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【完結済】槍の新兵は夢を見ない  作者: 牛乳太子
第5章【ゼリフタル武人祭】
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25話 【武人祭2日目】強豪達

ジャフィン『戦いたい!』


ケイン『あなたも戦闘狂になったんですか』

俺とグスタフは残りの試合を椅子に座り、窓に腕を乗せてみていた

それぞれ勝ち進んだ強敵の能力と特徴をなんとか知ろうとしていたのだが


『あんま手の内見せねぇ戦い方だな』


グスタフがしかめっつらでそう答えた

一日目は何とかして手の内は見せたくないのだろう

当たり前であるが俺もそうすると思う


最初は狼気を使わずいきたいが相手次第だ

不味くなったらシルバシルヴァを起動すればいいがこれは本当に奥の手だ

使ったならトドメまでいかないとまずいだろう、使いどころを見極めよう


暫くするとあの不思議な黒い仮面の選手が出て来た

大丈夫かなと思っていたのだが彼は難なく勝利を収めていたのだ

相手が突っ込み、黒い仮面は身構えていた状態


リースと言う選手が先制攻撃すると思いきやいきなり黒い仮面の者が雷術を使用して蹴っていた、それで決着

相手選手も何が起きたかわからないだろうな


『あいつ、つぇえぞ』


グスタフが真剣な顔で小さく呟く

俺もそうだと思った、ほぼ一発で終わった

しかも術の構築時間がない、瞬時に発動していたのだ

術スキルのレベルはとんでもない様だ、しかも


『あの術であの蹴りの速度だ・・体術も高いだろうあれ、あれじゃ負けた選手が知らないうちに負けた感じになる』


『術を使う際の溜めが一切ねぇんだ、ノーモーションすぎるぜ?』


『相手もびっくりだな、術を魔力の溜め無しだからな』


普通はあり得ないのだ、術には溜める時間がある

それを詠唱時間ともいう、術の名を唱えるのも詠唱だ

それが一切感じられない、使おうと思った瞬間にもう放っている感じだ


『ジャフィン、おめぇ気をつけろよ』


彼は心配してくれるようだ、感謝しよう

だが不思議な選手だ


何故だろう、自分の能力に自信がないようなぎこちなさを感じたのだ

気のせいだと思うが


『皆さま!!一日目はこれにて終了でございます!明日は第2回戦とシード戦になりますのでより白熱した戦いを期待してください』


司会の拡声術で観客も盛り上がる、一日目が終わったのだ

俺たちは椅子から立ち上がる


グスタフは横で暢気に背伸びをしていた、俺は欠伸が出た

今日戦ってないので少し不満だ、俺の確認不足なんだけどさ


『行こうぜ』


グスタフの言葉で俺たちは選手控室を出ようとする


『ちょっとぉ!』


ん?入口を出ようとする瞬間に何か聞こえた

俺は何も考えずに後ろを振り返り、控室を見る


すると150㎝くらいの女性が目の前にいた

赤い髪のロングヘアーの可愛らしい子だ


『どうかしたのか?』


俺がそう答えると彼女は不満そうな顔で俺を見てきた

微妙に考える時に出る唸り声が聞こえる気がするのだが

俺は彼女に何かしたのだろうか?確かこの子も大会に出ていたな


『女だからって舐めないでよね!明日見てなさいよー!』


左手を腰に付け、右手で俺を指さし、そう言ってきた

ん~?ああもしかして


『ジャフィン、明日のお前の相手だぞ?』


そうだった、ミミリーか

双剣の選手だったな、珍しい武器だ

手合わせした事が無い武器、一回戦見ていたけど彼女も手の内は見せていない

双剣の連続攻撃の波で押し切った感じだった


『明日はよろしく頼む』


『ぐぬぬぬう!』


なんでこの子は唸るんだろう、じゃじゃ馬気質な気がしてならない

苦手かもな俺はこういうタイプ、嫌いじゃないけど面倒かも

早々とその場を立ち去り俺たちはナラ村関係者と闘技場の外で出会った


相変わらずルーシーはグスタフに無表情を決め込んでいる

昔は明るい良い子だったがツンデレになったのだろうか

だが兄思いだとは思ってるのだが


ルッカと話していると父さんが冷やかしてきた

歳を考えろ父さん!!


ルルカもケインもだが皆同じ宿に泊まっているらしい

ベリト副将がバラバラにならない様に手配したとか

期待に応えてくれているのだからこれくらいはするさと言ってたぞと父さんが言う

ベリトさん面倒見いいよな本当


『お兄ちゃん明日も弱い物イジメ?』


『だぁから格上しかいねーだろー!?』


『しらなーい!』


なんだよこの兄妹コント、微笑ましいけどな

そんなこんなで解散し、俺たちは選手用の指定された宿泊施設に泊まった




そして2日目が来たのだ


『さぁ~皆さま!待ちに待ったゼリフタル武人祭2日目です!より強者が残った2日目です!!今年の最強を目撃するために!第一回戦を始めます!!』


司会の言葉で会場はワッと盛り上がる

俺は選手控室の窓リングを見ていた、グスタフは隣にいない

何故なら


『では2日目の最初の試合です!!!!シード枠である深紅のバニアルド選手!数少ないランクAの冒険者でもあり大剣を武器にしています!目が赤いのが特徴の選手です!!』


大剣を使うランクAしかも職は上位のバウンサーだ、体術もかなりもモノだろう

俺でも強いとわかる、単純な奴じゃない

黒い鎧をまとう短髪黒髪の男だ、赤い目の色が黒で統一されている分、際立って目立つ

肩までストレスなく動かせる様に肩の部分に防具はない鎧だ


『そして今大会でのレア中位職のヴァイキングである首狩りグスタフ!対1に優れた能力をどういかしてくれるか!そして何を魅せてくれるのか!』


そうだ、グスタフが最初の試合だ

グスタフの事は俺は知っているつもりだ、誰よりもだ

特訓で何回も殴り合ってるからな、だがな・・グスタフ・・・



今回は分が悪すぎるぞ


挿絵(By みてみん)

ガリオ『俺は出番ないの?勝ったんだよ?』

ナッツ『ないよ』

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新作ですがこの小説を見てる人ならわかる部分が多い内容になってます 勇者ですが指名手配されたので逃亡ライフをはじめます
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