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【完結済】槍の新兵は夢を見ない  作者: 牛乳太子
5.5章【太古の記述】
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5話 協力関係

ルドルガ『俺はっ!!!』


ナッツ『出禁です』

普段からあった近くのテーブルに俺たちは腰かける

遠くで誰かが見ている気がした、あれは騎士だな

2人こちらを見ているが伯爵の護衛だろう


ブール伯爵は右腕をテーブルに置いて口を開いた


『まず私の願いだが貴族としての私の願いだ、今後君の名前だけを借りたい・・・貴族には邪魔な者を力でねじ伏せようと目論む愚かな者もいる、貴族たちは冒険者を雇って自分の力にする傾向がある、騎士もしかりだ』


俺は彼の話を続けて聞く


『君はこの国では有名だ、今度更に強くなるのだろうと私は予想している・・・将来性を考えてそんな彼の名を借りて馬鹿な貴族への抑止力に使いたいのだ、国最強がいると言うだけで馬鹿も迂闊には手を出してこなくなるのだ、動いてもらおうとは思っていないし迷惑はかけないように尽くす』


静かに俺は頷き彼の目を見る

至って真面目な話である


『簡潔にすると私と友好関係があると言う事実が欲しい、その為なら君の村の発展にも力を貸すつもりだ!そうすれば外から見ればそう思わざるおえないだろう?』


そうだろうな、頭がいい

友好関係にあるからこそ俺の出身である村にも貢献しているという実績も証拠として十分なのだ

ここまでは全然問題ない、事実動かなくてもいいのだ


名前だけ貸す

そしてこちらに火が来ない様に動くと

俺の今後を見込んでの話だった

あれれ?息子と全然違って真っ当な話し合いだなぁ・・・


『他に条件がありますか?』


『ない、ただ安心して貴族の仕事をまっとうする為に君の名前が借りたいのだ、昼にも言ったが私はルーカストアから来た貴族であり一部の貴族には良く思われない様だ』


その一部が彼にとって邪魔なのだろう

暫く話すと彼はこの国の侯爵から引き抜きで10年前にルーカストアから来たらしい

そこの話は多少省いていたが詳しく話しても俺には関係のない事情だ

彼もそれを察してそこらへんは適度に説明しただけだった


『それなら問題ありません、協力をします』


『助かる!これから色々忙しくてな、困っていたんだよ』


そう言うと彼は今までで一番の笑顔をし

俺の手を握ってきた、ブンブン振っている

彼も俺が忙しいのを知っているので直ぐに話をし始めた


『では私が知る君への情報だ』


伯爵はその笑みを消しすぐに真剣な眼差しで俺を見る

俺もそれに同調するかのように目を細めてしまう


『ガウガロは一番歴史が永い国だ、人間と違い各種族の寿命は200年はいく』


『ふむ』


獣族系は大概100年以上は軽く生きる種族だ

それはわかるが200年も生きるのか・・・


『約5000年前に国が出来てこの時代まで生き残っている歴史的国家なのだ』


大昔からあった国なのか、なるほど

どうやら彼の話では昔はルーカストア小国はバルファニア帝国と言う国であったのだ

領土も今のルーカストアの3倍らしい・・・でかい!!!


『その帝国が廃れた元凶は約5000年前に実在した当時100歳くらいでありガウガロの歴代最強の獣王にして世界で一番強いと人族を震え上がらせた狼人族の者だ』


彼も飲み物を買っていたらしく、イチゴジュースを飲み始めた

イチゴ・・・イチゴ?・・・あの人を思い出す


『王女と犬の絵本は知っている筈だ』


『勿論』


『彼らは恋をしていたのだ』


それは予想していた、両想いっぽい感じだもんな

・・・魔天狼の者が王だったのだろう、銀の意思がだ

そして恋をした王女が人間か

その人間はあのアバドンの墓に眠る人物だろうなきっと

それにしても王女の墓だったとなるとその女性は唄人の職だったのか


彼は話を続けた


『今迄はただの隣国みたいな関係だったと聞く、2人のお陰で帝国とガウガロの関係が良くなる兆しであった、だがどこかで問題が起きたらしく敵対関係になり彼らは離れ離れになったのだ、そして帝国がガウガロに攻めてきた・・・それに怒った狼人族の獣王は軍を編成して返り討ちにしたのだ、多大な被害を帝国は受けたらしい・・・戦力差は圧倒的に帝国が上回っていたのにだ』


俺は反応もせずにただひたすら彼の言葉を聞いた


『彼が強すぎたのだ!国家存続の危機にまで陥る程の戦いだったらしい、帝国は大敗したのだ・・・そんな帝国は時間が進むにつれて衰退していき反乱が起きて帝国は滅亡・・・そしてルーカストア連合国として出来てそれから小国として誕生した』


『その狼人族の王が最後はどうなりましたか?』


『色々な記述がルーカストアの記念図書館に眠っていたよ、古い記述で様々な事が書いてたんだ』


彼は俺から視線を外しテーブルのイチゴジュースを見る

そのまま会話は続いた


『戦争後に病死した、戦死した、国を捨てて消えたとか内乱で王権を剥奪された等あるのだが・・・』


その言葉の後に彼は俺を見る


『墓も無いし死んだなら記述は普通残るのだ、ここまで詳しく情報がない・・・簡単に言うとだが』


伯爵は深呼吸をした、そののち再度口を開いた


『その戦い後まだ100年しか生きてない王が死ぬとは思えない、倒せる者がいなかったのだ・・彼は姿を晦ましたんじゃないか?』


彼の予測だ

多分一番重要な最後の情報が無いのだ

歴史の人物の死に方はそれなりに記録するはずなのに

当時の時代の者は誰も知らないと思ったのだ彼は


『そして王女の名はノアだ、ノア・ローランド・ルル・バルファニア第2王女』


俺はその言葉の後に質問した


『その最強の武と言われた狼人族の獣王の名は何ですか?』


彼は深くため息をついて頭をかきだした

暫くすると答えが返ってきた


『そこだけいくら調べても出てこないのだ・・・私が知るこの情報も普通の人には見れない記述である、歴史好きだった私が昔・・貴族の権限で記念図書館の立ち入り禁止である地下室に埋もれた書物から発見したのだが名前は無かった』


彼は肩を落としてそう俺に言う

ここまでの情報は大きい、確実に今後の情報に繋げれる軸になるだろう

俺は情報の土台を得ることが出来た


少し俺の予想も入るが


銀の意思はその歴代最強のガウガロの獣王であった狼人族だろう

狼人族が獣王になったのは彼だけだ

彼は人間の女性と恋をした

ノア・ローランド・ルル・バルファニア第2王女とだ

それまで2つの国はそこまで良い関係を築いていなかったのだ

だがその恋のお陰で交友関係が出来そうになるが何かの原因でそれが叶わず敵対関係になってしまい戦争になる程最悪な状況になったのだ

第2王女だし王族は交友関係を期待していたのだろうか、内部での争いか?

もしかしたら王族はその関係を王女以外良く思っていなかったのか?


そこはわからないがその後は帝国は戦争の傷がもとで衰退して滅亡しルーカストアに変わった

そして当時の獣王も消息不明、


まて・・・あと一つ聞かないといけない


『王女の最後はどうなりましたか?』


『・・・・病気を患った王女は国を出て姿を消したと言うが』


人族の情報はこうか

ルーカストアの本屋のトーマさんが言っていた狼人族の者が聞いた情報はこ確か・・・


病に倒れた王女は初めて会った場所で安らかに眠りについた




病はまぁいいが約束の場所か、アバドンだ

昔は希望の森アバドンだ、銀の意思が言っていた


色々良い情報だ、恋人関係なのは確実だ!

人間と狼人族か、凄いな!!!!!!


『王女の職は何か知ってますか?』


『天位職のマーギア、そう・・・賢者だった』


『マーギア・・・?』


可笑しい、あの墓は唄人の墓だろ?

ゼファーが唄人の匂いに似ているとかなんとか言ってたし

唄人の墓で確定だった・・・なのにマーギア?


『伯爵・・・王女は唄人じゃなかったんですか?』


『違う、そんな記述は一切ない』


何故だ・・なんで

これは何かありそうだ、きっとそうだ

あの墓は王女の墓の筈だ、この時代ではその理由をもう探し出すのは・・・


無理だろう、だが俺は重要な情報を得られた

本当に彼には感謝しないとな



『摩天狼って職は知ってましたか?』


『勿論だとも、当時その言葉は禁句らしかったぞ?泣く子も黙ると言われた言葉だ』


彼はテーブル越しに腕を組んで自慢げにそう口を開いた

もっと聞いてみようか


『5大天位職については知ってませんか?』


彼は軽く頷く


『知っている、当時その獣王に挑んだ天位職だ・・昔は色々天位職がいたらしいが彼が怖くてビビっていたらしいがその中で挑んだ者を人族が英雄と称えたのだ』


その後彼は俺が聞いた5つの職を言う

うむ俺の情報と間違いはない

だがその天位職の各情報は無いらしい


それだけだった・・・まぁいいか


『ちょっとーー!!!私までお腹すいたじゃないー!』


伯爵と声の方を向くとルッカが怒りながらこちらに歩いてくる

ケインは眠そうだ、どうやらかなり永く話した様だ


『すまないな、大事な時間を邪魔した』


伯爵がそう言い椅子から立ち上がると俺も立つ


『ありがとうございました!伯爵の要望には応えますのでご安心ください』


伯爵は満足げに笑みを浮かべて頷く


『では明日の昼に契約書を持ってくる、なぁに心配ないさ・・・変な事は書いていないし君は旅に出ると村人から聞いた、いない間は村の様子もちょくちょく気にしとくさ』


『有難い』


『お互い様だ』


そう言って彼は俺に背を向けて歩いていく、遠くにいた騎士が2人とどこかえ消えていった

それを見送るとルッカが頬を思いっきりつねってくる


『知らない人とお話なんてして、もう早くいくわよ!?小腹どころじゃないわよ・・・もう』


『すまん・・ちょっとヤボ用だったんだ』


『すーぐどこか行くんだから』


そう言ってルッカはケインの手を握り俺たちは屋台で飯を買い

ステージ前のテーブルで食べた


途中グスタフが帰ってきたが疲れた顔をしている

どうしたのだろうか?聞いてみよう


『女の買い物って疲れるなぁ』


『何ヨお兄ちゃん!文句あるー?』


『・・・ぐっ』


すまないが俺は笑ってしまった

祭りも終わりグスタフとも会話をしていたが時間も遅く彼は妹と家に帰った

俺もケインとルッカを連れて帰ることにした


ルッカを家に送った後はケインと夜道を歩いて帰った

ケインは半分寝ながら歩いている感じだ

帰ってからは直ぐにケインを寝かしつけた


俺も早く寝ないとな

ジャムルフィン『しゃーねーリヴィに聞くか』

グスタフ『できんのか?』


ジャムルフィン『怖い』

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新作ですがこの小説を見てる人ならわかる部分が多い内容になってます 勇者ですが指名手配されたので逃亡ライフをはじめます
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