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【完結済】槍の新兵は夢を見ない  作者: 牛乳太子
第5章【ゼリフタル武人祭】
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23話 【首狩りの猛威】

グスタフ『俺!』



『さぁ大会の始まりを飾る第一回戦です!、ルールは簡単です、刃物の代わりに自分の武器に近い木剣等を使用して戦ってもらいます、最後まで立っていた者が勝ちです!、万が一の為に術などは客席に飛ばない様に術で反射対応しておりますのでご安心ください!物理的なものは弾く事ができませんので皆さまお気を付けください!!!なお選手の怪我も上位治癒術が使える人間がおりますので大丈夫!』


解説のその言葉で会場が沸きあがっている

俺ぁそんなのはどうでもいい、まぁ少し慣れない状況での喧嘩だが

面白ぇ奴が沢山いる、暇しねぇ


俺はその言葉でリングに向かう、向こう側からは俺の相手が歩いてくるのがわかる

あいつも強ぇ、俺にはわかる


『さぁバツ選手はランクBの上位職の片手剣の選手です!そして対する相手は自然に育まれたナラ村出身でありランクCの獰猛な大剣使い、人を彼は首狩りグスタフと言う!!!』



一回戦の始まりが俺か、まぁいい

ジャフィンも今日戦うと思ってるだろうが

あいつシード枠だろ、今日ねぇよ馬鹿

まだ気づいてない様な雰囲気だったなさっき


『さぁ両者準備はよろしいですか!?』


司会の拡声術が鳴り響く、俺は相手をジッとみていた

なるほどな、片手剣か

良い目つきだ・・・楽しめそうだ


やられるのは俺かもなぁ、だが負けられねぇんだ

俺には野望がある、人から見ると野望に見えねぇかもな


笑いたくなるくらい小さな野望だ、だが強くならないと駄目なんだ


『俺は大丈夫だ』


対戦相手がそう言う


『いいぜ』


俺も答えてやった

あいつも構える、俺も構える


『では皆さま!選手の準備が終わりました!!!記念すべ・・』


司会が何か言ってるがそれはいい無視だ、合図だけ聞ければいい

ほう・・・相手も突っ込んでくる気マンマンだな、好きだぜそれ

だがぎこちないな?姿勢がまだ高い

俺は猛獣の様な低い姿勢で相手よりも低くなる

限界まで低くし前傾姿勢にし、地面を左腕でつく


お前がくるなら俺もいくさ、この始まる前の静寂

たまらない・・・色々な思考が頭をよぎる、だが俺がやることは一つだ

相手を見て・・・見つめて・・・感じて・・・予測して・・・



『はじめ!!!!!!!!!!!!!!!!』


『ッシィ!』


俺は足が可笑しくなるくらいな力で地面を踏み込みあいつに突っ込んだ

そのせいで俺がいた地面が砕けた

ほら、あいつも突っ込んできた・・・最初は剣で交える気だな


それでいい


タイミングずらそうと早く突っ込んだのだが無理らしいな

流石上位職、予想より俺のスピードがあると認識して無理やり合わせて来たか


剣術なら俺の方が分が悪いだろう、知ってるさ

おれは武器にこだわってない

大きくて何となくしっくりしているから持ってるだけだ

チャンバラごっこする気はねぇぞ


ガキィィィン!


俺の大剣と相手の片手剣がぶち当たる、ていっても木剣だが

俺は片手で武器を振っていたが相手は両手か・・・都合がいい

互いの武器が交わったその瞬間に俺は即手首を回して・・・少しだが

相手の木剣の力の軌道を変える、相手が一瞬力を込めて阻止しようとするが


もう遅い



俺はその隙に木剣を放しつつ相手の武器を持つ手首を掴んだ

すぐに反対の左手で木剣を握っている拳を握った


目を丸くして面白い顔してやがる、武器を捨てた瞬間もそんな顔したなぁ

今はさらにレベルが高ぇ顔だ


『いっぺん死んでこい!』


俺は思いっきり相手選手を両手を使い、ぶん回して地面に叩きつけた

石でできたリングが多少陥没した

まだ手は離さない、終わりじゃねぇ


そのまま観客席の階段にそいつを思い切り投げた、客はいねぇから大丈夫だ

俺の対戦相手が観客席の階段に吸い込まれていく

体重は軽くて投げやすいな


ドゴンと音がした、派手に階段が壊れたらしい

砂煙みたいなのが舞うがすぐに消えた


対戦相手は・・・動かねぇ

司会も喋らねぇ、スカーレットさんが軽く笑ってやがる

面白い要素あったか?わからん


やはり対戦相手は動かない、終わりか?

長期戦してたらこっちがマズかった気がする

客がいるのに面白味ねぇと思うがこっちはマジなんでな


『・・・バツ選手?意識は・・・』


俺は大きい木剣を直ぐに拾い対戦相手の攻撃に備えた

くるか・・・?


『・・・バツ選手・・・気を失っております!よって・・・首狩りグスタフ選手の勝利です!』


お?勝ったのか・・・正直ほっとした

博打に近いからな、格上しかいない大会だ

一番自信のある戦い方に持っていくしかねぇ

それが通用したんだ、・・・うし


観客席がドワッと歓声が上がっていた

少し気疲れしたぜ、今日の俺のお仕事は終わりさ

早々と俺はリングから降りて控室に戻る為に歩き始めた


途中見つけた、声が聞こえた

ありゃあ・・村の奴らじゃねぇか!?!?なんでだよ!!


が!?!?ルーーーシーーー!?

てめぇ行かない言ってたじゃねぇか!

なに拍手してやがる・・・くそ・・・くそ・・・

おふくろもいるし・・・ったく

ルッカ家族もいるしジャフィンの親もいる

その隣でルルカとケインもジャンプしてはしゃいでやがる

まぁルルカのプチ修行は付き合ってやってるから間違った負け方だけはしねぇ様にしないとな


俺は一応村の人間がいる方に手は軽く上げてこの場をあとにした



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

『・・・バツ選手・・・気を失っております!よって・・・首狩りグスタフ選手の勝利です!』


『ウワァァァァァァァァァアアァァ!』


『決着早ぇぇぇ!』


『なんだあいつ!?すげぇぞ!』


グスタフが大勝負に挑んだらしい、まぁあいつらしいよ

相手は一回の交わりで相手を見定めるつもりだったのだろうが


相手が悪かった、対戦前に調べたがバツは剣の一番無難な上位職『剣人』だ

剣術6だけで慣れる条件だ、剣で戦いたいだろうな

させる前に掴まれればそりゃ剣は意味がない、拳まで掴まれちゃな

体術勝負になるが、剣人にはキツイだろう

一回目の交わりで勝負がついたもんだな


流石だよグスタフ


俺は静かに選手控室でリングから消えていくグスタフを見守り

小さく拍手をした


ルーシー『お兄ちゃんすごおーい!!』

グスタフ『そ・・そうだろう!』

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新作ですがこの小説を見てる人ならわかる部分が多い内容になってます 勇者ですが指名手配されたので逃亡ライフをはじめます
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