9話 【父の気持ち③】
戦い後から寝るまでのお話
※誤字はないと思っています!
ランサーバスター
なんの派生で覚えるかはわからない、だが条件がガッチリハマったのだろう
いいタイミングだなおいおい
対象に当たった瞬間に空気の爆発を生み出すことが出来る
基本的には下位の爆発系スキルの『ボム』と同じ威力らしいが
槍の基礎値が高い俺はそれ以上になった
中位爆発スキル『スキットボム』と同じ威力のようだ
音がうるさい、ごめんねご近所さん
多分あいつが苦情に来るだろうなぁ(笑)
『ぐっはぁ!!!』
父さんは受けきれずに吹っ飛んでいく
俺は最後の力を振り絞ってしまったのだがとりあえず気合で立っとく
父さんは倒れたまま動かない、いや動いた!
元気に回転しながら立ち上がる
だがヨロヨロしているが、服をパンパンとはらい
近付いてきた
『とりあえず今のは正解だ、必死になれたな!稽古では必死でやってたのはわかるがそれが本当の必死だ・・・』
『ぐ・・・限界だ』
父さんは笑っている
『当たり前だよ(笑)生きるか死ぬかの瀬戸際での渾身の一撃だからな!それが大事だ・・・死んでからじゃ遅い、死ぬ前に今までの鍛錬を全力でぶつけれるようにしろ』
そして父さんは歩いてどこかへ行く
え?帰るの?俺は
父さんはハッとしたようにこちらに向き直した
『ジャフィン、仲間も大事だ・・・守る為の力も勿論これから必要になる・・・気持ちの在り方もな』
父さんは冒険とはお前の知っている世界とは違うんだと伝えたかったんだろう
それと同時に俺に足りていない物が一致していて教えてくれたんだろう
まぁありがとう、だが動かない・・・体が石みたいだ
父さんは最後に言う
『お前は我儘を強さの糧にしていいんだ・・・知らない力をつけれるぞ?冒険は楽しいぞ・だが!まぁなんだ!口うるさくなるからいいや(笑)お前なら理解してるだろうからな!じゃあなー!』
走って消えた
俺を置いて、置き去りにされたね
ちらちらと伺っている民家の人が野次馬みたいにちょくちょくいる、近所迷惑だったよね!
あの人は俺の家の隣の隣のっ!サラさん!あぁ綺麗な人だぁ!
あれはルッカの家の隣の村長さん!怒られるかな、またですかぁみたいに
まぁあれだ!俺は強くならなければいけない
今までは理由が無いからとやらなかったな
出来るけどやっていない、でも練習はしていた
そうだよ
俺は外の世界を知って自分の強さを知らなければならない
外に出たくても理由がなかった、そうか
ケインが来て何で俺はあいつを送り届けようとすぐ決めたのか
外の世界が俺には眩しく、興味があった
外には俺の知りたいことが色々あるだろう
だから人のやることにそれなりに首を突っ込んでいた
なにか強くなるきっかけがあるかもしれない
今、生まれた
『ちょっとぉ・・・村の花火大会は一週間後よ?何爆発させてんのよ』
ルッカが目を細めて近づいてきた、やべぇやべぇ!父さんいないし俺が全てをかぶるのか!?
だがルッカを見て俺は意識を失った、限界だったしね
起きたら知っている部屋だった
なんでルッカの部屋なんだ?家に連れてけよ俺の!
上半身は脱がされていて薬草漬けにされていた、俺モルモットかよみたいな感じだが治療だ
たく・・・父さんも魔滝前によくやるよ
十分な詳細が得られない以上は最悪な状況を見越した決断が必要なんだよ、じゃないよ!
戦力削ってるじゃねぇか!!!!
お前が最悪な状況作ろうとしてるじゃんか(笑)
まぁ切り傷はあるが致命傷じゃない
打撲が沢山だが
部屋に誰かが入ってくる、ルッカだ
『本当規格外よねぇジャンもジャンのレナウスさんも』
ため息をしていた、まぁうるさかったのは申し訳ない
でも強制的すぎるイベントだ、避けようがない
『仕方ないだよ、気づいたら戦っていた』
『気付いたら戦っているって感覚がもう戦闘狂にしか聞こえないのよっ(笑)』
ルッカは打撲用のだろうか薬草を貼っていく、まだ全部つけていないのだ
『なに喰らったらこうなるのよ、ああもう塗った方が早いわ』
塗り薬用の箱を開けて俺の体にポトポトと少し落とす、そして貼っていた普通の薬草と混ぜて塗っている
『ルッカ!こしょがし!』
『我慢なさい!』
笑いそうだ、塗りたくられている
そういえば聞きたいことがあった
『そういえばルッカ?』
『ん?』
塗りながらこちらを見ている
『お前は魔滝終わったらどうするんだ?』
『私?んーめんどくさい言葉になるけど・・・どうしてほしいの?』
どうしてほしい?
多分俺がルッカに対しどう思っているか聞きたいんだろう
素直に答えることにした
『俺は・・・・まぁ・・・』
『何よっ』
駄目だった
落ち着け俺!!!なんでこんな簡単な事言えないのだろうか
『・・・・旅は最悪かなりかかるとわかってるか?』
『長旅よ?当たり前でしょー』
体をバンバン叩いてきた、痛い
でもさっきよりかは全然だ、痛み止め的な薬を使ってくれたんだろう
『正直言うとついてきてほしい気持ちがあるけど危なかったらどうしようという気持ちが半分だ』
『ふーん』
冷静に俺の言葉を聞く
『やっとやりたかったことが出来ると思うんだ、これから・・・』
こうしてほしいとか、言うだけでこんなにも緊張するのか
俺は心臓が高速で運動していると感じた
『来てもらうと・・・その・・・嬉しいです、でもお前のしたい事もあるから薬剤師としての勉強とか・・』
俺は喋っているとルッカが言う
『村以外でも勉強はできるわ』
俺は体がピクッと動く
『あなたが人に自分のしたいことを言うって貴重ね!仕方ないからついていくわよ?ナッツ君もいるでしょ?』
『ありがとう助かる』
『えへん!大事にしなさーい』
そういいながらルッカは薬剤を片付ける、終わったらしい
『30分安静ね!そのあと軽くご飯作ってあげるから食べて帰りなさい』
俺は頷きルッカはご飯を作りに部屋を出る
その後、俺はルッカの家族に挨拶をして旅のお供にと説明した
ルッカのお父さんは『ジャフィン君なら大丈夫だな!帰ってきたらわしの孫1人連れてきそうだな!』
とかいってルッカが父を殴る
そして俺は家に着く
父さんはもう寝たと母さんは言っていたからそそくさと部屋に戻る
隣の部屋をのぞくとルルカ&ケインがトランプで遊んでいたのでもうすぐ寝る時間だぞーといって二人は返事をする
俺の部屋に入るとナッツが軽装で本を読んでいた
『先輩おかえりです!何してたんですか?さっき外から爆発音聞こえましたが?』
『気にするな・・・俺は知らない』
誤魔化した
『ちと動いてきたから先に寝る、ナッツもそのうち寝ろよ?』
『でしたら僕も寝ます!』
そうしてナッツは布団の中に消えた、こいつ埋まって寝るタイプだったな!幼虫かよ!
俺たちの今日は終わり
明日を迎える
魔滝予定迄あと2日