25話 超生命体編 敗者の見た憧れ
ルッカがキャメルの部下に誘導されてポートレアの街を出ようとしたが彼女は兵士達の手によって手厚く護衛されてナラ村に戻った
どこにいても同じならば自分の家に戻りたいと志願したのである
馬車を借りて村に着くと村人が不安そうな顔をしながら遥か遠くの山脈に視線を向けていたのを彼女は見た
ゼリフタル王国最大の山脈であるバウエン山脈地帯、その近くにある森にジャムルフィンは向かった
その大きさはナラ村からでもはっきりと見えるのだが雲行きが怪しく殆ど霧に隠れて見えない状態であるがそれでも人々はずっと山を見ていたのだ
ルッカが帰って来たと知った父親のゼルと母親のマリーは安堵を浮かべながらルッカを迎えると3人で一先ず家に戻ることになったのだがルッカは村の変わった様子にすぐ気づいた、気づかない方が可笑しいのだがゼリフタル兵が村を徘徊していたのだ
あまりにも見慣れない光景に彼女は本当に不味い事態だと確信する
家に帰ったルッカは少し自分の部屋でゆっくりしていると父親のゼルがリビングに来てくれと呼びに来て2人で下に降りるとそこにはジャムルフィンの父親であるレナウスそして母親のマリスがいつもと変わらぬ笑顔でルッカに挨拶をした
『レナウスさん・・・』
『やぁルッカちゃん、試験は残念だったけども聞きたい事があるんだ・・・グスタフ君も真剣な顔で村を飛び出して言ったんだけどもその後に村の警備として来たゼリフタル兵に聞いても上からの指示が無い限り教えれませんとか抜かしてねぇ』
苦笑いしながらマリスと座っているソファーに体を預けるレナウスはジャムルフィンだけが帰ってきていない事と兵士の様子で何となく察した、台所ではルッカの母親であるマリーがみんなの分のジュースを用意するためにコーヒーを作っているのだがリビングの様子が気になるようでチラチラを視線をルッカに向けたりしている
ゼルはレナウス達が座るソファーの横に椅子を置いて腰を下ろすと立ったまま言うかどうか迷っている状態の娘に聞いたのだ
『教えてくれないか?兵士はバウエン山脈付近で問題が発生して警戒態勢としか教えてくれないんだよね』
一応その辺は兵士達は律儀にも上の命令が無い限り事実を使えることは出来ない
だがしかし、確定した情報が無かったという事もありわかっている情報がまだここまで伝わっていなかっただけなのだ
今この村にいる兵士達は何がいるかさえ知らされていない
ルッカはレナウスの座るソファーの正面にある椅子に座り一息ついてレナウスに顔を向けて話したのである
『ランクSクラスの龍が現れたって聞きましたレナウスさん、考えれる戦力がポートレアに集まってバウエン山脈の近くの森に今日の朝に向かいました』
流石にその言葉には台所にいたルッカの母親であるマリーも振り向いてリビングニ歩いてやって来た
予想外な答えにジュースを作る事すら後回しになるくらい驚いたのだろう
レナウスは一瞬ピクリと眉を動かすが溜息を漏らしてから隣にいる妻のマリスを一度見てから再びルッカに顔を向けると彼は笑顔で言い放った
『俺の息子がいるんだ、大丈夫さ・・・いつも俺を驚かせてくれるからな』
そうだ、大丈夫だと内心不安になっていたルッカは勇気づけられた
流石は父親だなぁと関心をしながらも彼女は優しく微笑んで頷く
『Sって本当にいるの?』
台所から歩いて来たマリーが首を傾げて質問をするとそれにはレナウスが答えた
『インダストリアルでグスタフ君とジャフィンがそれを見た経験ありますからねマリーさん、信じがたいですがいるんです・・・それが今この国にいる』
『・・・ポートレアのあの入口ね、あそこから朝出発したとなるとあの森は凄い深いから奥まで行くのは大変だと聞いてますけど』
『鉢合わせるならば夜になる前ですかね、暗くなって動くなんてしませんからきっと今日は森の奥までしか進めない筈、拠点を敷くと思います』
レナウスも元冒険者なのでどう動くかと考えるのは限りなくそれは正解に近かった
身長に動くはずだと予想すればきっと無理はせず森の奥まで行ったらそこで足を止めるとわかっていた
ゼルは複雑な表情を見せながら頬杖をついているが口を開かない
それでも真剣に自身の娘が無事帰ってきたことに安心してホッと胸を撫でおろしたのである
『あの子最後なんか言ってた?ルッカちゃん』
マリスが彼女に話しかけるとその答えは少しの静寂ののちルッカは話した
『もし天銀を本気で使った時は俺が死ぬか龍が死ぬかだって言ってました』
『・・・あれか』
天銀は誰でも知ってるくらい国では珍しく有名な技である
あまりにも強力すぎて使用を本人が躊躇う程と情報が出回っているのだ
どんな強大な力を持った存在にも有効な魔天狼の道では最強に近い技、それを放てば答えが出ると彼女が言う
よし、そういってレナウスが立ち上がると隣に座っていたマリスもゆっくり立ち上がり笑顔で玄関に歩きながらジャムルフィンの父親であるレナウスが口を開いた
『俺の息子は凄いから大丈夫だ、明日からいつでも帰ってきていい様に毎日牛丼にしよう』
変わらぬ家族にゼルもマリーそしてルッカは苦笑いする
(ブレないなぁこの家族)
ルッカは少し肩が軽くなった気がしたが無意識に不安と緊張をしていたのだろう
だけどもジャムルフィンの家族を見るだけでそれも馬鹿らしく感じてしまい一気に体が軽くなった
そうして2人は皆に別れを言って家に戻ったのだが夜になっても理由の分からない不安がずっと彼女を襲っていた
2階の部屋から肘をついて山があるだろう方向に顔を向けても何も見えない
いつの間には小ぶりの雨が降っており更に視界は悪化、遠くの山など見える筈もないのだ
それでも彼女は見続けた
リビングにあった皿からこっそく取って来た父親の干し肉を口に入れてモグモグしながら雨音を聞いてずっと・・・
時間も夜になり何事も起きないと思うと心配し過ぎだと彼女は思い頭を両手でポカポカと軽く叩きながらベットに横になったが窓は開いたままである
『閉めないとね』
寝ている時に雨が入ってきたら不味いと思い再び立ち上がって窓を閉めようと手を伸ばした瞬間
遠くからとてつもなく大きな咆哮が聞こえ、風がルッカの部屋に舞い込んでくた
今迄こんな声は聞いたことが無い、それでも遥か遠くから聞こえる魔物の咆哮だとわかった彼女はバウエン山脈を見つめながら思った事を口に出した
『始まったのね・・・ジャン』
ルッカは彼から貰った指輪を手の中で握りしめながら見えない筈の山脈を見ると微かにピカピカと赤いが点灯しているのが見えたがその光の原因を考えたくはなかった
彼女からはとても想像できないであろう壮絶な戦いが起きている、人々が明日を生きるために全部の力を出し、龍と言われている魔物と戦っている証拠である技や術の光がなんと遠くのナラ村まで見えていたのである
ドタドタと階段を駆け上がる2人の音がルッカの部屋に近付くとノックも無しに強くドアを開けてルッカが見ている窓に顔を向けたが彼らに言葉は無かった
ただここからあのような光が見えること事態可笑しいのである
不規則に発光する山脈からは光った瞬間に煙が上がっている様にも見えるが霧のためにハッキリと見えない事にゼルは小さく舌打ちをしていた
『父さん』
ルッカが泣きそうな顔をして父に声をかけた
不安なんて消える筈がない、きっとシルバーバレットが全員あそこで必死に戦っているから
頭は良いけど抜けているナッツが頑張っている、恋に興味を持ったルルカが生きるために戦っている
グスタフが野望を叶える為に死ぬ気で立ち向かっているから
ジャムルフィンが全てを背負って戦っているから
『お前の婚約者は戻るさ、今きっと龍を殴っているんじゃないかな』
笑みを浮かべて娘に言い放つゼル、ルッカは少し微笑んだ
『殴るのはグスタフの仕事よお父さん』
『ははは!そうだな!』
母親のマリーも釣られて笑う
そうして家族3人でじっと山の方向を見ているとゼルが口を開いた
『多分この光は山からじゃなく森の近くだな、聞いた事しかないが森を抜けると馬鹿でかい荒野というか草地になっているらしいんだがもしかしたら』
きっとそこだろうとゼルが予想を立てた
そうしていると一度光がおさまり終わったのかと泣きそうな顔を浮かべたのだがその瞬間今までで一番の白い光が見えた
天銀ではなく普通の光、何が起きているんだと大きくなる不安を押し込めようとしていると
邪悪な声が聞こえた
その声は遠くからではなく真上から聞こえたのである
『全ての人族に告ぐ!俺をここまで甚振った報いは貴様等の国を滅ぼして許しとする!!!!!そのためにはジャムルフィン…貴様さえ死ねば俺を追ってこれぬ者はいない!殺したら俺は逃げ延びて体を癒し!必ず国を滅ぼす!』
声だけで体が強く震えだす
声だけで恐怖を体に感じ始める
声だけで生きることを諦めたくなる怒りの声を前にルッカはそれでも思った
(大丈夫よ)
ありえない事はもう慣れた
だってジャンだもんと自分に言い聞かせた
龍と言われる魔物は明らかに自分の婚約者に警戒している
それだけで彼女はどうにかしてくれるだろうと根拠のない自信を持ち始める
『何が・・起きてるんだ』
震える両手を見つめながらゼルは口を開いた
マリーでさえ先ほどの声でしゃがんで頭を両手で抱え込んだ俯き始めた
尋常じゃ無さすぎることだらけの連続で本当に国は危機に瀕していると誰もが感じたがそれを守るのが今戦っている
『ジャンが龍をボコボコにしているのよお父さん』
ジャンの為に笑顔でそう答えた
あの人を信じようと彼女はそう誓って口にした
だがそうした期待を持ち始めていても終わりは訪れる、遠くの空が銀色に輝きだしたかと思えば銀色の球体が徐々に大きくなっていくのがここからでも見えておりそれによって不思議と霧も晴れて遠くの光景が銀の光によって照らし出されていた
とても綺麗な景色なのに素直にそう口に言えないだろう
ジャムルフィンが死ぬか龍が死ぬかが今決まる
遠くからでも何が起きているかはルッカには想像は容易にできた、みんな頑張っている
自分じゃなく誰かのために命を燃やして必死に藻掻いて藻掻いて龍を倒そうとしているんだと
『ジャン、私も・・・』
彼女は彼に言ってあげた言葉を思い出し
強大な銀色の輝きを見せる球体が堕ちていく様子を見た
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天銀を放って10分ほどであろうか
真夜中に戦場と化した広大な草原は今となっては荒野と化し、巨大なクレーターを生み出していた
風の音と僅かに振っている雨だけがこの場に音として発生しているが生き物が生きているとは到底思えない光景にゆっくりと歩いて近付く大きな狼がいた
白い毛並みに黒い模様がついている狼とは思えないほどのサイズ
雷帝ゼーブルファーは我が物顔でクレーターに足を踏み入れ斜面を降りていく
周りを見渡すその彼は遠くから懐かしい気配を風の匂いで感じ、ここまでやって来たのだ
『やられる瞬間だけ見れたのは滑稽だな・・・くふふふ』
彼は笑いながらクレーターの中心部分まで来ると犬の様に地面を掘り始めた
数メートルほど深く掘るとなんとそこには虫の息になっている龍王リュシパー・ズールが薄目を開けて埋まっていたのである
まだ生きていると笑うがゼファーは内心驚いていた、耐久力は虫神以上だと彼を称賛したのだがあの天銀を直撃して生きてること事態ゼファーにとって面白いと思えたのである
(ほう・・・あの天銀に耐えるか、全盛期の我ですら即死であろう・・・あのセクトノヴァを僅かに超えておる威力)
そう考えながら見下ろすゼファーに気付かないくらい弱り切っていたリュシパーに話しかけたのだ
『踏み台としてよく頑張ったなリュシパー』
『!?』
リュシパーは声で目をカッと見開いてゼファーを見つめた
するとどうだろうか、リュシパーは再び薄目になって話し始めたのである
『やられる瞬間お前を見て確信した、俺は負けるんだと』
『当たり前だろう?貴様の悪い部分は我が昔から言っている・・・その傲慢さで見るべきものを見ない馬鹿さである、だからお前は負けた』
『今はよせ雷帝・・・いや、獣神か・・・言われなくても自分でわかっている』
『逃げるのか?負けたという事は外からの声も受け取る覚悟を持て、敗者とは罪であり何を言われようと認めるしかない存在だ、自分だけ甘やかして他人を否定し続けた貴様の末路を素直に受け入れよ』
否定できないリュシパーは小さく溜息をついた
その体は綺麗な銀色だというのに自身の血で真っ赤に染められていた
今彼は頭部を半分だけ掘り起こされた状態であり、鼻で呼吸している
リュシパーは少し考えた様子を見せてからゆっくりと座り始めたゼファーを見つめながら話し始める
『俺は心底羨ましかった、数百年も前に貴様や虫神そして同じ黒龍ゾロアに蛇帝フォビラスとヒドラド、弱いくせに十天になったチビ羊やキメラキング・・・粘龍ウパルパールに巨人族アザクタールそして女鴉ローズ・ルーゼット達がな』
『どうしてだ?』
『俺より弱い奴らがいるくせに俺より活き活きとしおって・・・何故俺より弱い奴らが他から相手にされ俺が遠ざけられたかとな』
『貴様は薄っぺらいからだ』
『・・・』
リュシパーは雷帝ゼーブル・ファーの言葉で切なさを見せた
表情は全て捉えきれなくてもその目は悲しさが満ち溢れていたのだがそんな顔をしてもゼファーは言い放った言葉に後悔は決してしない
『リュシパーよ・・・皆が力に恋い焦がれた、志や誇り気高き信念を持っておったが貴様は強さだけしか求めていなかっただろう?面白みがない生き方は表面だけを見ただけで飽きられる・・・戦って何かを知ろうという気にも起きないお前のやり方がそうだ』
『興味を持てる力か、それを先ほど自爆覚悟で切り札を墜としとして来た銀狼が持っていたのだな・・確かにあやつは興味を持てる・・まだ1人では未完成なのに・・・自然と俺はあいつに目を惹かれていた』
『お前は何がしたかった?リュシパー』
『孤独であった、だから強さで認めてもらおうと黙々と俺は力をつけ続けた・・・お前らに認めてもらう為に』
『その努力は良しとして結果はどうだ?』
『認めよう、心に負けたと』
孤独から脱却したかったリュシパーは力という部分だけで強さを誇示しようと数百年力を溜めて来た
Sになれば必ず自らの考えが間違いではないと自分自身でも満足できると思って
だがそれは自分がただ満足感に満たされたいだけでありそれをしたとしても彼を認めるかどうかは別であった
強くなりたい、それだけを表に出し負けた
リュシパーが埋まっている周りの大地から白い光が空に登り始めると彼は徐々に透明になっていった
天に返る時がきたと察したゼファーは口を開く
『転生術はせぬのか?龍種のお得意の神術であろう?』
『俺はそんなことはしない、この1回きりの人生を風化させぬよう・・・宝として天の土産とす』
『・・・それが気高さだ、忘れるな!見事なり龍王リュシパー・ズール、先に行って待っておれ・・・我が行ったら相手をしてやる』
消えゆくリュシパーは一番欲しかったその言葉に最後の最後、瞳に涙を浮かべて笑った
『ふははは、初めて・・・褒められ・・たのが・・・お前でよか・・・・った・・・』
天に登る光の粒子と共に彼は消えた
そのまばゆい光は空に登ると一気に辺り一面に降り注ぎ、荒野と化した大地に緑の恵を戻し始める
小さいまま大きくなったリュシパーは誰からも認めてもらえずに孤独に生き続けたがそんな彼が呪いの様に求めた言葉があったのである
褒められたい、認めてもらいたい
彼はただそれを求めるだけの生き物と化していたが最後の最後にそれが報われた気がした彼は笑いながらこの世を去った
土から草木が生えてきて見渡す限りの大草原とするがそんな広大な場所に草木が生えずに円状に土のままの場所が点々と存在していた
クレーターから離れてその場所を1つずつ見て笑いながらゼファーは小さく呟いた
『くふふふ、運もまた・・・・力よの』
言葉の最後にゼファーはズドンと地面を強く前足で叩いた
軽い地震がその場で発生するとなんと草木の生えない円状の大地から息も絶え絶えになったナッツが顔を出したのだ
『ぶっはぁ!生きてる!お腹すいた!!』
ナッツは自分が生きてることと周りの風景が一変して様変わりしていることに驚きを顔に
一瞬あの世と勘違いしたが直ぐに現実だと感じると自分の埋もっていた場所を見て同じ場所がいつくもあることに気付き、体全てを大地から出して歩き始めた
その時には既に雷帝と言われる存在はおらず、ナッツは折れた右足を庇いながら歩き折れた脇腹に手を当てて自分と同じく生き埋めになっているであろう仲間を助けるために近くの大地を掘り起こそうとした
『生きてるぜーーー!』
掘り起こそうとしていたナッツは横から聞こえる声に顔を向けるとバニアルドがガッツポーズをしながら土の中から勢いよく出て来たのだがその後にコットンとモリスが近くから這い出て来た
『ここは天国?』
『生きてるのね・・私達』
そうしてナッツやバニアルド、コットンにモリスは特定の場所を必死で掘り起こした
マルスもいた、グァゾもいたしスカーレットそしてルルカも救出していくがその後も生き埋めになっている者達はたくさんおり、暗い夜だというのに必死に掘り起こしていった
数時間かけて掘り起こしたが冒険者は総勢21名しか生き残っていなかった
前線の兵士というと300人ほどしかおらず後詰めて森の方にいた拠点は見事に破壊されて悲惨な状況であった
リュシパーのドラゴンカーニヴァルそしてジャムルフィンの天銀で受けたであろう攻撃でその場に生きていたのは3万弱と少なく15万ほどいた者達が一気に消えたと思うと生きている者達がゾッとし始めた
生き残った者達は戦場に全員足を運んだ、勿論驚いたのである
広大な草原へと戻っているが巨大なクレーターは彼らの間の前にちゃんとある
運よく生き残っていたキャメルも奥の方から足を引きずって戦場に顔を出すと口を半開きにしてその場に固まった
ノートン大将軍は右腕が無く、紐で応急処置をして苦痛を浮かべながら辺りを見渡して終わったことがわかると両膝をついて小さく口を開いた
『勝ったのだな・・・生き残ったのだな』
その声を皆が待っていた、兵士達も冒険者達も今ようやく大声を上げて喜びを最大限に出したのだがナッツとルルカは未だに喜べない
周りの歓声とは別にナッツが不安そうな顔を浮かべながらルルカと顔をも合せて口を開いた
『先輩、グスタフさん』
少ししてから生き残った者達で2人の捜索を開始した
そんな中でキャメルは泣きそうな顔でずっと誰かを探していたがよく見ると彼の将軍であるツァクラの姿も見当たらなかった