第一話
あぁ・・・ここはどこだろ、一面真っ暗闇。天国かな?だといいんだけど、地獄は・・・ちょっと勘弁。
フェルデン・・・ごめんね・・・・・・。もう、会えないの・・・・・。
「・・・ぃ」
ん?何か聞こえた?・・・気のせいか。
「ぉい、おい!」
ほぇえ!?誰、誰ですかぁあ!!?
「え、俺?フェルデンだ、ご主人。」
「!! ・・・フェルデン、なの?じゃあ、これは神様が起こしてくれた奇跡なのね!!わぁ、嬉しい!自分の犬と最後に会話できるなんて!!あぁ、素敵!!!」
「おい、ご主人?!おきろよ、ご主人は生きてるんだぜ?なぁなぁ、おきろって!!」
「へ?生きてるの?私。ってことは・・・これって夢?まぁ、犬が話すわけ無いしね。」
「いやいや、残念ながら俺は話してるぜ?ご主人。」
「だから、これは夢だからでしょ?って痛っっ。」
ん、痛い・・・?だってこれは夢の中のはず。うん、おきよう。夢から覚める夢から覚める夢から覚める夢から覚める・・・・・・
パチッ
ほら、夢だ。生きててよかったぁ。で、さっきから気になってたんだけど。
「アンタ誰」
「反応おせぇな」
「いやまじで誰?ココ病院じゃないし。私はいったいどうなった訳?」
「先ずココは・・・病院じゃなくて、んー、いや病院・・・か?」
「はっきりしろよ」
「あ、あぁ。じゃあ病院で。でどうなっただっけか、死んだんだけど生き返った。」
「いや、あのつっこみたいんだけどさ、茶色の病室ってどーよ。「そこか」・・・悪い?てゆーか死んで生き返ったとか嘘っしょ。ありえないじゃん。で、もう一度聞くけど誰?」
「だから、フェルデンだって!よく見てみろよ、髪の色とか、肌の色とか、目の色とか。」
えー・・・髪?クリーム色。・・・一緒だけどさ、偶然でしょ。肌は・・・って分かるかっ!!!後は目かぁ。・・・このキュンと来る感じはフェルデンしか・・・。
「ってなに顔赤くしてんの。」
「だってご主人がじっと見つめてくるもんだから・・・。」
「いやいやいや・・・乙女な反応返されても。で、本題に戻るけど。・・・・・・フェルデン、会えてよかった。無事だったんだね。」
「ご、ご主人・・・!!!ワンッ(大好き)」
「キャァァアア!!その姿で飛びついてこないで!!変態っ!」
「(ガ、ガーン)へ、変態だなんて、ヒ、ヒデェ・・・・・・。」
やっぱり、こんなのが私の天使だなんて思えない・・・。
あぁ、帰ってきて。可愛いフェルデン!!