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【完結済】槍の新兵は夢を見ない  作者: 牛乳太子
第6章 5000年の想いと国を賭けた聖戦
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65話 銀狼・黒い仮面の悪魔VS魔滝

ルッカ『寝ようとしたところにギルド職員から緊急依頼が来たので向かうことにしたジャンは偶然にも5大天位職のヘルトを持つタツタカとバッタリ会うわ!』


ルルカ『私達に内緒で二人は弱い者いじめをしに向かうのだ』


ジャムルヒィン『レディー?』

タツタカ『っファイ!』


魔物『あぁぁぁぁぁぁ!』

俺とタツタカの足取りは意外なほど軽快だ

臆する事なく歩いていく


『ではキングはどうします?』


タツタカがふと言ってきたので少し考えたのだが俺はすぐに決めた


『俺が周りのトロールをやるからタツタカはキングを仕留めてくれ』


俺は槍を肩に担ぐと彼は静かに頷いた

森の中は暗いのでタツタカの術であたりを照らしてもらっている

彼の左手から炎が灯されて全体的に明るい

暗いと言っても俺はこの職になってから夜でもそれなりに目が利く様になっている


『俺の気配ではまだ感じないが』


横を向いて彼に問いかけると俺を見た後斜め上を向いて何かを感じ始めた

多分あいつの中にいる者に気配を感じてもらっているのだろうか

タツタカはふと俺達を正面にして斜め右方向を指さして口を開く


『あっちにいるらしいです』


『助かる』


そうして進む事数分して俺にも気配はわかるくらいにまでなる

こちらにゆっくり近づいているがあっちは気づいていない様子である

という事は街の方に近付いているのだろう


転移した町はミューリアより小さかったため対応はそうそう出来そうにない

ましてやランクAのキングトロールだ

もう少し遅ければ避難勧告とか出されていた可能性もある


冒険者ランクAだけが許された領域だ


そろそろ目視で見える距離に着く

俺は槍を構えるとニコニコ笑いながら彼に視線を送る

タツタカはそれを見て口元を抑えて笑っていた


『どうする気です?』


そんな事を彼が言うので俺は答えた


『大丈夫だ、ちゃんと残しておく』


俺はその後銀彗星を使い一気に森の奥に加速した

50mくらい進んだあたりにトロールの群れに出会った

キングはまだ見えないが奥の方にそれらしい気配を感じる


『ゴッ!?』


先頭のトロールがいきなり現れた俺にそんな反応を見せるが遅すぎる

棍棒を持っている者や剣を持つ者など様々だが俺はそのまま先頭のトロールに向かって槍を突いて叫んだ


『シルバーバスター!』


突いた先はトロールの顔面

彼の頭部は俺の技の爆発によって弾け飛び流石の生命力でも無理である

後方にゆっくり倒れる頭部が吹き飛んだトロール

周りのトロールも爆風で顔を隠して隙を見せていた、十分に攻撃できる時間だ


『おら!』


直ぐ右隣のトロールの頭部を高速で槍を突きめった刺しにすると痙攣しながら前のめりに倒れる

ふと違和感を感じて左を向くと剣を振り上げようとするトロールが見えた

俺は口元に笑みを浮かべ彼に言う


『無駄だ』


銀閃眼の散弾を放ちトロールが剣を振り上げた瞬間に一気に首から上が吹き飛んでいく

他のトロールが叫び始めたと思った瞬間、俺の後方から赤黒い熱線が飛んできて1体のトロールの胸部を貫いた

タツタカの術だろうが凄い熱量の術だ、ヘルファイアだな

命中したトロールは激しく燃えながら暴れまわり持っていた棍棒を振り回す

敵味方構わずといった様子で他のトロールにも振り回した棍棒が当たっていた


『流石の威力だなあいつも、炎でよく見えるよ』


そう言いながら銀閃眼で通常弾を放ち燃え盛るトロールの頭部を撃ち抜くと大人しくなって息絶えた

どんな生物でも頭をやればどうという事は無い

そのまま通常弾で3体の頭部を貫いて俺は倒して行く


報告では通常トロールは7体の筈だが奥から4体現れた

まだいた様だ、小走りに近付いてきている


『タツタカ!俺はこいつらをやる!気にせず親玉をやれ!!』


そう言うと森に反響して彼の声が聞こえた


『はーい!』


どこにいんだよ?まぁいい

目の前に現れたトロールに槍を肩にかけて微笑む


『ゴル!』


棍棒を握りしめたトロールが10m近くまで近づいてきた

そのまま俺は銀閃眼・通常弾を放って先頭のトロールの頭部を撃ち抜き倒す

撃ち抜かれたトロールは前のめりにドスンと地面を揺らして倒れた

通常のトロールなら通常弾でも貫通するんだな


それにしても首の負担は凄いなこれ、まだいけるけど過剰に使わないでおくか

残り3体の中心のトロールに向けて銀彗星で加速してすれ違いざまに銀の爪を発動して首を吹き飛ばす

これは素手でも使用できる技みたいだと最近知ったが素手で使う事もそうそうないだろう


倒れるトロールに目もくれず残り2体が振り向いた瞬間に狼撃破を2発槍で突いて発動させると2体に命中して後ろに仰け反った、それが目的である

1体に近付くと俺は槍で連続でついて風穴を多数開ける

残り1体に振り向いた瞬間真横から新たなトロールが2体近付いてくるのが横目で見えた


『どんだけいるんだよ!』


『ゴァァァァ!』


少し余所見をした瞬間に棍棒が振り落とされるが上手く懐に入り込んで真下からトロールの首を見て散弾を撃った


多少血がついたが気にせず俺は増援っぽいトロール2体に意識を向ける

チラッと今まで倒したトロールを見たのだがちゃんと息絶えている様だ


『む!』


トロールが棍棒をぶん投げてきた

弾くと隙が出来そうなのでそのまま姿勢を低くして2体に突っ込んだ

銀彗星無しでも俺の速度には対応できない様だ

目が合ったトロールが非常に驚いていた


『銀の爪!』


やり投げの様な持ち方に変えてトロールの頭部に技を叩き込んだ

血が噴水の様に吹き上がると俺はトロールを蹴って後方に飛ぶ

すぐ横にいたトロールの棍棒が横から振り落とされていたからだ


『ゴ・・ゴ・・』


頭から血を流してピクピクしているがそのうち死ぬ

最後のトロールはこちらに走ってくる間に無表情で通常弾を放って絶命させると俺の方は片付いた

奥の方には大きい気しか感じない、金属音がその位置から微かに聞こえるがタツタカが応戦しているだろう


数えてなかったがトロール13体か?

背伸びをして彼のもとに近付こうとしたらふと気配を感じた

まだいるのかと思いつつも再び槍を構えた

キングトロールの更に奥か、俺はそのまま銀彗星でキングトロールのもとに加速した


50m先にキングトロールと対峙するタツタカが見えた

互いに剣を持って睨み合っているがタツタカが本気出せばキングでも瞬殺だろう

あえて鍛錬用の魔物として剣で戦っていた

彼も俺を確認すると口を開いた


『ジャムルフィンさん!』


『奥は俺がやる、のんびり戦っていい!終わったらこっちを手伝えばいいさ!』


それを伝えるとそのまま森の奥に向かった

俺の気配感知は職の恩恵もありだいたい200m先まで感知できる

タツタカとキングの奥・・向かうにつれて偉い数の気配を感じたのだ


『この数、まさか!?』


嫌な予感がしたが一先ず目視しないとわからない

だが魔滝と思わせる気配の多さだ

約100m先につくと俺は苦笑いしてしまう


森が動くとはこの事だ、ルーカストアの南は森が多い

殆ど森と言ってもいいかもしれない

その森の奥から肉眼で100を超える魔物の群れを確認したのだ


『奥にもまだいるか』


俺の愛槍紫林檎を握りしめると目を細めて奥を見る

ゴブリンやタイラーグリズリーの気も多い

感じた事のない気もあるようだがどんな魔物だろうか


ガサガサと音を出しながら魔物の声が多く聞こえてきた

距離は20m、この職は本当にいいな・・・夜でも目が利く

狼は夜行性だったっけ?そんな事を無駄に考えつつも俺は気付かれないうちに狼撃破を放つ


1体の大きさを1m程にいて30匹奥に放つと魔物の呻き声が聞こえる

当たってくれたらしい


『しゃあない色々使うか、森がうんぬん考えてられん』


シルバーダンスを放つことにした、継続時間をのばすためにサイズを2mになるよう調整して10秒くらい動き回れるように狼気を込めて放った


狼の形をした俺の技が走りながら奥に消えていく

魔物の悲鳴が凄い聞こえるがいい具合に暴れてくれている様だ。それでも気配はまだある

やがて人が目視できるくらいの距離に近付いてきた


目の前には至るところに魔物、魔物、魔物

槍を軽く回して再度構えると俺は口を開いた


『面白い、森林破壊になるが使うか』


槍に狼気を込めて俺は槍を思いっきり突いた

銀超乱である、触れれば爆発する狼を40体出現させて周りに分散させると辺り一面爆発が巻き起こる

そのまま俺は奥に走り出して生き残った魔物を槍で突き殺していく

ランクの低い魔物ばかりであり俺のスピードにはついてこれない


手当たり次第にゴブリンやグランドパンサーそしてオークといった魔物の体を突き刺していく

俺を抜けて行った魔物は銀閃眼・通常弾で背中を撃ち抜いて絶命させる

一度後ろに戻って様子を見ると奥からワラワラ出て来た


流石に面倒になり俺は森に向かって口を開いた


『・・・すまんな森さん』


手を上に掲げて狼気を込めた

俺の中の最終兵器を出す、先頭の魔物たちのちょい奥側20m上空に銀色の球体を集めた

素早く構成した銀の球体は直径約20m、俺は前方の魔物に微笑みかけると彼らに叫んだ



『天銀!!』


掲げた手を勢いよく振り下ろすと銀色の球体は真下に堕ちた

俺は爆発する瞬間に大きく後ろに下がると前方から凄まじい轟音と共に大爆発が起こり爆風で飛ばされそうになる

飛んでくる石が怖くて木に隠れた、甲高い音と共に石が飛んでいく

当たったら大怪我するだろうな

木の後ろに隠れつつも姿勢を低くして堪える、辺りは砂煙であまり見えないがそれは直ぐにおさまる


木々が薙ぎ倒されており天銀が落ちた地面は深くまで穴を開けた

なんとも恐ろしい技だ、効果範囲が広すぎる・・・まるで隕石が落ちたかのような光景が広がっていた


魔物の気配は殆ど無い、満遍なく倒した様だ

生きている気配はここらで運よく耐えた魔物だろう


それを俺は1体ずつ槍でとどめを刺していく

動けずに苦しんでいるだけだったのだ

魔物の数は100ではなく200相当の数がいたのだが固まってくれていたおかげで天銀で一気に壊滅したようだった


『小規模な魔滝かよこれ!』


数的に小規模だ、以前ナラ村に来た魔滝は隣街から流れてきた魔物の為小規模扱いであった

今回もそれとだいたい同じ数、確定だろう

中規模だと500くらい、大規模だと千をゆうに超えるが大規模な魔滝は10年起きていない

大昔には魔物の大津波と言って4000相当の数の大群が押し寄せる記録があったとか噂で聞いたこともあるが


そうして魔物にトドメを刺していくと見慣れない魔物が死にかけていた


『キキキキ』


俺は頭を傾げた


『ガイアマンティスの特殊個体か・・・黒い色が混じっているな』


ランクB+の魔物だった、変った気はこいつだったか


『それ!』


『ギッ!』


頭部を槍で刺して楽にすると俺は腰を回して運動した

よしよし終わったらしい、狼気も半分以上残っている

俺は歩いてタツタカの所に向かう


なんだかやり切ったという実感があり満足していた


『ん?』


キングロトールの気が消えていることに気付いた

もうタツタカが仕留めたのだろうか

そう思いつつ近付くとキングロトールが大量の風穴を開けて倒れていた


キングロトールに近付いて槍でつついてみても反応はしない

死んでいる様だが肝心のタツタかはどこだろうと思い周りを見渡すと木後ろからタツタカがひょこっと顔を出して口を開いた


『使うなら言ってください!凶悪な石がめっちゃ飛んできましたよ!?!?』


『あはは・・・すまん』


苦笑いしながら彼に謝る

ようやく出て来たタツタカの話ではトドメを刺そうとした時に見た事のある凶悪な銀色の球体が見えて急いで隠れたらしい、そして轟音と共にすさまじい数の石が飛んできてキングトロールがヒットボックスのデカさからかモロに命中して倒れていったんだと


頭を掻いて俺は彼に口を開いた


『テレポートで片付いたと伝えてくれ、小規模な魔滝だったと』


そうすると彼は深く溜息をついて答えた


『わかりました、いってきます』


一瞬でタツタカが目の前から消えた

まぁこっちも多勢に無勢というやつだったんだ、許してくれ


念のために周りを警戒しながら彼を待つと数人の兵士を連れて戻ってきた


『おかえり』


『はい!もうここは任せて戻りますか』


タツタカがそういうので帰ろうと決めた

兵士達に奥にもいることを伝えて俺はタツタカと共に近くの街のギルドに向かうことにした










タツタカ『その技使うとき許可求む』


ジャムルヒィン『めんご』


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新作ですがこの小説を見てる人ならわかる部分が多い内容になってます 勇者ですが指名手配されたので逃亡ライフをはじめます
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