども輝魔石が設置されているだけでここにはベット2つと椅子が4つそして机が2つしかない、一応しきりはあるけどもそれは横にどかしている

ハルバートは近くの壁に立てかけてるし何かあっても直ぐ手に取れる


今どこ程度回復したか魔力感知で藁打を循環する狼気を探ってみるけどもまだ半分ちょいか・・・


『完全回復は明後日かなぁ』


呟きながら起き上がる、眠くないのだ

三日間もずっと寝たせいなのかまだ眠くはない、一先ず施設内を散歩して気を紛らわすことにして廊下に出た

確かに長い廊下だよなぁ、出ると入り口前には兵士が4人いたけども俺だけ待遇がやり過ぎだと思うと彼らを見て苦笑いしたくなる、一応廊下の両端にも兵士は2人ずつ待機しているが部屋の前に警備しているのは俺の部屋だけか・・・なんだか恥ずかしい


『お体は大丈夫なのですか?』


出て来た俺に驚きも見せるも直ぐに切り替えて兵士がそう口にしてきた

大丈夫というよりかはある意味平均的な完全回復だろうなこれ、俺から見ればまだだけども十分に動けるし狼気を使わない戦闘、いや・・・銀彗星で素早さを上げたお得意のスピード勝負なら動作も無い


『大丈夫だから硬くなって護衛しなくても良いぞ?うたた寝くらいしとけ・・どうせ敵意がある者が近づけばここの廊下に入った時点で俺が気づくし俺が寝てたとしても起きるし』


この事も意外と知れ渡っている、武人祭で俺の特徴を洗いざらいに冒険者たちが調べていたとは思うけども寝てたとしても敵が近づけば自動で起きるってのは限りなく暗殺が来ても対処できるという規格外センサーだろうな


『すごい職ですね』


『だから休みたいときは休め、上司に見られても俺にそう言われたって言えば怒られないだろう』


『お気遣い感謝します』


『んで不思議と眠くないから施設内を歩いて気分を紛らわしたいから1時間は戻らないしゆっくりしといてくれ』


『わかりました』


兵士達は笑顔で会釈すると俺は一足先に廊下の途中にある階段を降りて下に下がる

ここは4階建ての施設だが俺が安静にしている階は3階、敷地内には建物が2つありここは奥にある施設だ

怪我や病気をした患者が入院する為に寝泊まりする部屋に検査そしてリハビリ施設がある棟であるが2階と1階の渡り廊下を進めば建物の正面棟に行ける、そこには受付や外来できた国民の簡単な治療をおこなっているけども俺はそこまで詳しくないからナッツに来てくれ


『あ・・お疲れ様です』


階段を降りた先で兵士達が3人ほど楽し気に話をしていたが俺に気付くとそう声をかけて来た


『気にしないでくれ、空いた時間でゆっくりしてくれればいい』


『わかりました、異常はありません』


『お勤めご苦労様』


そういって彼らを通り過ぎると俺は渡り廊下を歩いて中庭に行くが輝魔石の灯でそれなりに明るい

広い芝生にベンチがずらっと並ぶこの空間に今は俺だけだ、ほとんどの人は寝る時間だろうなと思いながらハルバートをベンチの後ろ側に立てて空を眺めた

一応数分に一度は兵士がここを通って巡回をしているけども軽く会釈して通り過ぎて終わりだ

こういった仕事は警備兵だと思ってるんだけども違うのかな


戦った時は大雨であり月も見えなかったけども現在は雲一つない綺麗な月が見える

明日はまた大雨だと聞いてはいるけどもどうやらナッツ達と会話した際に西側は台風だったらしくそれがこっちに流れてきているんだと連絡魔石で街に情報が流れたんだとさ、んで父さんや母さんは急いで先に馬車で帰ったんだと、夜間馬車とかよくやるよ・・・戸締りが不安なのはわかるけども無理したら危ないだろうに

明日は退院なのに直ぐに村に帰れないのか・・・


そう考えていると小さい気を感じた、人の気じゃないなこれ?

にしても魔物?不思議な気である、敵意はない

場所が特定できないんだけどもこんな感覚は初めてだよ、確かに魔物の類の気が近くにいるんだけどもどこにいるかわからない

俺は芝生の広い中庭を見渡すけども変わった様子はない


『はて・・・なんだこれ?』


真上を見上げて呟いた瞬間、何かが足元をスリスリし始めていた

ピクンと多少驚いて体を揺らすけども視線を直ぐに足元に向けるとそこには真っ白く甘美な狐らしき動物が俺の太ももをスリスリしていた

大型犬くらいのサイズの狐だろうけどもこんな大きさなら気づいていた筈なんだがどこに隠れていたんだよ

それよりも俺はこの魔物らしき狐に不思議と警戒心が無いんだがどういうことだ


『キュキュキュ』


『キュ?』


その鳴き声に首を傾げる、頭を撫でると動物らしさを見せて心地よさそうにしてくれる


(魔物なのかこれ・・・)


両手でモフモフし始めるけども触っただけで気持ちいい

一家に1頭欲しいくらいだ、なんて種類の狐だろうか・・・もしかしたら相当危ない魔物とか?

俺も色々死地を経験してからそれなりに強い魔物との総軍率も高くなってきたんだしこんな人が沢山いる場所に気付かれずに潜り込める狐なんて絶対只者じゃないだろうな


『キュー』


可愛いな、だが可愛さはルッカが上だぞ?


『可愛いなお前、魔物だろうけども迷い込んだのか?名前はあるのか』


モフモフしながら独り言のように魔物らしき狐に話しかけた

本当に綺麗な白さだ・・・耳が後ろに垂れ下がり途中2つに毛が分かれていてお洒落な感じ

尻尾は犬よりも少し長めだろうな、目つきがやっぱ狐だな・・・釣り目っぽい


《久しぶりだね!僕リュカ!急いで君のお父さんとお母さんの乗った馬車を追いかけて!じゃないと二度と会えない》


何かが俺の頭の中で話しかけていた

少し驚き狐を見つめるがこの白い狐も俺を見つめていた

何が起きたのかと思うとこれは念術に近い術だとわかるけども唐突過ぎて頭が混乱しそうになる


『え・・?』


《急いで!ハルバート持って馬車を追いかけるんだ!今なら全然間にあるし誰も怪我しないよ!》


完全にこの狐の声で確定だ、只者じゃない

でもこいつどこかで見たことある・・・久しぶり?こいつ・・いや今はいい


『どういうことだ』


《魔物に君のお父さんとお母さんが食べれれちゃうから急いで!僕は君ともう一人の女の子に助けてもらった城狐ミラスタだよ》


気付けば俺はすぐ後ろにあったハルバートを左手で握っていた

白狐ミラスタだという言葉で全てが納得いく言葉だと俺は信じることにしたけど俺の父さんと母さんが?

10年先を見る事が出来る未来眼を持った幻の魔物だがこいつは俺とルッカが小さい頃手当てした狐のミラスタか?

あんときは子犬ぐらいしかなかったのに


気付くと俺は中庭から真上に銀彗星で飛び出してポートレアから一気に加速して飛び出した

空を飛べるというのは本当に便利である、街も元通りの活気になり夜なのに上から眺める街はまだ明るい

数分足らずでポートレアを出るがそれくらい銀彗星に狼気を込めている


でも大丈夫だ、計算して狼気を使っている


『この道だ』


俺がナラ村に行く時によく馬車で通る道

ここから下に降りるとナラ村に向かう方面に向かって一気に加速した

走る間色々な考えが頭をよぎる、なんで俺の父さんや母さんが魔物にやられることになるのだろう

白狐ミラストだと確定するならば恩返し的な考えをしても間違いじゃ無さそうだが父さんが勝てない魔物となるとB+以上だろうな


最近の父さんは上位職になったとニコニコしていた

職は超槍士という槍の基本的な上位職だがその気になれば1人でB+の魔物なんて1人で倒せるんだよ

そんな父さんでも負ける魔物となるとそれ以上と考えるしかあるまい


『多分Aクラスの魔物か』


《そうだよ!おっきー蜘蛛!呪いが効かない君なら楽勝だね》


『ふぁ!?!?!』


背中に何かくっついている

あれ?これは・・・・いつの間に張り付いていたのかわからないが白狐ミラスタが俺の背中にくっついている

あの一瞬の銀彗星からどうやって捕まったのかわからないけどもついて来たんだろう

溜息を漏らすと後ろから首筋を何回も嘗めなめしてくるがやめろっ!それやめろっ!

お前はルッカか!!!!


『蜘蛛とは初めての相手だが』


道を銀彗星で走りながら背中にいる生き物に口を開くと直ぐに答えてくれた


《腐蜘蛛!あと僕お腹すいた!ご飯!》


『終わったらな!』


唐突に現れたかと思えばこんな展開か、でも間に合うならば一安心だな

道は暗い、両端は既に森が見えるが気配はない、夜目は便利だなと思いながらも前方に視線を向けて走り続ける

黒龍戦での森とは違い生き物がちゃんといるというのがわかる、鳴き声が微かに森の方から聞こえるからだ

少しして遠くに馬車を発見し、目の前に立って止めると業者が驚いた顔をしてこちらをみていた


『銀狼殿、何故このような場所に・・・』


少し困惑している業者をよそに中から予想通り父さんと母さんが顔を出してきたが他にも人はいる、2人ほど中から気配がするがナラ村の者だろう

俺を見て驚いた父さんは口を開けて驚きながら俺に近付いてくるが俺の後ろにおんぶされている白狐を見ても驚いている

まぁこんな動物見た事ないだろうしな


『ジャフィン、どうしたんだ?銀彗星で来たんだろうが・・・後ろの狐っぽい魔物も』


父さんが首を傾げて疑問をあらわにしているが手にはちゃんと槍が握られている、引退しても元冒険者だな・・しかも立派な槍だし買ったのか

何事だと口にした父さんは確かに俺を見れば不思議だろう、魔物だってちゃんとわかっても冷静である


『キュキュキュ』


白狐がそう鳴くと後ろから歩いて近付いて来た母さんが興味津々で白狐の頭を撫で始める

心地よさそうな顔をする狐だな


『可愛い魔物ねぇ』


『母さん魔物ってわかってて怖くないのか?』


『あら・・・ジャフィンが連れているし大丈夫でしょ?』


母さんの考えはあながち間違いじゃないかもしれない

それよりも父さんはいきなりやって来た俺の用事を気にしているらしく俺は口を開こうとしたら森の方から一際大きい気配が森の方から向かってくるのがわかる

森に顔を向けるとどうやら父さんも何か気付いたらしく槍を担ぎ出す

俺もハルバートを担いで森の方を見るけども確かに気配は大きい


腐蜘蛛かぁ・・・


『キュキュキュー!』


白狐は鳴きながら俺の背中から母さんにダイブすると母さんの足元に着地した

服を軽く甘噛しながら馬車の中に誘導しようとしておりそれをわかった母さんは何かが近くにいると気づいて馬車に入りながら口を開いた


『頑張ってねレナウス』


そう言いながら馬車の中に入るけども意外と普段通りである

ふと闇夜に甲高い金切り音が聞こえてくると何かが森の方から走ってくる姿を俺は捉えた

蜘蛛だが真っ黒の体に白いラインが無数も体中を覆っている、目が赤く蜘蛛らしく沢山あるが前についている両手が刃物となっているが便利な魔物だなぁ、しかもサイズがデカい・・・近くまで来れば見上げる程のサイズだろう


この魔物も律儀なのだろうかちゃんと道の正面に立ち止まり刃物が着いた両腕を真上に振りかざして威嚇しているけどもきっちりしたやつだ


腐蜘蛛ふぐもか・・・十数年振りに見たがこいつは単騎で撃破は不可能だがお前なら・・・』


真剣な顔をした父さんは俺を見て微笑みだす

呪い属性の魔物は稀である、呪いの耐性は会得しにくくその属性の攻撃を持った魔物に対抗するのはかなり困難だが俺は完全に呪い無効だし俺からしてみればこいつは


『ただの蜘蛛だろ』


『それお前だから言えるんだぞ?呪い無効とかお前だけだよ』


『だろうね、父さんは下がってて』


そういうと父さんは静かに後ろに下がると馬車を守るようにしている

馬車を引いている馬2頭が酷く怯えて暴れているが必死に馭者が落ち着かせようと頑張っている

後方は俺は気にしないでおこう、馬車の正面に堂々と立ちはだかるこの蜘蛛は一旦どんな攻撃をしてくるのだろうと思いながら肩にかけたハルバートを持ち上げて歩いて近付いていく

するとどうだろうか、この魔物俺と一定の距離を保つために後ろに引いたのだ


(?)


気になって一歩後ろに下がると腐蜘蛛は一歩前に進む、こいつは面倒な奴だなと思い始めた

走ってくる姿は見ていたけどもそんじゅそこらの魔物とはスピードは段違いだったし中途半端な速度で近づいても無駄だろう

となるとこいつのランクAという意味も分かってくる


『お前速いだけだろ』


考えを口にしても魔物なので反応はない、五月蠅い金切り声を叫ぶだけで耳が痛い

コイツの速度は大したもんだと思うけども耐久力がモロそうである、というか脆いとわかる

とりあえずこいつを調べて戦ってみるか


『銀彗星』


別に口にしなくてもこの技は発動出来るようになってはいるけども無意識に癖で口にしてしまいそのまま腐蜘蛛に突っ込んでいった

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新作ですがこの小説を見てる人ならわかる部分が多い内容になってます 勇者ですが指名手配されたので逃亡ライフをはじめます
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