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【完結済】槍の新兵は夢を見ない  作者: 牛乳太子
5.5章【太古の記述】
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20話 手ごたえ無し!!

ナッツ『弱い者いじめが!』


ケイン『はじまる!』

4人が武器を持ち襲ってくる、まるで素人だ

殺気はいいとしてそれに見合う覚悟を感じない


俺も走り出しているが近づくにつれて口元も黒い布で覆われていることに気付く

目だけ見えている状態だ


『はぁ』


溜息が出る、たかが恐喝でこうまでするのか

三下が考えそうな事だ、大抵弱いてか弱い

力があるならこんな事考えないだろう


俺は左手を突き出して口を開く


『狼撃破』


2発放つと両脇にいた黒服は避ける動作も間に合わず奥に吹き飛ぶ


『キャ!』


『うわぁ!?』


凄い音と共に壁際にいた彼らの両脇の壁に吹き飛ばされた2人は埋まる

俺に向かってくる2人はその光景を見て驚いていた


『な・・なんだ一体!?』


後ろを見る余裕はお前らにはない筈なのだが?

味気ないとつくづく感じる

その隙に俺は姿勢を低くして間合いを詰めた

彼らが俺を向くがもう遅い


『あっ!』


そんな声が聞こえたが気にせず振り上げた剣を持つ腕を左手で掴んだ

もう1人の方は蹴りで手に持っていた剣を弾き武器を離してしまう

俺は掴んだ腕をそのまま真横の壁にぶん投げた、全力だ

そうすると大きく穴を開けて彼が消える


『キャァァ!?』


あれ?声が聞こえるぞぶち抜いた穴の奥から

穴の奥は明るい、よく見るとさっき買い物した店の休憩室なのだろう

俺の対応をしていた女性店員が椅子を倒しながら立っていた

投げた男は気絶している、てか手があらぬ方向を向いていた


『てめぇ何者だ!?』


残った1人がそう言うが俺は彼の拳をかわして顔面の頭突きをする

目を閉じて顔を両手で覆い彼は蹲る、戦意はもう無さそうだが・・・


俺は穴が開いた先にいる女性に声をかけた


『恐喝4人だ、警備兵をすぐ呼べ』


『ひゃ・・あ、はい!』


しどろもどろも良い感じな返事で彼女は直ぐ近くの詰め所に走る

俺は服を軽くホロいながら奥の彼らに声をかけた


『もう大丈夫だ、こっちこい』


男女は直ぐにこちらに走ってくる俺と同じくらいの歳だろうか

カップルだろう、俺は続けて声をかけた


『奥の奴はどうなってる?』


そうすると男の方が口を開いた


『完全に気を失ってます』


そうかとおれは頷く

さて残るは・・・・


『おい三下』


『ぐっ・・・』


一番無事な黒服の1人は顔を上げる

他の3人はもう気絶しているので警備員が来たら任せよう


残したのはリーダー格っぽい奴をあえて残した


『だいたいこんなことするのは三下って決まってるし10人いても負ける気はしないぞ?』


『く・・そが』


襲われていた男女が開けた穴の近くで待機している

俺はずっと膝をついている黒服を見続けた


そうしていると街にでる方から警備兵が5人ほど現れた

後ろにはあの女性店員がいる


俺は奥を指さして口を開く


『奥の壁に2人食い込んでるのと横の穴の中に1人気絶している、残りはこいつだ』


『わかった、3人奥に行け!』


『はっ!』


警備兵が3人奥の方に消えていく

1人は穴の中の黒服の手に縄を巻いていた

残った警備兵1人が膝をついている黒服を見ていた

さてその残り1人だが・・・


『てめぇただで済むと思うなよ』


そんな事をいうもんだから俺は脅すことにした


『シルバシルヴァ』


ドンと狼気が放出し風が舞う

銀色の風が辺りを動き回る


『な・・・』


男は固まっていた、警備兵も目を開いて驚いている

後ろにいる女性店員も時間が止まったかのように動かない

俺は少し脅すように言う事にした


『ただでなんだ?俺とやり合うか?銀狼って知ってるか?』


『お前・・が?・・マジかくそ、運が尽きたか・・』


男は力が抜けたように地面を見た

俺は直ぐにシルバシルヴァを解除に口を開く


『連れて行ってください』


『・・・へ・・あ、はい!!』


警備兵も勝機に戻ったらしく返事をする

奥からも2名連行される姿が見えた

警備兵も何人か増えて4人はどこかに連れていかれた様だ

一先ず終わりかと思ったらいきなり左腕を掴まれた

女性店員だ、目が輝いている


『あれがー!あれが銀狼なんですね!?私目の前で見れました!!ひゃー!』


今度は俺が固まってしまった、凄いテンションだ

俺の左手を掴んで飛び跳ねている、見れて嬉しい物なのだろうか・・


『穴は俺の責任だ、修理費の金貨20枚だ』


『わかりました!でも多分国から出ると思うのですが』


『迷惑料だと思って構わないよ』


『ははははい!』


やっと手を放してくれた、俺は再度溜息をつく

気付くと人だかりが出来ていたので女性店員の店の前まで歩いて移動する

すると先ほど襲われていた男女が立っていたので声をかけることにする


『大丈夫か?』


俺がそう言うと彼は目の前まで来て頭を下げてきた


『ありがとうございます!まさかあの銀狼殿だと思いませんでした!いつかお礼をしたく思います!』


『気にするな、彼女を大切にな』


彼が俺を引き留めようとするが俺はそのまま警備兵と詰め所に向かう

事情聴取だ、その時間もすぐに終わった


どうやらあの襲われていた彼も貴族だったらしく

襲った黒服も誰かに雇われていたようだが吐いてはくれなかった様だ


『多分貴族の嫌がらせで雇った悪人だろうな、たく・・』


詰め所の警備兵がそう口にしていた

解放されてからは俺は直ぐにスカーレットさんの館に戻る

時間も22時いきそうだし急いで屋根を飛んで帰宅した


部屋に戻るとルッカが半分寝た状態で待っていたがすぐに起きた


『遅くまで散歩して・・』


『正義をまっとうしてきた』


『は?』


ウケなかったらしいが俺はプレゼントを渡した

早めの誕生日プレゼントだ、彼女はプレゼントの箱を持ってボーッとしていた


『これから多忙になるし早めに渡しとくよ、おめでとう』


『うん、ありがとう』


頭を振りながら箱を開ける、さっき買ったフラスカの花の形のイヤリングだ

ルッカはさっそく耳につけるがこれから寝るんだぞ?


鏡の前で顔を左右に振ってなんか見てる

その様子を見ていたのだがすぐにこっちに近付いてきて抱き着かれた


『ありがとう・・大事にする』


そう言いつつ彼女はキスしてくれる


『・・・おう』


落ち着いたルッカはイヤリングを外して自分の荷物にしまった

今日はルッカはアレの日なので俺は我慢しなきゃいけない


地獄だ


明かりを消して俺たちはベットでくっつきながら話をしていた


『んで?遅くなった詳細は?』


『途中恐喝を成敗してた』


『えぇ・・可哀そう』


『何でだよ!?』


そんな会話をして俺たちは寝静まったのだ

グスタフ『おい俺呼べよ!?』



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新作ですがこの小説を見てる人ならわかる部分が多い内容になってます 勇者ですが指名手配されたので逃亡ライフをはじめます
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