23話 新しい住み家
ケサラ・パサラ・フォース『守って?』
スカーレット『喜んで!』
どうやらケサラ・パサラの話では
力を貸すのはいいけど最悪な場合殺されそうかもと言う心配があり逃げている様だ
驚くことに普段は温厚な羊だと言うが俺たちには信じられない
『アバドンの大樹は流石に復活させるにも膨大な力がいるんだ、あの馬鹿デカい木』
テーブルでフワフワ浮きながら綿はそう答える
そうなると少なからずリヴィは狼人族の歴史にそれなりに関与する理由があるのだろう
アバドンは俺の知る情報だと銀の意思に関係した場所でもある
俺に興味を持ったのも魔天狼の職を持ってしまったからだ
『ガウガロの歴史に関与しているのか』
俺はふと思った、何故リヴィは俺に固執するのか?
憧れと言ったがそれに至る経緯とは
何故現在のガウガロの獣王を殺そうと考えてたのか
現在の獣王が戦争を仕掛けたらガウガロは勝てないと言っていた
ガウガロの存亡の為に近い理由だ
何故魔天狼に詳しいのだろうか?
憧れで調べ上げた?
アバドンの復活の理由がわからない
だがあそこは王女と犬の舞台だと確定付けたい
探し物はこのケサラ・パサラなのだろうか
そう思う事にする
そうするとだが奴はガウガロの歴史を元に動いている気がしてならない
目的がまだ未知数だ
大事な時間を取り戻す・・・
俺は綿に聞いてみた
『ケサラ・パサラさん』
『何だい?』
飛び跳ねながら綿は反応を示す
『あいつはどのくらい生きているんだ』
『それは誰もわからない』
俺はテーブルで頭を抱えて推測してみた
もしかするとだが、いや在りえないそんな事・・・
『もう22時ですよ、今日はこのくらいにして皆さん寝ましょう』
スカーレットさんがそう口にして椅子から立ち上がる
ケサラ・パサラを両手で持ち上げて綿に話しかける
『居心地の良い場所でちゃんと寝ましょうね』
『うん!わかったよお姉さん!』
『あら、うまいわねぇ』
そう言いながら執事と共に奥のドアに消えていく
ルルカは俺たちに手を振りながら彼女の後ろをついていく
残ったのは俺とルッカとナッツだ
『ますますわからない情報よねぇあれ』
ルッカの言う通りだ、複雑だ
単純な理由じゃない様な気がしてならない
『俺に興味を示す本当の理由はあいつしかわからないだろうな』
『そうですね』
ナッツもそう言いながら頷く
『今日はもう寝ましょ』
ルッカがそう言いながら椅子から立ち上がる
俺たちは仕方ないので各部屋に戻ることにした
勿論ルッカは俺の部屋だがまだアレの日だ
『あと2日待ちなさい』
こう言われたので残念だが我慢という事になる
俺たちは明かりを消してベットに入る事にした
難しく考えるより簡単にしよう
リヴィは少なからずガウガロに関与している時期があったと思う
彼にまつわる情報はそれだけだ
あいつの行動はそれに関係している筈
俺は最終目的が魔天狼だが銀の意思の為に少なからず古い情報を探っていた
何も知らずにガウガロ入国は不味いしな
『も・・・ちょっと・・』
『うん?』
ルッカが顔を赤くしてこちらを見ている
急に頬をつねられる
『・・揉み過ぎ』
『ん?ああすまん』
どうやら考えながら揉みしだいていたようだ
両手でルッカを抱き寄せて考えるのをやめる
ガウガロに行けば全てがわかるなら無駄に考えるのはよすか・・
明日は最後の特訓である5日目
ステータスは気になるが見ない様に心がけている
良い成果を俺は期待している
ジャムルフィン『うう、手で!手で!』
グスタフ『何言ってんだてめぇ?』