23話 無念の思い
ジュムルフィン『どうしよう・・』
ルルカ『40秒で進化しな!』
ナッツ『なんか混ぜてません?』
『まぁ戻る時間はねぇな』
即答でグスタフが吐き捨てた
まぁ・・・そうだな、徹夜でアバドンに行くしかないからな
明日に向けて寝る時間は欲しい、明日は謁見なのだ
ナッツも今は明日に向けて体力の温存をした方が良いと言う
『その場で予想外な行動を起こす可能性は低いのです、話し合いでは膨張した感じで話してしまいましたが獣王シュウザーが本当に動くのは8種族同意での王権剥奪の意を唱えてから次の日からでしょう』
まぁ簡単に言うと明日は獣王が動き出す前に止める可能性があるから覚悟してくださいと言ったわけだ
動き出したとしても準備に時間を要すると踏んで明日を捨てて明後日にすることも可能だとナッツは言う
『それが良いぜ?明日動かないといけないかどうかは明日決まるんだ・・・大丈夫そうならお前はすぐにアバドンに向かえばいい、その間は俺たちがいるぜ?』
トントンと親指を自分の胸に指しながらグスタフは自慢げに口にしているとナッツも胸を張って同意を示す
そうだな、こいつらがいるんだ
俺は仲間を全力で頼ればいいか
『時間稼ぎは出来ますよ!』
ナッツが自信満々に腕を組んで言う
ここからアバドンは馬で行っても普通の動物は近づくだけで暴れ出して近づけない
入口から入っても徒歩になるのだ魔物と戦いながら進んでもかなりかかる
この雷狼なら大丈夫そうだが
『いいかな?』
雷狼に視線を向けてそう言葉を投げるが・・・
『・・・・・』
『寝てるのだ・・・』
どうやらお眠の時間だった
時間は23時を回っている、どうやらゼファーの部下たちは規則正しい生活をしている様だ
トップがちゃんとしている証拠だ、いや今そんなこと評価している時じゃない
『残念だけど諦めましょ・・・』
ルッカの言う通りにするか
だが勿体な過ぎる、そして俺達のいう事は聞かないだろう
こいつはゼファーの部下だ、仕方がない
臨機応変に動いてもらいたいものだと俺は溜息をつくがこれは自分勝手な考えだろうな
その考えをやめることにした
俺達はそのまま解散することになりそれぞれの部屋に戻ろうと椅子を立ち上がる
『ちゃんと寝とけよ、物事は上手くいかねぇ』
グスタフがそう言いながらリビングから奥のドアに消えていく
その後ろをルルカが追いかける
『もし今日アバドンに間に合ったとしても先輩がいつ起きるかの賭けの方が怖いんですよ・・・法則がわかりませんが一週間目覚めなかった事を思い出すと到底僕は賛成できません・・・あの時は過程が違いますがもし1日以上目覚めなかった事態を考えると無理です・・・すみません』
忘れていた、かなり忘れていたよ
意識が道の中に入ってしまうんだ
今焦って第3の道に入る為にアバドンに行って何時間眠るかわからない
それはデカい賭けだ、説得の際に話すのは俺だしな
銀の意思と話した時は1週間寝込んだか
その可能性も潜んでいるのか・・・・
バウは不器用らしいからシルフィーがついているのだ
明日は俺だから抜けることは出来ない
まぁナッツが説得する手もあるが・・・
いやそういう事じゃないな・・・
『お前が謝るなナッツ』
『はい、その場の判断は出来るだけ僕に任せてもらっていいですか』
真剣な顔でナッツが俺に視線を送る
彼の肩を軽く叩き答えた
『どんな判断でもお前に従う、それが最悪の判断でもだ・・・』
ナッツは黙っている、彼は深く頭を下げると奥のドアに消えていく
彼を見送ったのち俺は椅子に座り直す
『上手くいかないものね』
ルッカが小さく呟く、そうだな
人生そんなもんだ
今回はそれが表立っていると俺は思う
『俺が第3にいけばこんなに悩むことはないのに』
『誰のせいでもないわ・・・ナッツ君なら時間を作ってくれるわよ』
ルッカが立ち上がり俺の近くにくると優しく頭を撫でてくれる
どうしようもないと思っていても簡単には拭い切れないな
『今日は寝るか』
『そうしましょ』
俺達はそのまま部屋に戻りベットに潜り込む
そうなると余計考えてしまった
俺がいなくても説得が出来るのでは?
逆に謁見を先延ばしにしてもらうとか?
いや獣王は謁見に向けて動いているだろう
わざと違う話をするとか・・・
色々考えた
時間を作れる方法を、だがナッツはここまで来てしまった以上行くしかないという考えだろうな
悔しい気持ちが胸を埋め尽くす
『寝なさい』
優しい声が聞こえた、その声と同時に俺の顔がルッカの胸の中に包まれる
俺だけが焦っているのだろう
『あなただけじゃないのよ?』
そう言って俺の頭を撫でる
そうだな、みんないるんだよ
俺一人が考える事じゃない、大丈夫だ
『・・・少し大きくなったな』
『変態』
軽く叩かれた
よし!切り替えよう!
為せば成るって父さんが昔言っていたな、うむ
無駄な事は考えずに明日を迎えよう、説得もあるし終わったらすぐに謁見だ
ギュウギュウだなあらためてスケジュールを見直すと
『しゃあない寝るかルッカ』
『そうよ?おやすみジャン』
『ああお休み』
俺達はそのまま寝ることにした
明日に向けて
雷狼『・・・・グー』
ジャムルフィン『お前さえ起きれば・・まて!?!?銀彗星での移動は!?』
ナッツ『何時間で目覚めるんですか?』
ジュムルフィン『』