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【完結済】槍の新兵は夢を見ない  作者: 牛乳太子
第5章【ゼリフタル武人祭】
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41章 【武人祭4日目】プリッ

ルッカ『ジャンじゃない様な気がする』

100発の術か、普通は不可能な事だ

術の溜めが尋常じゃないくらいかかるからだ

30秒くらい溜めないと無理なんじゃないかな


だがこいつは確実に全てを省略した技や術を使用できる

だからこそ実現できる不可解な奥の手だ

魔力の底とか考えない方がいいかもしれん

小癪な奴め


『銀超乱!』


俺も技で対応することにする

50匹の銀色の狼を槍の先端から放出した


『半分削らせてもらうぞ?』


『!?』


俺の銀超乱と彼のファイアバレット100発

俺はかなり狼気を込めた物を放った、俺の狼気もこの瞬間残り4分の1を切っただろう

繰り出した技に狼気を込めまくってたしな


彼の技と接触後爆発が鳴り響く

あっちは炎系でこちらは爆発系なので威力はこっちが上

彼の残った術は10発近くしかない、普通に避けれる


『よっ』


槍で捌きつつ避けれるファイアバレットは最小限で回避する

彼も驚きの顔をしているので俺は首を回しながら口を開いた

遊びは終わりだ!


『そろそろ終わりにしようって俺の職の記憶がそう言っている』


『ジャムルフィンさんも何か聞こえてるんですか?』


俺は軽く笑ってしまう、念のために彼に聞いてみよう

槍をトンッとリングに付けて聞いてみた


『なんか頭の中五月蠅いよねこれ、君の職は何て言ってるんだ?』


タツタカは申し訳なさそうな顔で俺に返事をした


『なんか・・・お前の時代は終わった!って脳裏をよぎってます』


『そうか、昔の職の記憶がそう俺に言いたいんだろうが俺の職も君自身に言いたい事があるらしい』


彼は目を細めて首を傾げる、気になるのだろうな

俺はシルバシルヴァを発動し銀色の狼気を放出する

やはり風が吹き荒れ狼の様な咆哮に似た音を出す


少し狼狽えた彼に俺は目を閉じた


そしてカッと目を開き伝えた


『中途半端に挑みおって!トドメを刺してやるから出直してこい愚か者!!!』


タツタカの目が大きく見開き見たことも無い術を発動した

もはや炎じゃない、業火だった

馬鹿でかい業火の津波が前方から押し寄せてくる


俺は高くジャンプしてそれを避ける

今の状態なら楽勝だ

タツタカがその光景を見て深く身構えた

何かしてくると予測して回避に専念するのだろう

それでいい、よかった


そして手を天に掲げながら会場のとある人間に口を開いた


『術壁を死ぬ気で固めろ!でないと簡単にぶち抜くぞ!!』


一回目のヒビでは即術者が術壁の展開をしたので修復を完了していたが

今から放つ技には絶対耐えれない


ふと大きい存在を捉えた、スカーレットさんだ

彼女が会場の観客を守る術壁を瞬時に構築したのを見る

なにやら彼女が大声で叫んでいるが聞こえない、何だろう

そのあとに他の観客から何人かが術壁に協力していた


あの女には感謝しなくてはな、今はまだ勝てぬが


俺はそれを見た瞬間に狼気を全力で込めた

そしてリング上空にまた銀色の球体が姿を現す

今度は10mあるだろう大きさだ、でかい!!


『終わりにするぞタツタカ、長期戦はまだ俺に分が悪い』


彼は初めて真剣な顔つきで俺に頷く

そして掲げた左腕を下に振り落とし叫んだ


『天銀!!!』


リングに落ちた銀色の球体は予想を超える無属性の大爆発を起こす

リング上に安全地帯などないだろう

観客を守る障壁がミシミシ音をたてて耐えている

一瞬ヒビが入った様な気がするが耐えてくれ


そして俺は静かに次の技を出した


『銀彗星』


凄まじい破裂音と共に俺は【誰もいない場所に】音速を越えた超加速をする

今はいない、だが現れるんだよ


天銀を落とした瞬間に彼は消えたのだから


『おぉぉらぁぁぁぁぁぁぁぁ!』


俺は誰もいない空間に歯を食いしばり全力で拳を振る

振り切る瞬間にタツタカが現れたのだ

お前の能力は素晴らしいよ、怖いさ

だがお前の反射神経は能力じゃ補えない


俺の技を見てから避けると言う脳の伝達よりも俺の繰り出す技の方が速い


『ぐほぉっ!?』


タツタカの腹部に思い切り殴る形になる

念のために狼気で拳を固めてるんだ、打たれ慣れてない君には十分だ

彼を殴った瞬間に俺は微かな音を聞いたのだ





プリッ!



『・・・ブフゥ!』


俺は少し力が抜けたがそのまま腹部に当てた拳を振り抜いて彼を壁にぶっ飛ばした

大きい音をたてながら壁に吸い込まれていき、タツタカは壁に穴を開けて消えてった


天銀の落下させた時の爆発の砂煙が多少舞うが

彼を壁にめり込ませた時の砂煙も更に舞う


『くっ・・・』


俺は着地してシルバシルヴァを停止させた

そこで気づいたがリングは粉々に砕けてリングと言えない物となっていた

俺はリングがあった地面に着地する

槍を構えて様子を伺う、お願いだから終わってくれ


そう思いながら砂煙が消えていき壁の穴が見える

目を細めて穴を見ると彼がよだれを垂らして気絶している姿がみえた



終わったのか・・・あんなのと戦うとかつらいぞ本当に

予想外なダメージに俺は膝をついてしまう

ほっと肩を撫でおろして静かにガッツポーズをするが


これは言わないといけない事だ

いっておこう


『危ない技使ってすいません・・・』


俺は周りを見渡す

あれ・・・みんな口を開けて止まっている

何が起きた?どうしてそんな・・・


そうしているとスカーレットさんの笑い声が聞こえたのちに

聞きたかった言葉を彼女の声で聞くことが出来た、


『勝者は銀狼のジャムルフィンさんです』


その言葉が言い終わると同時に鼓膜が破れるかのような歓声が俺の耳に響いた

やばい立てない・・・狼気を使い過ぎた

少し眩暈がするので俺は膝をついてるのも面倒で倒れることにした


パタンと横になり楽になる


楽ちんだ、横になってる方が気持ち的に良い

奥から救護班が壁にめり込んだタツタカに救助に行く

彼はタンカで運ばれていく、丁度俺もタンカに乗せられてリングを出ることになる


5000年の時を超えて再度因縁の戦いが幕を閉じた

タツタカ、お前は強いよ

その力を一年勉強して鍛錬に励め、お前の無実を証明できる力をつけろ


彼の職情報は聞いていたがこれはガウガロが終わった後に再度皆で話し合う予定だ


まず今日は勝ったぞ





ジャムルフィン『プリッ!?』

タツタカ『うわあああああああああああああああああああああ!!』

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新作ですがこの小説を見てる人ならわかる部分が多い内容になってます 勇者ですが指名手配されたので逃亡ライフをはじめます
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