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【完結済】槍の新兵は夢を見ない  作者: 牛乳太子
第6章 5000年の想いと国を賭けた聖戦
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54話 ティクティカ遺跡 ナッツ成長期

魔物ランク表

S→ ????

A+→雷帝ゼファー

A →熊帝・イビルワイバーン・王蛇・キングトロール・デュラハン

   デスファング

B+→阿修羅猪・閻魔蠍・特殊ガイアマンティス

   エンシャントコング

B →ゴブリンキング・トロール・ガイアマンティス

C →グランドパンサー・オーク・パワーグリズリー

   ダークホーン

D →ハイゴブリン・タイラーグリズリー・

E →デビルパンサー・赤猪・黒豚・人食い鳥・ゴブリン


※文章で修正忘れがあるかもしれませんが実際これが本当の表です


『このまま真っすぐ進もう、40m先に魔物が2匹だ』


シュウザーの言葉に先頭のグスタフとナッツが少し身構えながら歩く

中衛はルルカで俺はシュウザーと歩いていた、普通に歩けば変哲の無い森だ、

だがここの魔物だけは他と違って凶暴だとシャオも言ったな



『このペースならば約5時間はかかるが無事に着くだろう』


シュウザーは目指す方向を指さすと俺達はその先を見るが森しか見えない

空には魔物の森とは思えないくらい鳥が飛んでいる

ルルカは並んで飛ぶ鳥を見上げていた


『頑張るのだ!』


シュウザーの言葉にルルカもやる気を出すと前方に魔物が現れた様だ

生い茂る草地からガサガサと音がするとそこからタイラーグリズリーが1体現れた


『しゃらくせぇ』


誰よりも考えるより体が先に出る男が嬉しそうに言い放った


『はい』


彼らは魔物が動き出す前に即走る

タイラーグリズリーが爪を振りかぶる時には既にグスタフとナッツは首を斬って戦闘を終わらせる

ルルカがその亡骸2体をファイアバレットで燃やす


今はランクが低い魔物しか出て来ていないが進めばより強いのが出てくるだろう

シュウザーも周りをキョロキョロと見て口を開く


『行こうか』


グスタフとナッツは剣を収めて歩き出す

次に現れたのはグランドパンサーという懐かしいランクCの魔物であったが4体と言う集団で襲ってきた

グスタフが2体を即斬り倒した

ナッツが飛び掛かるグランドパンサーの下をくぐりながら腹部を斬り裂き倒す

ルルカは遠くからファイアバレットを撃つが避けられた


襲い来るグランドパンサーの爪を剣で弾いて横に斬りつけて終わらせた

接近戦もできるのは強みである


『Cは丁度良い相手なのだ、でもBになるといきなり変わるのだー』


『そうですねルルカさん・・・そこからは上位職の世界ですからね』


『へっ!そんときゃ3人でまた死ぬ気でかかるか』


3人はそう言うとシュウザーが口を開いた


『それが良い、中位には天井があるが上位からは無い・・・一先ず急いで上位職になればお前らの経験も活かす事ができよう』


シュウザーの言葉にグスタフもやる気を出した様に笑いながら首を回す

俺達は魔物を倒しながら指示に従って進む

途中ガイアマンティスが現れたがそれはグスタフがディザスターハンドで殴り飛ばしてから即首に大剣を突き刺して終わらせた、そう出来たのも事前にナッツとルルカが先頭で隙を作ったお陰である


グスタフ自身もディザスターハンドを放つには数秒の溜めがかかるらしい

あれを瞬時に放てるようになれば便利になると彼も言う


どのくらい時間が経過したか忘れるくらい歩く俺達

途中シュウザーが話しかけてきた


『本当にお前らは面白い人族だな』


『そうか?』


『ここまで首を突っ込む奴らは初めてだ』


鼻を鳴らしてシュウザーが言う

まぁケインのいる国だしな、ほってけないもんだ

前を見ると先頭の3人がトロールと出くわしたらしく動きが少し遅い魔物を3人で囲んで切り刻んでいる

それでも倒れないトロールの精神力は凄い


『あやつらも今は未熟だがそのうち開花するだろう、今は無理な事は我慢させよ』


シュウザーもグスタフ達の力量を理解している様だ

上位職迄は落ち着いた戦闘をさせたほうが良いと彼が言う


『それにしても第3の道でこれほどの強さだとはな、魔天狼とは想像以上の存在か』


彼は俺を見ながらそういう

確かにシュウザーという元十天7位を倒せるくらいの職の力だ

しかも全部出しきれてない状態でだ


シルバが俺の体に入っていた時『お前程度瞬殺できる』と言われたらしい

この武銀帝狼眼ブギンテイローガンを十天7位相手にそんな事がシルバができる

お前など敵じゃないと言われた衝撃はシュウザーも大きいだろう


『他に十天を知らないかシュウザー』


『悪いがわからぬ、俺は獣王になってから森で出会った人族に勝って十天になった・・・殺してはいないがそいつしかわからぬ』


『それは誰だ?』


俺は気になってシュウザーに聞くと辺りを警戒しながら彼は答えた


『ベルテット帝国の大将軍ジーク・マーヴェラー・セブンスだ』


『ジーク・・・マーヴェラー』


『奴が負けを認めて俺は十天の7位になり、8位になったが今奴は9位だろうな』


人族で十天が他にもいたか、話によると賊だと思ってシュウザーがコテンパンにしたら降参したらしい

一応それなりには手ごわかったらしいが長期戦にしてみると息切れを起こして決着がついたと言う


『偵察に来ていたらしいが企みに興味が無かったので早々に帰らせた』


『そうか』


深く追求しないで帰らせたんだな、まぁそれはいいか

十天の第9位がベルテット帝国の大将軍ジーク・マーヴェラー・ナインスだという情報は大きい

戦う事はないだろうが覚えておこう


『しゃぁぁぁぁ!!』


グスタフの声に俺とシュウザーは前を向く

するとトロールが頭部を大剣で叩き割られて前のめりに倒れていく姿が見える

倒した様だ


『ふぅ・・・少し休憩しましょう先輩』


ナッツが言うとルルカはその場に座り込む

ここは丁度いい感じに休憩できそうなので俺たちは休憩することにした


焚き木を集めてルルカが火を灯すと皆でそれを囲む

シュウザーは寒く無いらしいので警戒だけしてもらうことにした


『シュウザーさん、勘であとどのくらいで到着しますか?』


『もうすぐそばだ、休憩後一気に行くぞ』


ナッツの質問に即座に答えると倒れた大木を背もたれにグスタフもやる気を出していた


『デュラハンか、見学だがどんな野郎か楽しみだぜ』


不敵な笑みを浮かべる彼だが実際そんな彼もAという魔物の存在の強さを知りたいのだろう、見るだけでも彼は色々分析する男だ

俺もグスタフの為にデュラハンの動きを見せてあげたいがそう言った動きをしていると俺がやられそうで不安だ


『グスタフ突っ込んだら駄目なのだぞ?』


ルルカに警告されてるが流石にグスタフはそんなことしない

変に信用されない彼に少し同情してしまう

みんなシャオから貰った干し肉を食べ始めるが意外と燻製された肉で美味い


『私のも食べるかグスタフ?あーんしてやるぞ?』


ルルカがグスタフの口元に干し肉を近づけるが少々顔を赤くするグスタフは顔を少し逸らす


『いいからお前が食えっ』


『顔が赤いのだ!』


2人は何をしてるのだろうか

見てるこっちはいいのだがナッツが細い目でそのやり取りを見てにやけている


シュウザーがふと遠くを見て唐突に口から空気弾を撃つと遠くで魔物の鳴き声がギャウっと聞こえた


『グランドパンサーだ・・・残り2匹いたが逃げた』


『有難いのだ!シュウザー!』


『休憩中ならまぁ手を貸してやる』


それだけでも助かる、俺たちは十分に休憩を終えるとナッツが足で火を消して砂を被せる

シュウザーの指示で歩くと途中オークやパワーグリズリーといった魔物が出てくるが先頭の3人が倒して行った

問題も無く順調だ、次に現れたゴブリンキングはナッツが対応した

ゴブリンキング相手ならナッツは戦いやすいだろう


振り下ろされた剣を上手く斜めに弾いてから回転して蹴る

腹部を蹴られて後ろに数歩歩くゴブリンキングに彼は足を踏み込んで攻撃しようと力を入れた時に変化があった


『神速一閃』


踏み込んだ足場を少し抉りつつゴブリンキングに銀彗星に似た加速を見せるとナッツは右手に持った剣をゴブリンキングの首に突き刺した、この場で新しい技を覚えたかナッツ


ゴブリンキングは首を抑えながら膝をつき、前のめりに倒れていく

それを最後までナッツは剣を構えながら見守っていたが息絶えたとわかると一息ついてこちらを向く


『やっと覚えれました』


剣についた血を振り落すと腰に剣を収めてこちらに戻ってくる


『いいじゃねぇかナッツ、技は大事だぜ?』


ナッツに近付いて彼の背中を軽く叩くグスタフ

どうやらナッツも覚えれて嬉しいらしく少しニヤけていた


『ようやく僕も先が見えました』


嬉しそうな顔でナッツが戻ってくる

まぁ本当に剣術版銀彗星だな


『ファルカさんに技を意識した動きで戦えと言われてましたし、覚えれてよかったです』


胸を撫でおろすナッツ

俺は仲間の成長にも自分の事の様に嬉しく感じてしまう



鳥人族最強の戦士ファルカか、なるほど・・・彼に多少教わっていたんだな

良い兆しが見えてきたころで俺たちは進んだ


そしてついたのだ、まるで古代遺跡の様な神殿、石材で作られた建物だ

大きい・・・まるで城のようだ

だがシュウザーの様子が少し可笑しかった、何かを探すような雰囲気であたりを見回して首を傾げている


『シュウザーどうしたのだ?』


ルルカが彼の近くに行ってふくらはぎの毛を引っ張って話しかけた

痛くはないのだろうか?


『可笑しい、奴がいないぞ?』


シュウザーの焦り方にグスタフも念のために周りを見だす

奴がいない?あっ!そういえば


『シュウザー、もしかしてデュラハンか』


俺が彼に質問をすると即答した


『そうだ、神殿の外にいた筈だが・・・まるで守るような感じでこの辺りをうろついていたんだが何も感じない』


俺達もその言葉を聞いて警戒しつつ周りを見る

シュウザー自身も魔物の反応は無いらしい

取り合えず彼にこの後の事を聞いてみよう


『シュウザー、このまま進むか?』


彼は俺たちの顔を見回してから神殿を見つけて考え込んでいた

そして神殿の周りを見て頷いた


『そうしよう、神殿内には魔物はいないからまっすぐ進むだけでいい』


『魔物がいないんですか?』


ナッツがシュウザーの顔を覗き込んで驚いている

でも内心嬉しいんだと思う


『ああ、神殿内には魔物が近づきたがらないんだ』


絶対的な強者の気配を感じてるのだろうか?

動物的本能が無意識に距離を取ろうとしてるとか?

なんにせよ魔物が近づきたがらないと言うのは俺たちにとって好都合である、無駄な戦闘を避ける事ができるのだ


『行こうぜ?』


グスタフが大剣を肩に乗せて俺の胸を軽く小突く

ルルカも彼の隣に並んで神殿の入り口を目指す

正面には13段ほどの階段、両脇にある石柱を越えて大きな扉を抜ける


『神殿内は安全だが一応警戒はしろ、少し重たい空気になる』


獣王時代にお忍びで探検に来ていたと告白する彼だがデュラハンにバレない様に忍んで神殿内の奥までは行った事が無いらしい

1人で奥までいく勇気がなかったというのだ

彼ほどの傑物が入りたがらないんなら普通の魔物は入りたくないだろう


『覚悟決めますかー』


ナッツが少々嫌そうな顔で口にする

何故かわからないがルルカがグスタフの服を掴んで共に歩いている

怖いのだろうか?

俺は無駄に突っ込まずそのままにしておくことにした


シュウザーが歩き出すと俺達も彼に合わせて向かう事にした

俺達もついにここまで来たのだ、息を飲んでしまう

本当にいるのかわからないがいるとシルバは断言した


ここにゼファーがいたら尻尾振って走って神殿内に入るだろうか

そんな余計な事を考えて俺は緊張をほぐしている

ここからでも肌がチリチリするんだ

俺が感じるならグスタフも感じるだろう


グスタフは服を掴まれてると気づくと口をへの字にして見なかったことにしていた、少し面白い

ルルカの事になると少しこいつは甘くなるんだ

最近そう思ってきた


『先輩いきますよー?』


『あ、すまん』


どうやら俺は出遅れたらしい、前を歩く彼らに俺は走って近づいていく

シルバの眠ると言われたティクティカ遺跡の神殿に到着だ



シュウザー『デュラハンいないぞ?』


ナッツ『ホッ・・・』

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新作ですがこの小説を見てる人ならわかる部分が多い内容になってます 勇者ですが指名手配されたので逃亡ライフをはじめます
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