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【完結済】槍の新兵は夢を見ない  作者: 牛乳太子
第6章 5000年の想いと国を賭けた聖戦
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5話 ミューリア緊急クエスト

ジャムルフィン『ミューリアは何故か安心できるな』

ルッカ『着いて早々襲おうとしたでしょ』

ジャムルフィン『』

『予定より早く着いたわね』


馬車の中にいたルッカがそう口にした

俺たちは次の日に馬車に乗りミューリアに向かった

その言葉は街の入り口にある看板を見て行ったのだ


ようこそミューリアという木製の看板だ

昼頃の予定だったが時間が余ってしまい早めに馬車乗り場にて向かう事にしたのだ


『もう少しですね』


ケインはミューリアの事で無く、ガウガロの事を言っているんだろう

明日には帰れるんだ、近付くにつれて彼はご機嫌だ

夕方前にはミューリアに辿り着いた

前にも利用したアクアリーアという宿にチェックインすると俺たちは各部屋に荷物を置いた

今回も俺はルッカとシングルだがもう慣れた


さっそく楽しみたいと俺は彼女の背後に忍び寄るが

急にドアが開きグスタフが口を開く


『ギルド行こうぜぇ!』


ルッカは目線で俺に行ってきなさいと訴える

グスタフの後ろをよく見るとナッツも見えた

多分誘われてついてきたのだろうそう思える


ルッカはケインと俺の部屋でお留守番になり

俺・ナッツ・グスタグにルルカで冒険者ギルドに向かう事になる

問題なくギルドには着いたのだが問題が起こるのは着いてからだ


『まぁここは立派だな』


グスタフがギルドの前でそう呟く

ここは大きいから他と比べると俺もそう感じる

その大きさを見上げるのも通行人の邪魔にもなるので俺たちは中に入ることにした


前回と変わらない雰囲気だ

奥の酒場では数人飲み散らかしている

軽食のテーブルでは若い冒険者が増えている様な気がした

ここでも入口からのびる赤い絨毯が受付まである

赤い絨毯はギルドの決まりでそうなっているのだろうか

知っても俺たちには必要のない情報ではあるが


『戻ってきた・・』


『シルバーバレットだ』


そんな声が聞こえるが問題児は忘れてはくれないのか

俺たちは受付にギルマスのグロウとの面談をお願いしたのだが


『当分ギルマスの会議で戻るのもいつかは聞いておりませんので』


どうやら会議でここを離れているらしい

一先ずお預けかと思うがどうぜガウガロで全部わかるのだ

別に重要ではないとすぐに俺は諦めがつく


『それなら仕方ない、また後日伺うよ』


俺はそう言って受付を後にしとうとするのだが受付嬢が口を開いた


『時間がありましたら緊急依頼があるのですが』


『緊急?』


どうやら悪いタイミングで来てしまったようだ

取り合えずグスタフもその話に食いついているようで俺は話を聞くことにした


街の近くの森でランクB+の魔物が出たらしく討伐隊を派遣する前だったらしい

魔物は阿修羅猪、暴れん坊の魔物だ


頭部には一本の角が生えており全長は2m

黒と赤のグラデーションの毛並み

とても筋肉質で頭部に目の模様がついているのが特徴である


今回は阿修羅猪1頭の討伐だ、俺たちがクエスト消化していた森だし丁度良い


『ランクAの冒険者になったんですね、てか武人祭の話聞きましたよ』


受付嬢がそう口にするがここにその話が入るのか

しかもここはルーカストアであり拒否権はなさそうだ


『グスタフ』


『行こうぜ』


俺の言葉に彼はすぐ反応を示す

隣にいるルルカもやる気の様だしナッツも渋々納得している

いつも準備は万全にしているのでいつでも行ける

街では避難勧告をするかどうか判断を迫られていた状態であったのを受付嬢から聞くが


『大丈夫だ、すぐ討伐するから問題ない』


『そうですか、助かります』


受付嬢も嬉しそうだ、避難勧告をすると色々面倒なのだろう

一応彼女にも聞いておくことにした


『討伐報酬は?』


『金貨50枚です』


『うわぁ・・・』


50枚という言葉にナッツが大きく反応した

大金だな・・・凄いな

討伐できれば当分冒険の資金の遣り繰りも楽になるだろう

どうするかはもう決まっている


『皆行くぞ』


『だよなぁ』


『なのだ!』


『はいです』


受付嬢にはお願いをしておいた

依頼を受ける代わりにアクアリーアにいる2人に伝言を頼んだのだ

今回の依頼で少し遅れると


俺たちは指定された馬車で森に向かう事にした

馬車の中ではやはりグスタフが居心地が悪いのか床であぐらをかいていた

ナッツはのんびり着くまで寝ているが緊張しているよりかはいいだろう


『グスタフ行儀が悪いぞ?』


『・・・しゃあねぇな』


行儀よく椅子に座っているルルカの言葉に渋々椅子に座りなおす

上手く飼いならされているな

暫くグスタフが問題を起こしそうなときはルルカに頼むか


『久しぶりに好敵手だ』


グスタフは楽しそうに口元に笑みを浮かべそう言い放つ

ランクB+はアバドンでも閻魔蠍以来か、そうそうお目にかかれないランクだ

だから彼も久しぶりの戦いに燃えるのだろう


『もう少しの到着です』


馭者からそのように言われて俺たちは気を引き締める

ナッツも起きたらしく背伸びしている、マイペースな奴だ


『ここまででいい、あとは歩く』


『さようですか、では』


俺は馭者にその様に伝えて皆で馬車を降りる

変哲のない森に見えるのだが今日はそうじゃない

狩る魔物が違うからな、暴れん坊という異名の猪か


名前からして休ませてはくれなさそうだ


『入るぜぇ』


グスタフがやる気のあまりに先頭を行く

悪くは無いと思い俺はそのまま彼に追従した

ルルカとナッツが左右を警戒し俺は後方だ


たまに普通の魔物も現れるがゴブリン程度だ


『ファイアバレット!』


ルルカの炎術で消して進む

10分くらい奥に進んだであろう時に先頭のグスタフが立ち止まり片手を上げる

彼は上げた腕で斜め右を指さした、気配を感じたのか?わからない


グスタフの視線が俺に向けられる、俺は無言で頷くとグスタフは前に向き直しゆっくりと指を指していた方向に歩きだした


『特別強い気配だ』


グスタフがそう口にする

討伐対象だといいが

奥まで進んでいくと少しずつだが物音が聞こえる

木が折れるような音や何かの擦れる音だ


音の方に向かうと開けた場所に辿り着く

川が流れているのだが川の向こう側にその気配の正体がいた

俺たちは茂みに隠れて様子を伺った


『でかい猪ですねぇ』


小声でナッツがそう囁いた

阿修羅猪だ、情報通りの猪だ

2m近い大きさだが全長は倍以上ありそうだな

鼻息が荒く木に体を擦り付けていた、いわゆるマーキングだな

縄張り意識が強い魔物はこうやって匂いを残す習性がある


グスタフが俺を見てから俺を指さし

次にその討伐対象の猪を指さした


なるほど、彼も考えているのだ

一番やりは俺か、槍なだけに?


『そのあとは任せるぞ』


俺も小声でグスタフにそう言うと彼は嬉しそうに静かに頷く

まだ阿修羅猪はこちらに気付いていない

マーキングし終えて川の水を飲んでいる

今がチャンスだ


俺は右腕を上に掲げ阿修羅猪の頭上に狼気を込めた

銀色の球体が猪の頭上に現れるが対象が川の向こうなので構築に時間がかかる

その球体は徐々に大きさを増していく

遠距離という事に対しまだ使い慣れてないので発動まで時間がかかる


まだ気づくなと何回も念じていると

阿修羅猪はふいに頭上を見上げた


『ブギィ!?』


気付かれた!くそ!


『天銀!!』


掲げた腕を振り落とし阿修羅猪めがけ銀色の球体を落下させる

大きさは3mくらいしかない球体だがまぁいい

落下は阿修羅猪に直撃し大爆発を起こした

中途半端な大きさでも大きな爆発音が辺りに響き渡る


その爆発で近くの木々がなぎ倒されていく

俺はそのまま口を開いて開戦を伝える


『グスタフ!!!』


『おおよぉ!!!ルルカ!ナッツ!!』


『行くのだ!』


『ひぇぇー』


爆発が終わると同時に彼に追従し俺たちは阿修羅猪に向かって行く

倒したんじゃないかって?ランクB+の魔物だし俺の天銀も焦って撃ったんだ

本来の技の威力じゃないとわかっている

ダメージはかなりのモノだと思うが


『ブウゥゥゥゥゥギィィィィィィ!!!!』


彼は元気だよ




ルルカ『行けグスタフ!』

グスタフ『お前もだよぉ!』

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新作ですがこの小説を見てる人ならわかる部分が多い内容になってます 勇者ですが指名手配されたので逃亡ライフをはじめます
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