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【完結済】槍の新兵は夢を見ない  作者: 牛乳太子
第6章 5000年の想いと国を賭けた聖戦
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33話 国を賭けた聖戦② 偽りの過去

ナッツ『死にませんように・・・』


ガウガロの本当の恨みを知る者?一体どういうことだ

その言葉に反対派は一瞬動きを止めてしまいシュウザーに襲い掛かったバウもファルカもガーランドの部下たちも彼の剣の一振りでの風圧で飛ばされてしまうがバウだけが耐えきり彼に拳を浴びせた


シュウザーの頬にバウの拳が当たると多少仰け反った様であるが両手の剣を離しすぐにバウの頭部を鷲掴みにしてヘッドロックをぶちかました


『ぐほ・・・』


『今のは痛かったな』


目の前でふらつくバウの腹部を足で蹴り彼は階段下に転げ落ちる

その瞬間に思いがけない者達もシュウザーにとびかかった


『よくもジャジャラ様を!!』


『お前が王でたまるかぁ!』


獅子人族だ、多分だが前獣王ジャジャラの付き従った部下だった者達であろう彼らは腰の大剣を持ち

複数でシュウザーに向かって走り出していた

俺は体の震えが止まって彼らを制止させようと足を踏み出そうとしたときにはもう遅かった


シュウザーが剣を2つ即座に拾うと同時に下から2本の剣を振り上げで胴体を真っ二つにした

痛みに苦しむ暇も無く一振りで3名の獅子人族の命が潰えた


『シュウザー・・・』


ガーランドが戦いのダメージで膝をついてべべルに回復してもらっている最中にそう口にした

そんな彼は軽く言ったのだ


『馬鹿は早めに死んだ方が幸せだぞ?ジャジャラの仇で向かってこんのか?軟弱時代の獅子人族よ』


彼の挑発に他に獅子人族は再び数名シュウザーに走り出した

止める暇は俺たちにもうない、そんなことしてたらこっちが死ぬ


俺は再度シルバシルヴァを発動して銀超乱を放つ

50匹の銀狼が槍の先から放たれてシュウザーを覆いつくした

その習慣に声が聞こえた


『・・・・活!!!』


凄まじい爆発が起きた、シュウザーに命中する前に一声で爆発したのだ

どんな声量してんだよまったく、在りえないんだが


砂煙に紛れて俺は銀彗星を使用して一気に加速する

シルバシルヴァを使って加速しないと反応される、ノーマル状態で加速してもカウンターが来るのだ

出し惜しみせずに着実にダメージを与えないといけない


加速した俺はシュウザーに突っ込むがその途中先ほど彼に攻撃しようとしていた2名の獅子人族の亡骸が地面に倒れているのが見えた、砂煙が舞った時に殺されたのだろう


直ぐに正面を向くと槍を前に突き出した瞬間にシュウザーと目が合った

彼は驚いたような目で俺を見て剣でガードしようとした


彼はギリギリ間に合った、身体能力上昇技を使っての銀彗星だぞ?

俺の突き出した槍はシュウザーの剣先によって軌道が変わり彼の左肩に突き刺さった


『ぐっ!貴様!』


すぐに彼の右手の剣が襲い掛かるが銀彗星を再び使用して槍を抜きつつ回避した

階段下の着地した俺はシュウザーを見る、砂煙はかなり収まった

凄い形相で俺を睨んでいる、剣を持つ右手が震えていた

怒っている様だな・・・


だが間髪いれずにガーランドやバウも突っ込むがバウは殴ろうとしてカウンターで逆に殴られてその場に沈みガーランドは太ももに槍を刺すも浅かったらしく蹴られて俺達より後方に飛んでいく


『ぐ・・お・・』


ガーランドが目を虚ろにしながらそう呻いているとベベルがすぐに駆け寄り治療を始めた

彼の部下もシュウザーに襲い掛かるも軽く叩かれて横の円柱に激突して気を失ってしまう


『国を崩壊させる気かお主は!』


獅子人族の集団の中からそんな声が聞こえた、前に入る老人だ

他にもいたのだろう

シュウザーが玉座の横に移動すると口を開いた


『もうしてたんだよ、馬鹿かお前』


玉座の横にいたシュウザーはまた玉座から剣を取り出して獅子人族の老人にそれを投げる

その状況に老人はヒッと声を出すが剣は弾かれた


『・・・ぐ・・・シュウ・・ザー』


『生きておるのか?しぶとい奴め』


ジャジャラが傷口を包帯で巻いていたが血が滲んでおり

胸を押さえながら片方に持った剣で弾いたのだ

彼が防いだ


再び他の獅子人族やバウが彼に突っ込むが先に飛び出してバウが叫んだ


『鬼無双ぉ!』


彼らしい巨大な闘気の塊が彼の右手に現れた、そのままシュウザーを殴りつけるも彼は片腕でガードした

そのまま残った手で剣を振り獅子人族の兵が両断されてしまう


もう辺りは血の海である

だがナッツがゆっくりと立ち上がりながら辺りを見渡すと不思議そうな顔をしていた

それを俺は疑問になって聞こうとすると別の場所から会話が始まったのだ


『チェスターにチュリオよ?まだ判断がつかないのか?』


チュリオ?ああ・・・鼠人族の族長の名前か!

そのチュリオが答えた


『わッチ達の行動は本当に過去の為なんでチウかね・・・』


チュリオの問いにシュウザーは構えた両手の剣を下に向けて話しかけた


『知りたいのか?本当の過去を?』


『シュウザー、お前は・・・本当の恨みと言っていたが何を知っているんだ?』


チェスターがそう言うとシュウザーはニヤニヤと笑みを浮かべて彼に入ったのだ


『そこのジャジャラに聞けばいいのではないか?彼が・・・知っているぞ?隠しているからな?』


『?!』


チュリオもチェスターも驚いた顔で膝をついていたジャジャラを見た

肝心のジャジャラは何故か顔を逸らしたのだ

それまで制止していたバルトがピクッと少し動いたのが見えた

ジャジャラは少しバツの悪そうな面持ちで顔を逸らしていた

その様子にバルトが口を開いた


『ジャジャラ殿?あなたは何を知っているのです?』


『・・・俺は知らぬ』


そのジャジャラの言葉にシュウザーが怒鳴りつけた


『嘘をつくか!こいつらに教えてやれ・・・5千年前の出来事は人間の仕組んだ罠だったという事を、そして種族に裏切りなどなかった事をだ』


『何!?』


その場の全員がそう声に出して今までにないくらい驚いた

ジャジャラは皆に見られていると気づくが彼が助けた老人が代わりに答えたのだ


『・・・そんな過去はないぞシュウザー!何を根拠にそんな・・・事を』


『貴様も知っている筈だが?言ってやれよ老いぼれ、ノア様は他の王族に陰謀で騙されていたと・・・本当は誰も裏切って等いなかった事実をな』


誰もが信じられない言葉にその場で時間が止まったかの様に固まってしまった


『な・・そんな・・・シルバ様は』


ガーランドが地面に倒れつつもそう言うとシュウザーは玉座に座って話し出した


『ジャジャラの糞が言わないのであれば俺がいってやろう』



チュリオ&チェスター『えっ?』

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新作ですがこの小説を見てる人ならわかる部分が多い内容になってます 勇者ですが指名手配されたので逃亡ライフをはじめます
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