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【完結済】槍の新兵は夢を見ない  作者: 牛乳太子
第5章【ゼリフタル武人祭】
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37章 【武人祭3日目】早い打ち上げ

ナッツ『やぁみんな』

グスタフ『ちっ』


ナッツ『えぇ!?』

俺はまっすぐポートレア総合闘技場を出ることにした

出る途中に色んな人をすれ違うが、かなり囲まれた

慣れていないんだ恥ずかしい、沢山握手を求められた


会場にでてやっと一息ついたと思ったら


『息子ォォォォォォ!宴会するぞぉぉぉぉぉ!』


『と・・・父さん!?』


俺の父さんがハイテンションで俺に近付いてきて腕を掴まれた

されるがまま俺は腕を引かれてナラ村関係者が泊っている宿の隣にある

飲食店で打ち上げになった


俺、父さん、・母さん・ルッカ・ゼルさん・マリーさん・グスタフ

グスタフママに妹のルーシー

ケイン&ルルカにナッツだ


多いような気もするが・・・

俺が着いた時にはもう準備は終わっていたらしく乾杯だけになっていた


『グスタフ君と息子にかんぱぁぁぁぁぁい!』


よくわからない乾杯で皆飲み食いを始める


もう父さんが壊れている様な気がしてならないんだが

みんなその光景に苦笑いだ

料理は鮮やかにたくさん並べられていた

父さんとゼルさんはビールを飲んでいた

他はジュースだ、俺はレモン果汁がほんのりの物


肉の種類も野菜の種類も沢山で俺たちにとって豪華だった

まだ優勝してないんだけど・・・


『ジャフィンさんお疲れ様です』

ケインが俺の腹をポンポン叩きながら言ってきた

俺はケインの頭を撫でながら口を開いた


『ありがとうケイン、さぁもう少しで家に帰れるぞ?』


『はい!楽しみです!!』


丁度この大会を終えてスカーレットさんの館の修行をすればガウガロに迎える時期になる

色々今は大変らしいのでまだ向かえないのだ

ケインを母さんの隣に置いてからは俺は椅子に座り飯を食っていた



上手い!!!


色々周りを見ているとルッカが俺の椅子の隣に来た


『お疲れ様、まだあるんだけどさ』


ルッカがそう言うと俺は軽く笑う

明日もあるのだ、何の宴会だろうか


『だよな、まぁ頑張るよ』


軽く互いのグラスで乾杯をすると恥ずかしそうに小さく聞いてきた


『リング内の会話も拡声術できこえてるんだからね・・・』


『おおすまんな、ボーイズトークってやつだ』


『もう・・』


少し顔が赤い、俺も恥ずかしいさ

後から気づいたけどさ


『次は上位職になってでるからなぁ』


『頑張れなのだグスタフー!』


ガツガツと肉をむさぼりながらそう言うグスタフにルルカが声援を送る

グスタフの右にルルカ、左に妹のルーシーと花の席になっていた

どうしてだ?

ちゃんと近くにはグスタフの母であるディジーさんがいる


ディジーさんに飯を詰め込み過ぎと怒られるグスタフ

面白い光景だ、そうしていると誰かが近づいてきた


『先輩ぃぃぃっぃ!』


『ナッツ!?何してた』


俺は腹をかかえて笑ってしまう、忘れてたよ本当

話を聞くとナッツの町に魔滝が来たらしく

キャメルが応援に来てくれて戦っていたらしい


ゴブリンが殆どで怪我人も大したことなかったとか

なるほど、ナッツは大変だったか・・・

俺も明日は大変だ、普通の相手じゃないのだ


どう戦うか・・・


『考えている顔だね?ジャフィン君』


そういいながら顔を真っ赤にしてルッカパパのゼルさんが来た

彼は近くの椅子に座った、丁度隣がルッカなので一つ分離れて座る

ビールを飲んでいるので赤いのだろう

俺は軽く互いのグラスで乾杯をした


『明日の相手も相当な能力なので』


『ほう・・・』


なにやらニヤニヤと俺を見てくる、どうしたのだろうか

ゼルさんは椅子から立ち上がり俺の後ろに来た

おもむろに両肩を揉みだして口を開いた


『婚約者の為かぁ・・・愛の力なのかい?』


『意味が分かりません』


『ハハハハハハ!』


酔っぱらいは絡まれると面倒だと言うがこの事だ

俺は逃げれないだろう、笑うゼルさんに俺は苦笑する

ルッカママのマリーさんがテーブルの反対側で声をかけてきた


『昨夜は娘から元気貰ったでしょう?』


俺は少し固まった

ルッカの方を向くと彼女は何も言ってないよ!的な合図を静かに首を横に振り送ってくる

どうしたもんかと頭をかいてしまう

後ろにはゼルさんがいるのだ、まだ肩を掴んでいる


振り向いちゃだめだ、きっと


『頑張れました』


これが一番無難だ・・・うん


『フフフ!そうだろうそうだろう!』


後ろにいたゼルさんも満足らしくマリーさんの隣に向かう

助かったか、ため息をつく




暫く宴会は続いた、といってもあれから一時間くらいか

料理も食べ終わり談笑になってから意外とお開き迄すぐだった


俺はナッツとルルカにグスタフそしてケインとルッカを呼んだ

ケインはこの話に関係ないかもだが


宴会の後は上記の人物が残りグスタフが真剣な顔で俺を見て口を開く


『なんか大事そうな話だな、どうした』


『いや、ただ大会後の予定の確認さ』


俺は皆と確認の為に話し合った

ゼリフタル武人祭後はこのままスカーレットさんの館にて特訓

そして頃合いを見て俺たちはガウガロに出発だ


そこまで言い終わるとルルカが手を上げて口を開く


『前に聞いたガウガロにある意思?て奴をアバドンの墓に持っていくのだな?』


『そうなる・・・が、何が意思なのか不明だ』


ルルカの言葉に俺は不透明な返事をしてしまう

実際わからないのだ、消える前に言われただけ

意思の正体もヒントもない


これは骨が折れそうだ・・・

そう思っていると皆も下を向いて考える

情報が無さすぎるので手あたり次第探すしかないのかもしれない


どんよりした空気にケインが突破口を開いた


『狼人族の王族しか入れない祠の事ですか?』


俺たちはケインの言葉に食い入るように反応した

なんかわかりそうな気がする

王族しか入れない祠か・・・期待は大だ


『お父さんしか今は入れない筈で他の狼人族は入ったことがないらしいので僕もわかりません』


『ケインは入った事あんのか?』


グスタフが質問するとケインは残念そうに頭を横に振る

調べる価値はかなりあるので行ってからは考えなくてもいい様だ


果たして意思とはなんなのか、それがわかるかもしれない

これ以上の話し合いでは難しい感じになりそうだったので俺たちは解散することにした


俺は明日がある、集中しなきゃいけないのだ

俺とグスタフは一先ず指定された宿に向かう


夜も深くなり人もさほど街を歩いていない

俺たちはそんな通りを無言で歩いていた


『すまねぇな』


突然グスタフがそんな事を言ってきた

何故謝られるんだろうとふと考えてしまうが

彼の顔は複雑そうだ


『仕方がないさ、回復してなかったしな』


『皆同じだ。俺だけじゃねぇ』


ふむ、そんなの俺だけじゃねぇってか

いやはやお堅い男だ・・・まぁ嫌いじゃない

だからこそのグスタフだろうな


『カールがよろしく言っといてくれってさ』


『あの野郎、来年はボコる』


『ハハハ』


カールの名前を出したら本調子になり笑ってくれた

俺はついでで色々グスタフと話した


『ライラさんは医務室に来たか?』


そう言うと彼は苦笑いして軽く咳をした

ん?どうしたんだ・・・


『あいつ余計な事言って帰りやがって・・・』


何か俺の知らないとこで面白い事が起きたような雰囲気だ

だが聞こうにも殴られそうだしやめとこう

そんなこんなで宿について俺たちは部屋に戻ることにした


グスタフと別れる時に彼が俺を呼び止めて

口を開いた


『明日は勝てよ』


俺はその言葉に無言で頷いた

ルッカ『お留守番・・・』


ジャフィン『その前に沢山しないと』


ゼル『何をだい?』

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新作ですがこの小説を見てる人ならわかる部分が多い内容になってます 勇者ですが指名手配されたので逃亡ライフをはじめます
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