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偽りだらけの歴史

今まで静かに聞いて周りの会話に耳を傾けていたスリジエが口を開く。


「フキノトウ―いや、ゲイルと言ったね。君が僕らの国にやってきたとき、僕は不信に思ってね。色々調べたんだよ。もちろん、君の術のせいか。君のことは何にも不審なことは見当たらなかった…だけど、そのときたまたま各地の村の伝承を耳にしたんだ。」


丁寧に紙にまとめられた資料をゲイルとサランの前へ出す。


「多くの少数民族に伝わる話…そこに必ず登場していた、自分たちに暴力をふるう橙色の悪魔…迫害をしていたのは、君たちなのではないか?…橙の民は神の言葉を授かる者として神聖化されていた。だが、あるときから橙の民はその力を驕り、他の人々を虫けら同然に侮辱してきた…。」


静かにだが、怒りを込めてたんたんと呟く。


「そんな話…誰が信じるか…」


「本当は君たちもわかっているんだろう?」


スリジエは橙の民二人のもとに近づき、彼らと目線を合わせるために腰を下げる。


「君たちの行動は一般人への危害がないように計画されていた。大海の国から公的に橙の羽を持ち出し、比較的入り込みやすい火山の国で橙の羽を盗む…。ローレルを使ったのはいただけないが、王子の命令ならば兵士も容易に扱えるしね。二重の方法を用い、橙の羽を探しだした…見事だよ。」


「…もともとの我々の計画は、国民を襲ったあと、王子なり王女なりを誘拐し橙の羽を手に入れる取引をするというものだったよ。」


一つため息をついたあと、苦々しくゲイルは呟いた。

隣にいたサランは驚愕の表情をする。


「ゲイルさん…!」


「どうせ後で拷問されるんだ…今話しても変わらんだろう。それに…俺はこんな作戦反対だったしな。」


「やっぱりね…。」


スリジエは立ち上がると、ミストに向かって言った。


「彼らは真の悪人ではない。それは僕が保証する…だから。」


「何を言われるかと思えば…罪を軽減しろという気ですか…?それを決めるのは、私たち三大国ではありません。三大国全体に仇なした者を罰する機関…国際治安維持委員会へ引き渡します。」


ただ…と間をおいて付け加える。


「ただ、あなた方がどういう人間なのかは…きちんと伝えさせていただきます。」


それを聞いてスリジエはほほ笑んだ。スリジエの笑みに気づいたのかミストはスリジエから目線を反らす。

照れているようだ。




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