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【完結済】槍の新兵は夢を見ない  作者: 牛乳太子
第5章【ゼリフタル武人祭】
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43章 【決勝】銀狼が轟く時

ルッカ『そういえばジャンは左利きよ!』


ケイン『へー』

俺はルッカに起こされた

ん?起こされ方か、まぁいいだろ

結構幸せな起こされ方だ


起きてからは下の階に行きルッカと朝食をとる

グスタフは妹のルーシーに朝早くから部屋に乗り込まれたらしく

連れていかれてた


朝食時にカールが違う席にいたのだが静かだった

彼は朝食を終えると俺の肩を叩いて


『先に心構えを作っとくさ、油断してると大目玉くらうぞ』


そう言って彼は早めに会場入りをした

のちほどは俺もポートレア総合闘技場に着き

ルッカを席に送り俺は控室に向かう


『ふう・・・』


ついてからは静かだった

決勝は控室は2人しか使用できない

俺とカールだ、彼は目を閉じて静かに座っていた

3位決定戦ではタツタカがライラに勝っていた


あいつライラに見とれてた隙に何発か蹴られてたな、馬鹿たれ


ふと声をかけられた


『古代職・・・か、もしや俺の職にも先が』


『可能性はある』


カールは真っ直ぐ俺を見る

俺は腕を組んで彼の方を向き直して続ける


『俺の情報ではだが、長い年月によってそれが廃れたんだ・・・昔は今より多かったらしいが』


『何も無しに廃れるとは思い難い』


『確かにな』


そういえばそうだ、何かがあってその数を減らしたのだろう

何があったかは分からないが

ふとカールが笑った、良いイケメンだな

黄色く長い髪がより際立つよ


『俺にもまだチャンスがありそうだ、聖騎士の先か』


『あるんじゃないか?スカーレットさんが知ってそうだが』


『ほう、一先ず情報は入手せんとな』


彼も強さに憧れる男だろう、悪い奴じゃないのだ

中位職のグスタフにもちゃんと敬意を払う男だ

蔑むんだりするイメージはない、かれも努力できる男なのだろうな


抜け目のないいい男ってか!くぅ!!!


『時間です』

係員の言葉で俺たちは無言で立ち上がりリングへと向かう

会話は無かった、いや一つだけあった


『これはそんな廃れた時代の人間が本当の職とは何かを見出す戦いかもな』


彼はそう言って己の入場口に向かった


リングに入ると会場もいつも通り沸いている

司会も大興奮のようだ、不思議と落ち着く

悪い意味じゃない


リングの中央に着き俺たちは目を合わせた

彼も心地いい感じの笑顔だ、彼だって強い

剣術もそうだし術も豊富だ


確実に技や術の即効性を求めた鍛錬をすれば化けるだろう

今でも彼は上位クラスだ、彼の大会での戦いを見ると剣術が綺麗だと思えた

判断力も場数が多いせいかナイスなチョイスで相手を翻弄したりもした


『始めぇぇ!!』


ゼリフタル武人祭の決勝戦が始まった



彼の術の構築時間が速ければ俺も大変だったろう

カールの弱点は俺もわかっていたし彼もこの大会でそれが確実なものと感じただろう


『俺はまだやれるぞ!銀狼のジャムルフィン!!!』


単純な武器での勝負では苦戦を強いられた

引き出しが多い、どんな攻撃にも対応した剣捌きをしたのだ

カールはダメージを喰らっても笑ってみせた


『まだ終わらんぞ!俺を舐めるな!!』


俺の技を流して見せたり真っ二つに切って見せたりと

彼は何度でも立ち上がってきた

立ち上がるたびにカールはどうだ?みたいな顔をしてくる

その度に苦笑いしてしまう


『本気を出すまで俺は諦めんぞ!!』


普通の戦いでは決着がつかない相手だった

俺はシルバシルヴァを数秒だけ使い

彼にトドメを刺そうとした


『これが・・・か、フフフ・・・俺も更に上の世界に興味を持ったよ・・・次に戦う時は・・』


俺は無言で頷いて彼に突っ込み壁に吹き飛ばした

それからは彼は立ちあがれなかった

頭で立ち上がろうと意地を見せたのだがそこで力尽きた


そんな彼の最後に俺は深くお辞儀をしたのだ

きっとあなたもその先を目指せると信じている



『優勝は!世界最強の職を持つ男!銀狼のジャムルフィン!』



俺はリングに槍を刺し天に向かって左腕を思い切り振り上げた




カール『戦いの描写・・・』


ナッツ『あ、カットでーす』

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新作ですがこの小説を見てる人ならわかる部分が多い内容になってます 勇者ですが指名手配されたので逃亡ライフをはじめます
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