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【完結済】槍の新兵は夢を見ない  作者: 牛乳太子
5.5章【太古の記述】
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14話 ポートレアのギルド

ケイン『僕空気』

書物庫を見ようかと思ったけどある程度の情報はある

なので別の機会にまた来ることにした


城門を過ぎて国王との会談を終えた俺たちは一斉に背伸びをした


『疲れたのだー』

ルルカがそう言うが皆もそうなのだろう

ナッツも屈伸運動していた


『周りの騎士も強そうな雰囲気だったな』


グスタフは玉座の騎士たちの事を言っているのだろう

見る場所が間違えてるような気もするが


『次は冒険者ギルドなのよね?』


ルッカが俺の方を向いてそう言う

そうなのだ

今回の武人祭での成績で俺とグスタフのランクが上がるのだ

俺はAクラスでグスタフがBクラス

大出世でグスタフも機嫌が良い


『ポートレアでするつもりだしポートレアに着いたら俺とグスタフは行ってくるから先に館に戻っていてくれ』


『はいはーい』


ルッカが返事をすると俺たちは馬車に乗り込みポートレアに向かう

雑談をしているとすぐに着く

そのあとは俺とグスタフは町に残り他に者は館に先に戻る

その様子を見届けてからグスタフが口を開いた


『んじゃカードの書き換えすっか』


『ああ』


そうして俺とグスタフは徒歩でポートレアの中心部に行き冒険者ギルド行く

ここはルーカストアのミューリアで行った冒険者ギルドと違って高さはないが横に広い

一階がミューリアギルドの倍はありそうなくらいだ

やはり酒場があるし軽食も出来る様だ

2階建てだな、だが入る時に屋根を見たが高い棒の上にギルドのマークの旗が立っていた

高さが無い分これが探す見印なのだろう


入るといつも通りだが中にいた冒険者に見られる

まぁ慣れたんだけどもさ

そのまままっすぐ受付に行き窓口で用件を済ます


『いらっしゃいませ、クエスト受注でしょうか?』


『いえ、ランク昇格の書き換えですがジャムルフィンとグスタフの2名です・・・話はしていると国王から聞いていましたが』


『す・・少しお待ちください』


多少驚いた受付嬢は奥に消えていく

受付の近くのテーブルに座っている冒険者も気になって此方を見ていた


『どこも同じだな』


その様子を見てグスタフが囁く


『そうだな、グスタフもランクAになればほぼ全てのクエストできるぞ?』


そう言うと彼は少しやる気を出したようで野獣の様な笑顔になる

だが今日はしないぞ?特訓が明日あるんだから


そうしていると奥から受付嬢と若い女性が現れた

その男性が口を開く


『お待たせしました、副ギルド長のジェシカ・レインスターと申します・・・話は上から聞いておりますので待合室にご案内します』


透き通る声の人だった、綺麗な女性だな

30代はいってないだろうとか無駄に考えてしまう


ジェシカさんに案内されて2階に上がり待合室に行くと俺たちのカードをギルド職員にジェシカさんが預けた

ギルド職員はそれを持って奥のドアに消えていく

違う部屋で書き換え作業らしい

長いテーブルに座るとジェシカさんも奥の席に座った


『現在ギルマスが外出の為に私が対応させていただきます』


『わかりました』


今は出払っているのか、なるほど

グスタフは壁に飾っている魔物の剥製を眺めている

しかも熊限定でだ、なんで熊なんだ

ジェシカさんが口を開いた


『太古の職ですか、あの大会以来この町では・・いや』


彼女は言いなおして会話を続けた


『この国ではその話は広まっているでしょうね、しかもまだ2つ先があってあの強さという事も』


『俺もまだ扱いきれていない感じです』


『それでも確信が持てるくらいの戦いぶりでした、私も準決勝は見ていたので』


タツタカとの闘いか、あれは一番骨が折れた

互いに全力だったが彼がまだ不慣れだったお陰で勝てたのだ


『あんたもそれなりの冒険者だろ?』


グスタフが唐突に口を開くとジェシカが苦笑いしながら返事をした


『私は元Sランクですが国の事情でそうなっただけなので実力は期待できませんよ』


ふむ、ここでもそういう国の力で上がった人たちもいる様だ

それが普通なのだろう

その後の話で分かった事がある、ルカーレットさんが言っていた特Sランクだが


あれはギルドマスターになる際に贈呈される称号に近い様だ

ギルマスの権限も行使できるという点をつけ足して特Sというランクを国王から貰う形らしい

そう考えるとスカーレットさんも行使できるのだろうな

一応Sランクになってないと駄目らしいけど力で特Sはスカーレットさんのみだとか


だよね・・・

ジェシカさんは元々Aだったのだが副ギルド長という役職についた事でSになったのだと言う

複雑だなぁとしみじみ感じる、役職手当みたいな称号のイメージが俺の中ででかくなる


『でも元々Aなら強いじゃねぇかジェシカさんよ』


グスタフが上手い事お世辞を言う

こういうのは得意なのかもしれない


『いやぁ現役離れて3年ですがまだ君達を覗いて若い衆には負けない自信はありますね』


『俺たち』


その言葉に俺は少し反応し口が開いてしまう

そうするとジェシカさんが答え始める


『あなた方は中位職でありながら強すぎるんですよ、グスタフさんもですよ?中位職であそこまで勝ち進んだのです、あなたが上位職なったらどんだけ強くなることか・・・』


手を横に広げて笑ってみせるジェシカさん

俺は念のために聞いてみることにした


『この町を拠点としたランクAのチームはどのくらいいますか?』


少しジェシカさんが考えるがほぼ即答に近い感じで口を開いた


『チームとしてA扱いは5チームくらいですね、どこも有名ですが最近手を組んだカール君とミミリーちゃんのエーデルリッターがA扱いでバニアルドさんがいるタイガーランペイジ、そして竜騎士ダインがいるドラゴンロードがAとしては3強扱いされてる感じですかね』


カール頑張るなぁ、バニアルドもチームとして立ち位置が大きい様だ

チームでのランクは貢献度が大きいのだろうと思う


『ここは5チームいますが普通の町では1チームくらいいる程度の人口ですね』


『そんな多くはいないという事ですね』


『そうです、あなた達のシルバーバレットもA指定は時間の問題ですね』


なれば見合う依頼がしやすくなるだろう

時間があれば検討したい


暫くするとドアが開き

男性職員がカードを二枚ジェシカさんに渡す

直ぐに男性は部屋を出ていくとジェシカさんが立ち上がり俺たちに近付いてくる


『出来ました、ジャムルフィンさんはAでグスタフさんはBに書き換えました』


『ありがとうございます』


『いえいえ、また何かありましたら』


そういいつつ俺たちはジェシカさんと部屋を出て冒険者ギルドを出ることにした

グスタフが依頼表を見たがっていたがやめさせた

今は館に帰ろう


そうして2人で馬車に乗り、夕方には館に戻ることが出来た

一番心配だったことはギルドで暴れないだろうかと言う不安だったが


そうやら俺は考え過ぎていたようだ



グスタフ『え?暴れないの?』


ジャムルフィン『だめ』

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新作ですがこの小説を見てる人ならわかる部分が多い内容になってます 勇者ですが指名手配されたので逃亡ライフをはじめます
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