17話 熊と赤い髪の乙女
今俺はルーカストア王国の王城にある応接室にいるけども10畳ほどの広さの部屋で高そうなレトロチックなテーブルを挟んでスカー・レイアース・ル・ヴァリエント・ルーカストア国王と顔を合わせているんだ
なんだか彼の顔は物凄く気弱なお爺さんの様な雰囲気をあらわにしており萎縮しきっている
勿論彼の背後には護衛がいるけども30人くらい騎士がいるぞ?多すぎないか?
『どうぞ』
ふとメイドの格好をした若い女性が俺の手前にアイスコーヒーを出して来たけどもすんごい手が震えている
どうした!?具合でも悪いのか!?!?
もしかするともしかするかもしれないと勘を働かせているけどもこの前の一件を絶望的に捉えられている様なのだ・・・見るからに護衛の騎士達の顔にも緊張が顔に出ているし超姿勢が言い
アイスコーヒーを置いたメイドは深すぎるお辞儀を俺に見せてからダッシュでこの部屋を出て行くけども
もしかして俺の一言が凄い大事?これがバルトの言う選択を誤るな・・だろうな
みるからに俺の反応を待っているんだけれども仕方ないので俺から話すことにした
『誰しも間違いはあります、今回はまだ国同士の情報が行き届いていない事もあったので仕方ありませんよ国王・・・俺もやり過ぎた事はお詫びいたします』
先にこちらが頭を下げておこうと思いそうしたのだが頭を上げると目の前の人全員の顔がホッと胸を撫でおろしていた
ようやく肩が軽くなった様だな
『本当にすまない銀狼のジャムルフィンよ、今回は私の情報伝達の遅さが招いた事だが例の貴族は公爵という非常に高い階級と言えども数年牢から出さぬようにする』
『ハルバートは大事な武器なんだ、申し訳ないけど頼みます』
『助かる・・・はぁ、寿命が20年縮まった』
彼はおもいっきり椅子の背もたれにもたれ掛かる
額には凄い汗だけども国の今後が決まると思って内心ヤバいほど不安になっていたんだろうな
心配させない為にもここは笑顔大事だろうと俺は微笑んで話す様に心がけようか
『よくゴタゴタに巻き込まれますので大丈夫です、今回の事は忘れましょ?そのかわり薬剤師の高い本が欲しいです』
『へっ?』
俺のお願いに国王も騎士達も目が点になっているけどもそこまで露骨な顔されると恥ずかしい
俺は恥ずかしくなり俯いて小さく話した
『その・・・婚約者が薬剤師なので薬剤師の本は高いっていうからなんか上げたくて』
『おお・・』
なんだか騎士達がそんな声を出しているけど何の反応だ?
国王は納得してくれたらしく国で一番高いと言われる薬剤全書という金貨30枚レベルの超高価な本を頂くのと条件の今回の件は互いに忘れることにしたんだ
あっちの立場からするとかなりの安い代償とだが俺は満足している
感情論で国との関係を悪くしたくはないのしね、バルトの言う事もちゃんと聞かないとな
少しその話を忘れて違う話でもしましょうと俺が提案すると国王は潔く了承してくれてさっきまでのムードは嘘の様に消え失せてこの場にいる国王と騎士達に例の書の入手した時の話をしたんだ
勿論魔族の話はしていないけどインダストリアルにあったという事と絶対に勝てない存在があそこにいる事も伝えた
『俺達は見逃してもらえてこうして生きています』
国王にはそう伝えた
彼も複雑な面持ちを俺に見せているがそれは後ろの騎士達もである
十天が最も強かった時代の第2位の存在でありゼリフタルでトップ3の冒険者チームでも足が震えて戦う気にすらならなった事もだ
すると騎士の1人は軽く会釈をしてから俺に話しかけて来た
『あなたが戦う気すら起きないとかとても・・・その』
『信じられない気持ちはわかるが俺はこの強さ迄これたからこそその地位にいる存在を知れたんだと思う』
『そう言われると納得が出来ます』
『ちゃんと天位職の書は全部ゼリフタル国王から模写させてもらえると思うけど抜けてたら俺に言えば国王に抗議入れとくからこの国のスカルバ大将軍に見合う職がある筈だ』
『その件はあの方もたいそう喜んでおられました、目標が出来たと』
なるほどな、本当に隣国といい関係になりそうだ
このタイミングで奥のドアからまだあのメイドが入って来たのだけども手に持っている本が少し大きい
あれは薬剤師の本である薬剤全書か
律儀に俺に頭を下げると手前のテーブルに置いてそそくさと出て行くがもう緊張しなくていいんだぞ?
『それが例の品じゃ、今日はどこに宿に?』
『いただきます・・・宿はアクアリーアですね』
『君達シルバーバレットが泊まる場合の宿泊費は国で負担しよう、今後ともよろしく頼む銀狼のジャムルフィンよ』
『感謝します、何が困ったことがあればナラ村にはいると思いますので使いを出しても大丈夫です』
『うぬ、覚えておこう』
それから俺は銀彗星で城を出てミューリアに向かった
辿り着くと時刻は20時でありアクアリーアの宿に入るとフロントの近くにある休憩コーナーの椅子にはルッカが寛いで横にある本棚から本をとって読書していたんだ
『あっ早いわね』
パタンと本を閉じて本棚に戻した彼女は俺に近付いてきて抱き着いてきた
おかえりと言われたのでただいまと返すけどなんだか恥ずかしい
本を気にしていたようなのでルッカに説明してから彼女にプレゼントすると口を半開きにして驚いていた
『これからルッカに苦労をかけるからせめてもの償いみたいなもんだ、俺のせいでステータス無駄になるんだ・・・これくらい持ってないと』
『気にし過ぎでしょ、でもありがとう・・・ずっと大事にするわ』
ルッカの両腕は薬剤全書の本を抱きかかえている為に腕無しのハグをしてくるが俺もハルバートを左手に持っているので右手でしかハグできない
まぁいい感じだな・・・よしこのまま俺は部屋でイケる筈だ
そう思っていたらフロントから店員が気まずそうに身を屈めながら近づいてきて小さい声で話しかけて来た
『奥方様も旦那様のために夜食は控えておりましたので今から夜食の準備いたしましょうか?銀狼のジャムルフィン様』
『・・・急ですいません、お願いします』
『ただちに』
そう言うと彼はフロントの中に入り奥のドアに消えていく
『夫婦って言ってないんだけどなぁ』
少し嬉しそうにしてルッカがそう囁くけども悪い気はしない
来年にはそうなるんだ
ルッカと共に泊まる部屋に行って薬剤全書とハルバートを置いて再び下に降りて隣接している軽食店に入ると中には他の客人はいないのだが何故だか依然見たことある宿の支配人や若い作業員が俺達の夜食をするテーブルの前に立って並んでいるのだ
その光景に俺とルッカは固まった
もしやこれは特別扱いかと・・・すると支配人は笑顔で口を開いたのである
『いつもご利用感謝しています銀狼のジャムルフィン様』
俺達は座らずに立ったまま一先ず彼と話をすることになる
『気に入った宿なのでミューリアに来た時は必ず利用させていただいてます、今後ともミューリアで用事がある時はお世話になります』
『ありがとうございます、お仲間様は先に休まれてますので銀狼様方も夜食後ゆっくりしていってください』
『そうします、ですが見られながら食べるのは少し恥ずかしいのでできれば・・・その』
『ふふふ、わかりました』
そう言うと支配人は一礼をして作業員と共に奥に消えていった
『挨拶がしたかったのね、かなり顔広くなってるじゃない』
『らしいな・・・となるとバルトの言う通り俺の行動一つで大事になるからよく考えないとな』
『そうよ?』
ルッカと共に椅子に座りようやく夜食になったんだけどもメニューがエグイ、きっと支配人考えてる
光マグロの刺身に若鳥の唐揚げそして白米か・・・サイドメニューは生ハムサラダにコーンスープ
絶対気を使って品を選んでいる気がするけどグスタフ達も食ったんだろうなこれ
『いただきまーす』
ルッカの声で俺もそう言いいながら食べ始めたけどやっぱ美味しい
料理を楽しんでからは彼女と部屋に行きベットで仲良く寝ることにしたけども今日は涼しくて抱き合って寝れた
ふと俺は深夜に尿意を感じてルッカを起こさぬ様にゆっくり起きて1回フロント隣にあるトイレに向かう為に階段を降りようとしたところで声が聞こえて来た
『無い物をねだっても意味はねぇ、それは俺達も同じだ・・・最初から強ぇ奴なんていない、ジャフィンだってそうだ、あいつはなんであそこ迄強くなったかお前も理解すればいい』
グスタフゥ?何やら真剣な藩士をしている様な声だが気配感知を疎かにしていたな俺
少し感知に集中してみると相手はルルカだなこれ、俺は階段上から地獄耳を使い聞くことにした
悪趣味だとわかっていても気になるんだよ
『グスタフの言う事は理解していても焦ってしまうの、私は今お母さまに認められる強さがあるかどうかもわからない、確かにルーンナイトは厳しい道なのも知ってるし先が見えてきているけどもその先がどうなのか想像もできないから』
『おめぇは母親と同じ様になりたいと思うから駄目なんだ』
何やら本当に大事な話っぽい、話し声だけ聞いてるけどなんだか罪悪感
性格悪いな俺は、でも・・・すまない気になる
『お前はお前になればいい、心配すんな・・・皆見ている』
『私だけなんだかチームで浮いている様にも見えるけども』
『世間様は気にすんな、この前ゼファーとの戦いで無力だったのは皆同じだしジャフィン以外大して動けてなかっただろう・・・俺達はまだ上辺だけの力だけだ、お前も俺達と同じ』
『まぁグスタフがそう言うなら我慢するわ、でも女は安心が欲しいのよ』
『俺達がちゃんと見ている』
『私はあなたに見てほしいわ』
『俺は見てると言っているだろう、胸を張れ・・・俺達は気づかない間に振り返る回数を減らして今の立ち位置をちゃんと見ていねぇ、ゼリフタルの顔とまで言われる冒険者迄なったんだぞ?ならばそれ相応の苦労は生まれるしもうそこまで来ているんだ、今俺達はそこまで認められているんだ・・・』
こういった話はグスタフが美味いと思える
確かに俺も今の状況をちゃんと見れていない行動はとっていた、貴族を殺めたり他国の貴族をボコボコにしたりとそれは自分勝手だと今じゃ思う
その高みに鎮座するならばそれ相応の覚悟と揺るがぬ決意が必要なのだ
そこまで来たんだよな俺達
『あなたの夢を聞かせてグスタフ、私の夢は父の夢を叶えてお母さまを越える事よ』
グスタフの夢か、俺が言うのもあれだけども彼の夢は俺の夢と言えない夢のようなもんじゃない
俺と同じなんだよ・・・グスタフは俺と同じ欲のない男だ
ルッカと共に幸せに暮らせればそれでいい…それが俺の夢、人々が当たり前に叶えれるような普通の事
こいつの夢は喧嘩していた時代からいつも捨て台詞で俺は聞いていたよ
『俺の夢はナラ村で一番強ぇ男になる事さ』
変わらないなグスタフ
俺はリヴィという世界で一番強いだろうと言われている羊を倒す難関があるが
こいつの難関はその俺を倒す事なのだ、しかも武器と言った類での喧嘩じゃなく素手でのおのれの拳の身での戦いをご所望ときた
俺は死ぬまでお前の夢に付き合うつもりだぞグスタフ
『夢としては弱いけど野望としては大きいわね』
ルルカの気が穏やかになった感じがする、少し微笑みが聞こえるしそうだろうな
『寝るぞ・・・』
足音がこちらに近付いてくるとわかり俺はバレると思って忍び足で部屋に戻ろうと後ろに進んだ瞬間にルルカが言ったんだ
『好きよグスタフ』
俺の足が止まるしグスタフの足も止まる
ルッカよりもだいたんな言葉だな!ルッカは俺からのアクションを待ったというのにルルカから行くか!
流石はスカーレットさんの娘だけどもルルカのお父さんがスカーレットさんに恋をしてお父さんから動いたって昔聞いた気がする
『世界一になろうとする男に挑む男をか?』
『村で一番になろうとしている男をよ』
そこは難しい言葉のキャッチボールだな
哲学か?俺には理解できん
どうなるか気になる…気になり過ぎると思っていると気づいたら俺の隣に気配が
横を振り向くとルッカが眩い瞳で聞き耳を立てていたけどもお前も聞こえるのかぁ
てか起きたのかぁ?
『私もトイレしたくて・・その・・・』
『俺もだよ、行きにくいんだよ』
どっちもどっちか
小声でルッカと話しているとフロント近くの声にも進展があり俺達は手を握っていく末を願った
『返事はできねぇ、俺はまだ何も叶ってすらいねぇ』
『それに向かうあなたが好きよ』
ルッカが興奮し始めた、駄目だ落ち着いてほしい
彼女の背中をさするけどおさまんない・・・気配でバレるかも
『女ってぇわかんねぇ生き物だな、ルッカもそうだけどよぉ・・・』
『私を戻した責任くらいとってほしいわ』
『ケッ!勝手に傍にいればいいさ』
『素直じゃない大きな子熊ね』
凄い子というなルルカ
肝っ玉がというよりかはちゃんと的を得ている言葉だ
たまにこいつは慣れない事ははぐらかす傾向は時たまあるんだよ
恥ずかしいよこうだよなお前
『戻るぞルッカ』
『でも・・・漏れちゃう』
彼女の顔が赤い
これは限界そうだしこの場でアブノーマルなんて俺は責任を取らないといけなくなる!
賭けにでるしかないようだ!
俺はルッカの手を握って後ろに下がるとわざとらしく俺達のドアを開けてしめた
ちゃんと音を立ててだ、下にも聞こえるだろうけども作戦である
そのまま堂々とルッカの手を握ったまま階段を降りるとやはり休憩フロアでグスタフとルルカが立って話をしていた最中でしたと言う光景と出会うがこれでいい
『起きていたのかグスタフにルルカ』
ルッカはワザとらしく眠たそうな顔をしているけども空気を読んだいるのだろう
俺達の様子を見てルルカは微笑みながら答えてくれたんだ
『グスタフを口説いていたのよ』
俺とルッカは笑顔で固まった
そんな馬鹿な、俺の作戦が・・・どうすればいいんだ
助けを求めようと必死でグスタフに顔を向けるが彼は半口で狼狽え始めて俺に話しかけたんだ
『俺に助けを求めるなてめぇっ』
焦っているけども俺達もだよ
そのままルッカとすり足しながらトイレに近付く
『頑張ってルルカちゃん、そいつ自分からいけないから女から行くのよ?』
そこでいらぬフォローを言ってしまいルルカが満面の笑みで答えてしまう
『そうしますルッカお姉さま』
その言葉を聞いて俺とルッカは格トイレに入ったが終わった後に出るのが緊張する
だがその不安も意味が無くてトイレを出ると2人共いなくなっていたんだ
ほんの少し待つとルッカがトイレから出てきたので俺と同様に休憩コーナーを見て驚いた彼女と共に部屋に戻って寝直すことにした
再び2人で仲良く抱き合って寝ようとしてもルッカは気になって上手く寝れない様子だ
『流石あの人の娘ね、狙った獲物は追いかけるのはわかる気がするわ』
なんだかゼファーを追いかけるスカーレットさんを想像してしまう
多分その事をいってるんだろうがそうなのだろう
そこも受け継いでたとはな
『グフカスは焦るとはぐらかすからな』
『乙女に返事は重要なのに大事な返事を遠回しにいっても嬉しさ半減よ』
『色々難しいな』
『女は真っ直ぐな言葉に信用を抱くのよ』
『俺はルッカが好きだぞ』
『今それ駄目』
顔が少し赤くなるがまだ眠くないようだな
だがしかし俺達は寝ないといけないんだ
その後寝付けたのは1時間後であったので起きたときに無駄な眠たさはさほど感じなかった
『おはよう、凄い夢を見た気がする』
『奇遇ね…私もとんでもない夢を見たわ』
二人で冗談を軽く言い合い朝食の時間である9時に1階に降りてから軽食屋に入ると全員揃っていて俺達が最後だったらしい
『おはようございます先輩』
『おはようナッツ』
『おはようナッツ君』
彼に微笑みながら視線をグスタフに移すけど凄い眠そうな顔をしている
そしてルルカはいつも通り大人びた様子で微笑みかけてくるけどもさほど深夜の事は気にしてないのだろうか
一先ず全員で朝食という事にして宿に隣接している軽食店に向かいテーブルについたのだけれどもメニューはクロワッサンに厚切りベーコンとスクランブルエッグそしてポテトサラダにお米だった
飲み物は牛乳とそこそこ食べやすくで安心である
食べ始めるとまずナッツが口を開いた
『帰ったら武人祭ですが先輩はいつも通りベリト将校の推薦枠ですよね』
『やっぱあの人が将校なってるのは把握済みかナッツ』
『帝国の帰りに寄りましたからね、一応グスタフさんと僕の一般推薦枠も用意してくれるらしいので安心ですけども今年は少し手厳しいでしょうね』
そう言いながら彼は苦笑いをして牛乳を一飲みしたんだ
まぁ今年の武人祭は去年と違って質が高いのはわかるから俺も油断できない
ルルカはルッカと観客席で応援すると言うので今回は不参加、グスタフはというと武人祭の話をすると生き生きし始める
『今年はおめぇとも戦えそうだが今回強敵がやべぇよな』
『そうだぞグスタフ、バニアルドも絶対お前と再戦に熱こもってるしカールなんて天位職だが他にも色々いるだろう、俺達は情報を調達して今わかる参加者の強さを知らないといけない』
『ケッ、本番で相手の力を知って戦うのもわりにあわねぇ』
お前はなんなんだよ!こだわりがあるらしいからそこは彼のしたい様にさせよう
『グスタフがそれでいいならかまわないさ、だが参加者は必ず俺達の情報を死に物狂いで探る・・・ナッツもお前も俺もだ、皆上に勝ちあがるために手の内は調べるだろうけども気をつけろよ?』
『もうそこまで来たんだもんねぇ、ルルカちゃんは来年頑張らないとね』
『はいルッカお姉さま』
気にはしてない様だな
『まぁ帰ったら特訓しないとな、グスタフ体術だろ』
『だな!付き合ってもらうぜ?』
『わかってるさ』
グスタフと軽く話してから再び朝食をモグモグと食べ始めるけども俺はグスタフとルルカのその後が気になる
それはルッカも同じらしくチラチラと2人を見ているけども露骨だ、そして少しニヤニヤしている
こういった話の展開は好きなんだよな
何回も言うようだけどもルッカはヒーローショーでみる恋愛が大好物なんだ
身内で巻き起こるとなると冷静ではいられないんだよ
皆で朝食を食べ終わるとナラ村に帰るために馬車に乗ってナラ村に向かう事にした
ゼリフタル領土につくまでは対した事も起きず数日かけて平和に俺達の国へと辿り着いたのである
ナッツとルルカは一晩ナラ村に泊まってから次の日にはポートレアに戻りそれぞれやる事をするだろう
俺とグスタフは帰ってから早速夜な夜な体術でスキルレベル向上を狙ってルッカの横にある広場にて楽しく殴り合う日々が始まったのだ
その日々を適度にこなしているととある日にベリト将校がナッツを連れてなんとナラ村に5千の兵士を束ねて俺の家に現れたのだ
5千の兵士たちはおれの家の前で待機していており家の中には俺とグスタフにナッツそしてベリト将校に俺の父さんと母さん
話は単純に武人祭についてであり彼は頭を下げて単刀直入に話してくれたんだ
『今回も同じだ・・・銀狼のジャムルフィンを推薦枠で招待し、ナッツとグスタフには一般枠の席を私が用意するという話をしに来た』
その言葉に全員の返事は決まっていた
グスタフは獰猛な笑みを浮かべて答える
『助かるぜ』
ナッツは参加するらしいので返事する事もなく視線を俺に移すとベリト将校も同じく顔を俺に向けた
今回も訪れた2回目の参加になる武人祭、きっと去年より面白い展開になると信じている
『俺も出ますベリト将校』
11章 鉄仮面少女は獣に安らぎを求めて言葉を待つ 完
次回12章
武人祭 過去に呪われた天罰者の鎖を解き放て
ルッカ『武人祭後はディロア編でガウガロ並みに長いわよ?』
ケイン『タツタカさんはどうなるの?』
ルルカ『秘密よぉケイン』