21話 そこにいた脅威
グスタフ『面白い事ねぇかな』
ルルカ・ルーブルム・ハイ・ルーゼット(女16)魔法剣士【中位】
☆戦術スキル
剣術【5】 剣術熟練度、恩恵により攻撃力・耐久力が中アップ
魔術【4】 魔術熟練度、恩恵により魔力量を中アップし・詠唱時間を中軽減する
体術【2】 体術熟練度、恩恵により耐久力と素早さが小アップ
☆補助スキル
観察眼 【中】 視力が中アップ
魔力感知【中】 体内の魔力の流れを感じとることが出来る
自動回復【小】 体力・魔力が僅かに回復していく
恐怖耐性【小】 恐怖状態を僅かに緩和
痛覚耐性【小】 僅かに痛覚を軽減する
☆技スキル(ステータスに表示されない部分)
居合・流し斬り・十字斬り
アクアショット(水)・アクアヒール(水)・ガードアップ(水)
ファイアショット(火)ファイアバレット(火)・パワーアップ(火)
シャドーボール(黒)
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『どうだ!なぁグスタフ!?どうなのだ!?』
俺達は今食堂にいた
特訓4日目終了後の夜食前にルルカがステータスをグスタフに見せてそう言っている
ルルカは見せながらクルクルと回っている
回る必要性を感じられないがそうしたいのだろう
ケインが隅の椅子に座りその光景を見つめている
ルッカは薬剤師の本を見ている様だ
『よかったじゃねぇか、これから頑張ろうな』
グスタフがルルカの頭を撫でながらそう言うとルルカも飛び跳ねて反応している
褒めてほしかったのだろうな、そう思えるルルカの行動だった
『んへへーそうだろう!』
ルルカも嬉しそうだ、うむ・・・良いコンビになりそうだ
いつも通りルルカはグスタフの隣に座っている
スカーレットさんも来て夜食になった、すると彼女から俺に口を開く
『昨夜は賊を討伐したらしいですね』
少し微笑みながら彼女が言うとグスタフが凄い反応して俺を見つめる
その反応分かるよ?何故呼ばなかったみたいな顔やめよう
俺は口パクでごめんとグスタフに言うとスカーレットさんに返事する
『買い物帰りに偶然居合わせてしまって』
『俺も混ぜろよ?』
『暴れたいだけだろ?グスタフ?』
皆でグスタフの言葉に笑ってしまうが彼は真面目であった
ナッツが蟹を貪りつつ聞いてきた
『先輩の技も便利ですねぇ、銀彗星で移動するとか・・・』
『最小限に使うと本当に便利だよ、多分村からここまで3時間でつく』
『ふぇ・・』
最後の反応はケインだ、そんな声出すのか
実際最小限に使う銀彗星の速度は時速50はくだらない
気持ち多めに狼気を込めれば70キロは出るだろうな
ひたすらまっすぐナラ村からここまでなら3時間以下だろうな
馬車なら半日だ・・・本当に凄い技だ
本気で使うと音速以上なので何百キロなのか考えたくはない
『本当に人から離れてない?』
隣にいるルッカが俺に肉をアーンしながらそう言ってくる
俺は素直にその肉を食べてから口を開いた
『次は空でも飛ぶか!』
スカーレットさんのツボに入ったらしく下を向いて笑っている
ナッツも何故か笑って・・・あ!むせている
『銀彗星の本気も脅威だよな』
グスタフがそう言うがその通りだ
これを避ける人間はそういないのだ、本気だと音速越えである
人にはオーバーキルの技、それも1つじゃない
『大会で見た天銀もアホみたいな威力でしたね』
ケインが言う技もそうだ、あれはヤバイ
50m範囲はほぼ吹っ飛ぶし大会の時は術での防壁を作っていたので無事だった
無い場合は爆風等で観客も吹き飛んでいたとスカーレットさんが言う
『ありゃ、集団戦の奥の手だな』
グスタフの言う通りかもしれない、多勢に無勢状態で使う事にする
多分しれっと使うだろうけど
そう話している間にルルカが蟹の甲殻をむしり
食べれるところをグスタフの皿に盛っていた
それを普通に食べるグスタフに俺は動揺を覚える
『クフフフ』
横のルッカからの声だ、見ると怪しい顔で2人を見ている
面白そうだ混ぜてくれよ?あとで聞くからな?
『にしてもグスタフさんも大会前にディザスターハンドを覚えているとは・・・』
『本当にギリギリに覚えたんだぞ・・・』
スカーレットさんが口元に笑みを浮かべて言うと彼も切羽詰まっていたことを言う
グスタフの奥の手だろうなあれは、あれで潰されたら死にそうだ
『先輩たちもいいですねぇ技があって・・・』
美味しそうに肉を頬張りながら言うナッツ
本当に幸せに食うからそんな悩んでますって感じに聞こえない
でもその言葉にスカーレットさんが答えたのだ
『あなたは技を覚えるの見ですよ?明日からは剣で突く事に集中してください』
『突き?わかりました!』
サラダを皿に盛りつつ返事をするナッツ
よく食うなお前
それにしても今日は前と違いよだれを垂らして倒れている様な事はなかった
大分慣れてきているのだろう、ナッツも多少余裕が伺える
彼も今日人形をやっと1体倒したのだ、ちゃんと褒めたぞ
グスタフも1体倒した、3人はらんくAを想定した強さの人形なのだ
倒すのにかかってしまうのだ、3人で協力すれば問題なく倒せそうだが
それでも長期戦は避けられないだろう、ランクAはそれだけ強い
夜食を終えて俺は館の周りを散歩することにした
扉の外にはでていない、庭のまわりだ
それでも広い、気になっていたので探検することにしたのだ
『暗いわね・・・』
『先輩、足元照らしてくださいぃ』
ルッカにナッツだ俺は魔石の入ったランプを持って先頭を歩く
1㎝くらいの魔石がガラスの中に入っているが少し気を込めると明るくなる仕掛けだ
少しだけ込めると10分は持つらしい、流した量を考えると30分か
農園の様な場所を探索しながら館の周りを探検している
『本当に広い館だわ』
『ここまで広かったか』
奥行きがとてもある、正面からは見えなかったが奥はそれなりにあるようだ
ふと遠くの方で光っているのが見えた
館の灯篭じゃない・・・なんだろうか
『先輩?幽霊ですか?』
ナッツがそう言うがルッカが怯えていたので即答した
『あんな自己主張激しい幽霊がいてたまるか・・・』
どうやらルッカは笑ってくれたようだ
その明かりに近付いてみるとそれは説明に困る物だった
俺たちには明かりに見えたのだが光っている?
何だろうか、それは綿のようなものだった
30㎝くらいの綿、微妙に揺れている
『なんだ・・・これ』
俺は足で突っついてみた
そうすると少し動く、どうやら生き物のようだ
少し怖がったルッカは俺の後ろに隠れる
俺とナッツはしゃがんでその綿を見てみる
『先輩・・・何です?これ』
『生き物っぽいけど違うのか・・』
『生き物ですかぁ?』
ナッツはそう思わない様だ
ルッカも慣れたのだろうか綿の前に座りつつく
そうすると綿が少し浮いた、それをみたルッカは驚いて尻もちをつく
20㎝くらい浮いているのを俺とナッツはただ茫然と見ていた
何なんだこれ?
その疑問も直ぐに晴れる事となる
『も~寝てたのに起こすの誰ですかぁ・・・邪魔しない様に寝てたのにぃ』
声だ、高い声だなぁ
子供の様な声音だ
その綿はくるりと回転すると可愛らしい顔がしたからにょっこり出て来た
『生き物!?』
ルッカが驚いて固まる、ナッツも同様だ
その綿はふわふわと数センチ程度浮きながら俺の足の周りを巡回していた
これは魔物なのかとか色々考えたが害はないと考えて良いだろう
言葉が話せるなら聞いてみよう
新発見か?俺は子供心が膨れ上がり驚きは無かった
『ごめんね、君の名前はなんだい?』
そう言うと綿はこちらに向いて口を開いた
『僕の名前はケサラ・パサラ・フォースだよ!』
その言葉に俺たち全員その場で固まった
今なんて?なんていった?ケサラ・パサラ?
フォース?え・・・?
『起してごめんなさい』
俺たちは即謝る事にして慈悲をこう事にした
十天の第4位のフォースがここにいたのだ
ケサラ・パサラ『ふははは』
ナッツ『ここまでかぁ』