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【完結済】槍の新兵は夢を見ない  作者: 牛乳太子
第6章 5000年の想いと国を賭けた聖戦
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52話 シャオ検定

グスタフ『ジャフィン無しでのB+の魔物はきついなぁ!』

ナッツ『そんな話す余裕もないです!』

ルルカ『強いのだぁ・・・』


エンゴリ『ウホッ』

『俺は追加で来る魔物を見とく』


俺のは彼らに聞こえるように声を出しつつ警戒する方向を森の奥にした


『ゴルゥ!』


拳を握りしめてぶん殴る気満々のエンシェ・・エンゴリを見てグスタフが左手に闘気を込めた

ナッツがその様子を確認すると少し減速してグスタフを先頭にした

彼の闘気で固めた左手が握りしめられてエンシェントゴリラの拳と接触する


『ぐぉ!』


グスタフが押されて数十センチ下がった

その瞬間にルルカが後方から放ったファイアバレットがエンゴリの頭部を狙うが頭を下げて回避された


『ウゴァ!』


『くっそ!』


とうとうグスタフの技が弾かれて彼は上体を反る形になってしまい隙を作るがナッツが低い姿勢でエンシェントゴリラの足元を通過しながら太ももを斬った、だが硬い体毛によって皮膚を傷つけることが出来なかった

それをグスタフは驚くがすぐに来る彼の叩く攻撃に反った状態で後方に飛んで回転して難を逃れた


『斬るのは駄目ニャ、毛が固いから突きじゃないとダメージが入らないニャー』


『それを早く言うのだー!』


『戦いではそんな優しいアドバイスは無いニャ』


シャオが橋の手前でそう言って現実を突きつけた

魔物の特徴は戦って知る者である


『中位職にとっての壁であるランクB+ニャ、終わるまで本気じゃニャいと死ぬニャー』


『くっそぉがぁ!』


そう吐き捨てるグスタフはシャドーボールを放つが軽く腕で弾かれてしまう

後ろにいるナッツが慌ててエンシェントゴリラと距離を保ちつつこちらに戻ると大声を出した


『もう一体来ます!』


『ヤバいのだ・・・』


『楽しくなってきたなぁおい!』


俺は気配を感じて森の奥を見る

するとエンシャントゴリラとは違う魔物が現れたのだ

あれはカマキリか・・・


『ガイアマンティスだニャー』


高さ3mくらいの茶色の色したカマキリが来た、それを確認した俺は銀彗星でカマキリの目の前に行く

戦う相手を交換させようとしてもグスタフは怒るだろう、俺はこいつと戦うか


『キィィィ!!』


甲高い鳴き声で耳が痛い

そして鎌がでっかい、シュウザーの父を苦しめたのは特殊個体だったよな

ガイアマンティスは俺を見ると鋭い鎌を使い斬撃を放つが俺は1つ1つ丁寧に槍で弾く

狼撃破を放ちガイアマンティスを少し後方に飛ばしてグスタフ達と距離を作る


『キュイィ!』


少し痛かったぞ?的な感じに聞こえるが全然本気じゃないぞ?

グスタフ頑張れよ?


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


『あぶなっ!』


ナッツが上から振り落とされたエンゴリの腕を見て回避する

すぐに飛んでくるルルカのパワーアップを2人はニヤリと笑って敵を見る

息が荒いエンゴリは首を傾げているがすぐに怒った顔になり走ってきた

グスタフが再び戦闘を走りエンゴリのボディーブローの様なパンチを見て彼は大剣を当てて技を放つ


『共鳴斬』


大剣に触れたエンゴリの拳から大きな振動が起きる

グスタフは歯を食いしばってその凄まじい反動に耐えながら振り抜いた

エンゴリが後ろに仰け反るとナッツが即足の甲に剣を突き刺した


『ボァ!?』


痛みを足に感じたエンゴリは視線を自身の足先に送ったがそれは相対する3人にとって嬉しい隙である

少しの隙でも見逃してはならない、3人が今しかないと直感的に体を動かす

ナッツが大きく飛んでエンゴリの頭上で剣を振り上げた

それと同時にグスタフがエンゴリの足元に迫っていく


『ファイアバレット!!!』


ルルカがかなり本気で魔力を込めたとわかるくらいの大きさだ

その炎の球はエンゴリの腹部に向かって発射されたのだ

そこでも少しエンゴリは戸惑ったのだ、3か所からの同時攻撃だ

ジャムルフィンがいれば楽な戦いだ

だが彼を期待してはいけない、彼らもわかっている


中位職の限界がこの魔物であると

タイマンでは到底敵わないランクB+の魔物である、中位職3人だけでも少し気を抜くと命の危険を伴う

俺達中位職で倒さなくてはと感じていた、これからの為でもある


『ボアァァァァァァ!』


エンゴリがナッツに狙いを定めて彼をアッパーで攻撃した

魔物がアッパーをするというのも可笑しい話だが器用な魔物なのだ

ナッツはその攻撃を剣の腹で滑らせて体を大きく回転させた


アッパーの勢いを使って体を垂直にして回転したのだ

その光景にエンゴリも目を丸くしたがそんな暇はない

回転の勢いを活かしてナッツが技を繰り出した


『唐竹割!』


エンゴリの頭部に闘気で更に固めた剣撃を振り落とす

斬ることはできないがゴツンと大きい音と共にエンゴリは両手で頭部を抑えた

痛かったのだろうな、ダメージが少ないとしても痛いのだ

ナッツは着地前にエンゴリの顔面を蹴って後方に逃げた

入れ違いで1人が攻撃を仕掛ける


『らぁ!!!』


グスタフがエンシェントゴリラの肩に大剣を突き刺した

まだルルカからのパワーアップが残っていたので突き刺すことが出来た

苦痛な表情を浮かべてエンゴリは飛んでくるルルカのファイアバレットを片手で弾いたが同時に自身の腕も弾かれた、あらぬ方向に飛んでいくファイアバレットをよそに直ぐ次にうつるのだ


口を開けるエンゴリにグスタフは小さく呟く


『ダークボム』


『ボフッ!?』


押しつぶされはしなかったがエンゴリの頭上からグスタフの影術であるダークボムが堕とされた

それは頭部に接触した瞬間に黒い爆発を起こしエンシェントゴリラが少し見えなくなる

3人は後ろに下がり並ぶ、少ししか時間が経過してない筈なのに息切れが激しい


『ジャムルフィンがいないだけでB+がこんなに強いと思わなかったのだ・・・』


『甘えすぎてたっつぅ事だ、気合入れろお前ら!』


『僕が出ます、グスタフさんは良いの溜めといてください!!』


その言葉直ぐに黒煙からエンシェントゴリラが怒った顔で姿を現した

ナッツは全力で走る、ルルカが続いてグスタフも続く


怒ってドラミングをしてる隙に一気に間合いを詰めるナッツ

慌ててドラミングをやめるが遅い、何故したのだろうかと思うが本能的にそうしてしまうのだろうか?

動物と言うのは意味があり変わった行動をするがここではそれが隙になってしまった


『ぬぉぉぉぉぉぉ!!!』


大声を上げながら別の足に剣を突き刺した

エンゴリが膝をついた、ナッツは攻撃のチャンスだと直ぐに剣を抜いて体を回転させてグスタフが刺した肩にまた彼が剣を刺すと今度は深く剣が食い込んでエンゴリが呻き声をあげた

その瞬間ナッツは叩かれてしまい思い切り後ろに吹き飛んでしまう


『ルルカさん!』


『もう撃ったのだ!』


先ほど同様大きめのファイアバレットの弾がエンゴリの頭部に命中した

炎で激しく燃え上がるが頭を勢いよく振って直ぐに鎮火させた

だがもう遅い、グスタフには十分の時間を与えた

彼は小さく肩で笑いながら優しい顔つきでエンゴリを見つめた


『ゴぁ!?』


『ダークボム』


視線が合った瞬間グスタフが言い放つ

先ほどとは違って直径2m程の黒い球体が勢いよくエンゴリに堕ちた

両手を即座に真上に掲げて必死の抵抗を見せたがすぐさま押し負けて地面に叩きつけられながら黒い爆発に巻き込まれていった、黒い爆風により多少グスタフが顔を腕で隠しながら後ろに下がるとルルカが追加でファイアバレットを黒煙の中に放っていた


グスタフは中腰気味で黒煙を見つめるとすぐ彼の後ろにいるルルカがいつでも撃てるように片手を前にしている、ナッツはグスタフの隣につく


『悔しいですね、これが限界なんて』


『すぐ追いついてやるぜ、くそ』


中位職の限界の戦いだろう、基本ランクB+以上は上位職じゃないと討伐クエストも組めないくらいの強敵なのだ、中位職が束になってやっとやりあえるくらいにだ

そう考えてみると彼ら3人はジャムルフィンは今本当に遠い場所にいるのではと思うがそれを理由に焦った戦いは死を招く事だけは十分に理解していた

グスタフがシャオに言われた『お前が一番危ないニャ』はそれを危惧していったんじゃないのだろうか


煙が晴れてくると3人は武器を構えた

そこには四つん這いで立とうと必死に体に力を入れているエンシェントゴリラがいた

直ぐにグスタフは大剣を血から強く握りしめて近づく

敵に気付いたエンゴリは正面を向くと同時に彼の首には大剣が突き刺さった


『首は基本通る筈だ』


パワーアップが切れたグスタフでもエンシェントゴリラの首を貫くことが出来た

苦しそうな顔をして大剣を握るが横からナッツが腹部を突き刺す

首からも腹部からも大量の血を流すエンシェントゴリラ

彼はそのまま痙攣しだして前のめりに倒れる、剣を抜いてさがる2人はその様子を伺う


『ルルカさん、お願いします』


『はいさっ』


ファイアバレットを叩き込んでエンシェントゴリラを燃やす

抵抗もできぬまま体を激しく燃やして動かなくなる

グスタフが大きく息を吐いて地面に座る


『最初から本気でいかねぇと死ぬなこりゃ』


『その通りニャ!よくやったニャー』


後ろでシャオが笑顔で手を振っている

ふとグスタフは奥で戦っていたジャムルフィンに視線を向けるとバラバラにされたガイアマンティスの前で俺達を見ている彼を見つけた


『早く始末した様だな』


グスタフがそう言うとジャムルフィンが歩いて彼に近付いて口を開く


『基礎の訓練に最適な敵だった』


『ケッ!こっちは必至だっつぅの!』


思い切りジャムルフィンの肩を叩くと彼はバランスを崩して少し前屈みになる

ナッツたちも大した怪我もなく一同はシャオのもとに近付くと彼が口を開いた


『無理のない戦いを心掛けるニャ、てかあれより強い魔物はディラハンだけだから安心しろニャ』


『は?』


グスタフがしゃがんでシャオを細い目をしているとシャオが話した

どうやらここに来てみたら丁度良く森のナンバー2がいたらしくテストに最適だったらしい

エンシェントゴリラはこのティクティカの付近の森ではそうらしいが


『ランクB以上がゴロゴロいたら大変ニャ、ランクCが多いからおミャーらは大丈夫っ』


どうやらシャオからあまりわからない合格を貰う一同

喜んでも良いと思うがエンシェントゴリラと戦った3人は疲労困憊だった


『長期戦にすると確実に死ぬニャ、だから一気に決めにいったのは正解ニャ!チームプレイもよかったニャ』


『安心したのだー』


地面にへたりこむルルカにシャオは警告をした


『でも1人なら絶対逃げるんだニャ、B以上は本当に世界が変わるニャ』


彼の言う通りだろう、みんなで協力していたからそれほど苦戦はしなかった強敵もいた

実際ランクB+の最弱らしい閻魔蠍でも手強かった

それは皆痛いほど実感した


森を後にして馬で狼人族の集落に変える4人と1匹

あれ以上戦える筈もなく全員帰ることにした、だがグスタフは少し満足した様子である

グスタフは先頭を走るシャオに聞いてみた


『猫の大将さんよ!こいつはどんくらいの強さを感じる?』


ジャムルフィンを親指でさすグスタフをシャオは後ろ向きで確認すると驚くほど速く即答した


『本気を出せばAなんてゴミだろうニャ、それくらいその職は恐ろしいのニャ・・・ミャーの敏感肌が雷帝様と同じ威圧を感じるニャ』


ジャムルフィンはその言葉に実感が湧いてない様な様子を見せた

ナッツは彼の反応に苦笑いする

第3の道でランクAをゴミのように蹴散らせる職

魔天狼になれば果たしてどうなるのだろうか


それは遠くないだろうとグスタフも感じた

グスタフ自身もイビルハイドになるつもりだがその先を目指すだろう



魔天狼に挑んだイビルディザスターになるために

彼は天位職を目指すことを心に強く誓った






ランクA+最強はゼファー設定、雷神化という技で雷になればランクSになる

見た目は狼の姿をした雷まんま、本気出せば十天に楽に返り咲けるけどもう興味ない狼


そしてシュウザーもA+設定(魔物じゃない!)


ここでこの小説と『勇者ですが~』の2つで発見されている十天表です

今のこの小説での経過状態


十天

第1位 リヴィ・ネイ・ビー・ファースト(羊)

第2位 ????

第3位 ????

第4位 ケサラ・パサラ・フォース(花の精霊王)

第5位 ????

第6位 ????

第7位 ジャムルフィン・フォースター・セブンス

第8位 シュウザー・アングラード・エイス

第9位 ????

第10位 レリック・フォーメット・テンス(テゥルーゲン教皇レリック)



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新作ですがこの小説を見てる人ならわかる部分が多い内容になってます 勇者ですが指名手配されたので逃亡ライフをはじめます
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